第454話 「観測者のページ」
白い空間。
---
オーサーの原稿に浮かんだ、
---
謎の名前。
---
しかし、
---
その部分だけは黒く塗り潰されていた。
---
# ◆アルト
---
原稿を見つめる。
---
---
◆一言
「名前が読めない。」
---
# ◆フットノート
---
ページを確認する。
---
何度も。
---
何度も。
---
しかし、
---
結果は同じだった。
---
# ◆フットノート
---
◆低く
「文字ではありません。」
---
---
◆続き
「存在そのものが伏せられている。」
---
# ◆レイン(通信)
---
「そんなことできるのか?」
---
# ◆アーカイブ(通信)
---
しばらく沈黙した後、
---
静かに答える。
---
◆一言
「できます。」
---
# ◆全員
---
「……。」
---
# ◆アーカイブ
---
◆続き
「ただし。」
---
---
◆一言
「世界を書き換える側ではなく。」
---
---
◆核心
「世界を見る側にしか。」
---
# ◆アルト
---
眉をひそめる。
---
「見る側?」
---
# ◆オーサー
---
ゆっくり口を開く。
---
---
◆静かに
「観測者。」
---
# ◆静寂
---
その言葉が、
---
空間に響く。
---
# ◆オーサー
---
「私が世界を書こうとした理由。」
---
---
「それは。」
---
---
◆続き
「観測者から見た世界が。」
---
---
◆一言
「壊れすぎていたからです。」
---
# ◆アルト
---
「……。」
---
# ◆オーサー
---
原稿を閉じる。
---
---
◆続き
「観測者は、すべてを知っています。」
---
---
「過去も。」
---
---
「未来も。」
---
---
「可能性も。」
---
---
◆一言
「ですが。」
---
---
◆核心
「何もしない。」
---
# ◆フットノート
---
小さく呟く。
---
「記録するだけ……。」
---
# ◆オーサー
---
頷く。
---
---
「そうです。」
---
---
「悲劇を見ても。」
---
---
「失敗を見ても。」
---
---
「ただ観測する。」
---
# ◆アルト
---
拳を握る。
---
---
◆低く
「それじゃ。」
---
---
◆続き
「見捨ててるのと同じだ。」
---
# ◆突然
---
白い空間に、
---
一つの目が浮かぶ。
---
---
巨大な瞳。
---
---
感情のない視線。
---
# ◆???
---
『記録確認』
---
---
『世界改変を確認』
---
---
『異常値を検出』
---
# ◆クロ(通信)
---
『何これ……。』
---
# ◆セラ
---
『生き物……?』
---
# ◆???
---
『回答』
---
---
『私は生命ではない』
---
---
『私は観測装置』
---
# ◆アルト
---
睨みつける。
---
---
◆一言
「お前が。」
---
---
◆続き
「観測者か。」
---
# ◆???
---
『肯定』
---
---
『世界は予定通り進行していた』
---
---
『しかし』
---
---
◆間
『予想外の存在を確認』
---
# ◆視線
---
その目が、
---
アルトを見る。
---
# ◆???
---
『怪盗アルト』
---
---
『あなたが原因』
---
# ◆アルト
---
笑う。
---
---
◆一言
「原因?」
---
---
◆続き
「違うな。」
---
---
◆帽子をかぶる。
---
---
◆核心
「俺は。」
---
---
「予定外じゃない。」
---
---
「選択しただけだ。」
---
# ◆ラスト
---
観測者の目が、
---
初めて揺らぐ。
---
『理解不能』
---
『選択とは』
---
『計算できない』
---
世界を記録する存在が、
---
初めて知らないものに触れた。
---
それは――
---
人間の意思だった。
---
――続く。




