第457話 「境界の番人」
崩壊する白い空間。
---
巨大な存在が、
---
静かに一歩を踏み出す。
---
その一歩だけで、
---
空間の亀裂がわずかに閉じていく。
---
# ◆アルト
---
◆小さく
「世界を直してる……。」
---
# ◆オーサー
---
表情を曇らせる。
---
---
◆静かに
「違います。」
---
---
◆続き
「修復しているのではありません。」
---
---
◆一言
「切り捨てているのです。」
---
# ◆異変
---
番人が右手を掲げる。
---
---
その指先から白い光が広がる。
---
---
光に触れた亀裂は消える。
---
しかし同時に、
---
亀裂の向こうに見えていた世界も、
---
丸ごと消滅していく。
---
# ◆レイン(通信)
---
「世界ごと……!」
---
# ◆アーカイブ(通信)
---
◆低く
「修復ではありません。」
---
---
「不要と判断した可能性を削除しています。」
---
# ◆番人
---
『境界維持』
---
---
『不要世界』
---
---
『削除開始』
---
# ◆アルト
---
短剣を握る力が強くなる。
---
---
◆低く
「ふざけるな。」
---
# ◆番人
---
感情はない。
---
---
『世界総数』
---
---
『減少』
---
---
『安定率』
---
---
『上昇』
---
# ◆オーサー
---
目を閉じる。
---
---
◆小さく
「……昔の私と同じです。」
---
# ◆アルト
---
オーサーを見る。
---
# ◆オーサー
---
「世界を救うためなら。」
---
---
「何かを切り捨ててもいい。」
---
---
◆続き
「私はそう考えていました。」
---
---
◆一言
「でも違った。」
---
# ◆フットノート
---
万年筆を握り直す。
---
---
◆静かに
「オーサー。」
---
---
「命令を。」
---
# ◆オーサー
---
ゆっくり首を振る。
---
---
◆一言
「ありません。」
---
---
◆続き
「今回は。」
---
---
◆核心
「私も戦います。」
---
# ◆アルト
---
笑う。
---
---
◆一言
「やっと仲間らしくなったな。」
---
# ◆戦闘開始
---
アルトが飛び出す。
---
---
番人の懐へ一気に踏み込む。
---
# ◆番人
---
『迎撃』
---
---
光の刃が無数に展開される。
---
# ◆フットノート
---
万年筆を走らせる。
---
> **※光刃はアルトの右側を通過する。**
---
# ◆異変
---
光の軌道がわずかに逸れる。
---
# ◆アルト
---
「助かる!」
---
# ◆オーサー
---
原稿を開く。
---
---
ページに新しい一文を書き込む。
---
> **希望は、一人では成立しない。**
---
# ◆白い文字
---
その文章が光となり、
---
アルトの身体を包む。
---
# ◆アルト
---
驚く。
---
---
◆小さく
「これは……。」
---
# ◆オーサー
---
穏やかに笑う。
---
---
◆一言
「初めて。」
---
---
◆続き
「誰かを縛るためではなく。」
---
---
◆核心
「誰かを支えるために書きました。」
---
# ◆アルト
---
力強くうなずく。
---
---
◆笑う
「その原稿なら。」
---
---
◆一言
「悪くない。」
---
# ◆ラスト
---
怪盗。
---
作者。
---
脚注。
---
三人の力が初めて一つになる。
---
その先で、
---
境界の番人が静かに告げた。
---
『第一段階終了』
---
---
『第二形態へ移行』
---
番人の身体が、
---
眩い光に包まれ始める。
---
――続く。




