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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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597/620

第455話 「計算できない答え」

 白い空間。


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 巨大な瞳――観測者が、


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 静かにアルトを見つめている。


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# ◆観測者


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『質問』


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『なぜ選択する』


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『最適解は一つ』


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『迷う必要は存在しない』


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# ◆アルト


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 帽子のつばを軽く上げる。


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◆一言


「だから、お前には分からない。」


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# ◆観測者


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『解析』


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『回答不能』


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# ◆アルト


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 ゆっくり歩き始める。


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◆続き


「人はな。」


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「正しいから選ぶんじゃない。」


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「信じたいから選ぶ。」


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# ◆観測者


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『非合理』


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『成功率が低下する』


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# ◆アルト


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 笑う。


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◆一言


「合理的なら。」


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◆続き


「怪盗なんてやってない。」


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# ◆静寂


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 オーサーは、


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 その会話を黙って聞いていた。


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# ◆オーサー


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◆小さく


「私も……。」


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「昔は同じことを言っていました。」


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# ◆アルト


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「だったら。」


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◆続き


「何で変わった?」


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# ◆オーサー


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 目を閉じる。


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◆静かに


「救えなかったからです。」


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「一度。」


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「たった一度の選択で。」


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「大切な人を失いました。」


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# ◆アルト


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 何も言わない。


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# ◆オーサー


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「だから私は。」


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◆続き


「選択そのものをなくそうとした。」


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# ◆フットノート


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 静かに視線を落とす。


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 初めて、


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 オーサーの過去を聞いた。


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# ◆観測者


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『理解』


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『感情が判断を歪めた』


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『修正対象』


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# ◆アルト


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 すぐに否定する。


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◆一言


「違う。」


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# ◆観測者


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『?』


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# ◆アルト


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「感情があるから。」


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「誰かを守ろうと思える。」


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「感情があるから。」


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「後悔する。」


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「後悔するから。」


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◆核心


「次は間違えないように生きる。」


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# ◆静寂


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 観測者は、


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 返答しない。


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 ただ、


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 無数の光が瞳の奥で流れていた。


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# ◆観測者


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『再計算』


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『未知の変数を確認』


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『名称』


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『意志』


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# ◆アルト


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 短剣を構える。


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◆笑う


「やっと覚えたか。」


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# ◆異変


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 その瞬間。


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 白い空間に、


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 一本の黒い亀裂が走る。


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# ◆アーカイブ(通信)


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『アルト!』


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『その反応はまずい!』


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# ◆レイン


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「何が起きる!」


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# ◆アーカイブ


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 焦った声で叫ぶ。


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◆一言


「世界の境界が崩れます!」


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# ◆観測者


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『境界維持不能』


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『世界を保護する』


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# ◆異変


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 巨大な瞳が、


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 ゆっくりと閉じる。


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 同時に、


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 白い空間そのものが崩れ始める。


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# ◆オーサー


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 驚いた表情で空を見上げる。


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◆小さく


「……まさか。」


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# ◆ラスト


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 世界を守るため、


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 観測者が初めて自ら動き出す。


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 その決断は、


---


 アルトにも、


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 オーサーにも予想できなかった。


---


 そして、


---


 物語は新たな局面へと突入する。


---


――続く。


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