第456話 「境界崩壊」
黒い亀裂。
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それは一本では終わらなかった。
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空を走り、
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大地を裂き、
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白い空間そのものへ広がっていく。
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# ◆アーカイブ(通信)
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『境界崩壊を確認!』
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『世界と世界の境目が消え始めています!』
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# ◆レイン
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「そんなことが起きたら……!」
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# ◆アーカイブ
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◆低く
「異なる可能性が衝突します。」
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「本来、交わるはずのない未来同士が一つになる。」
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# ◆静寂
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オーサーは崩れていく世界を見つめる。
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その瞳には動揺が浮かんでいた。
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# ◆オーサー
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◆小さく
「私が……。」
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「世界へ手を加え続けた代償ですか。」
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# ◆アルト
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首を横に振る。
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◆一言
「違う。」
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# ◆オーサー
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「……?」
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# ◆アルト
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「誰か一人のせいじゃない。」
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「世界はずっと選択を積み重ねてきた。」
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◆続き
「今、その歪みが表に出ただけだ。」
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# ◆フットノート
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万年筆を強く握る。
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◆静かに
「脚注でも修正できません……。」
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「文章そのものが崩れています。」
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# ◆観測者
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巨大な瞳が、
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再びゆっくりと開く。
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『報告』
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『世界を維持する確率』
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『三・八七%』
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# ◆クロ(通信)
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『低すぎる……!』
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# ◆観測者
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『維持案を提示』
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『不要な可能性を消去』
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『成功率』
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『九八・四一%』
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# ◆アルト
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険しい表情になる。
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◆低く
「不要って誰が決める。」
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# ◆観測者
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『演算結果』
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『世界全体』
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# ◆アルト
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「違う。」
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◆一言
「世界は計算じゃない。」
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# ◆オーサー
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ゆっくりとアルトを見る。
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# ◆オーサー
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◆静かに
「私は……。」
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「同じことを言っていました。」
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◆続き
「不要な未来を消そうと。」
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# ◆アルト
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「今は?」
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# ◆オーサー
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少しだけ笑う。
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◆一言
「迷っています。」
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# ◆アルト
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笑みを返す。
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◆続き
「それでいい。」
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「迷うってことは。」
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◆核心
「まだ選べるってことだ。」
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# ◆異変
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その瞬間。
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崩壊する空間の向こうから、
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一つの巨大な影が姿を現す。
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白でも、
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黒でもない。
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色の定まらない存在。
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# ◆フットノート
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「まさか……!」
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# ◆オーサー
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息をのむ。
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◆低く
「境界の番人……。」
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# ◆影
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感情のない声が響く。
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『境界修復を開始』
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『異物を排除する』
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# ◆アルト
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短剣を構える。
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◆笑う
「異物扱いか。」
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# ◆ラスト
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世界を守るため現れた番人。
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しかし、
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その番人が最初に排除対象として定めたのは、
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世界を救おうとするアルトたちだった。
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崩壊する世界で、
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新たな戦いの幕が上がる。
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――続く。




