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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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602/616

第460話 「閉じられた本」

 ――パタン。


---


 一冊の本が閉じる音。


---


 その音は、


---


 誰にも届かなかった。


---


 世界の外側。


---


 時間も、


---


 空間も、


---


 存在しない場所。


---


 そこには、


---


 果てしなく続く本棚が並んでいた。


---


# ◆???


---


 一人の人物が、


---


 静かに本を棚へ戻す。


---


 黒いローブ。


---


 顔は見えない。


---


# ◆???


---


◆小さく


「予定より早い。」


---


---


「彼は、境界執行者を変えてしまった。」


---


# ◆静寂


---


 人物は、


---


 一冊だけ色の違う本を手に取る。


---


---


 漆黒の表紙。


---


---


 タイトルはない。


---


# ◆???


---


 ゆっくりページを開く。


---


---


 そこに記されていた文字は、


---


 一行だけだった。


---


> **観測結果:更新。**


---


# ◆???


---


 少しだけ笑う。


---


---


◆続き


「やはり。」


---


---


「物語は完成しないから、美しい。」


---


# ◆場面転換


---


 一方、


---


 白い空間。


---


# ◆境界執行者


---


 胸に灯った光を見つめている。


---


---


『……これが。』


---


---


『意志。』


---


# ◆オーサー


---


 静かに近づく。


---


---


◆一言


「どうしますか。」


---


# ◆境界執行者


---


 しばらく沈黙する。


---


---


『私は。』


---


---


『命令ではなく。』


---


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◆核心


『自分で選ぶ。』


---


# ◆アルト


---


 満足そうに笑う。


---


---


◆一言


「それでいい。」


---


# ◆突然


---


 白い空間全体が揺れる。


---


---


 空中に、


---


 巨大な扉が現れる。


---


# ◆アーカイブ(通信)


---


『新しい反応!』


---


---


『世界の外側からです!』


---


# ◆クロ


---


『外側!?』


---


# ◆扉


---


 ゆっくり開く。


---


---


 しかし、


---


 中は真っ暗だった。


---


# ◆???


---


 闇の中から、


---


 一枚の紙だけが舞い落ちる。


---


# ◆アルト


---


 紙を受け取る。


---


---


 そこには、


---


 見慣れた形式の文章が書かれていた。


---


> **予告状**

>

> あなたが守り続けた物語を、

>

> 次は私が盗みます。

>

> ――差出人不明


---


# ◆静寂


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 アルトの表情から、


---


 笑みが消える。


---


# ◆オーサー


---


 紙を見つめる。


---


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◆低く


「怪盗……。」


---


# ◆フットノート


---


「違う。」


---


---


◆一言


「これは怪盗の予告状ではありません。」


---


# ◆アルト


---


「分かってる。」


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---


 紙を握り締める。


---


---


◆核心


「これは。」


---


---


「挑戦状だ。」


---


# ◆ラスト


---


 今度の敵は、


---


 世界を書き換える作者でもない。


---


 脚注を操る者でもない。


---


 境界を守る執行者でもない。


---


 "物語そのもの"を盗もうとする、


---


 正体不明の怪盗。


---


 アルトは静かに帽子をかぶり直した。


---


「受けて立つ。」


---


――続く。


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