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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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第449話 「盗むべきもの」

 白い世界。


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 アルトは一直線に駆ける。


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 狙うのは、


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 一冊の白い本。


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# ◆オーサー


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 微笑む。


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◆小さく


「やはり。」


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◆続き


「そこへ来ますか。」


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# ◆アルト


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「怪盗だからな。」


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◆一言


「狙いは最初から決めてる。」


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# ◆追撃


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 無数のオーサーが、


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 一斉にアルトを取り囲む。


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# ◆分身


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「止まりなさい。」


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「その本は世界そのものです。」


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「盗めば均衡が崩れる。」


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# ◆アルト


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 笑う。


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◆一言


「だから盗まねぇ。」


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# ◆静寂


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 その言葉に、


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 オーサーたちの動きが止まる。


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# ◆アルト


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◆続き


「壊しもしない。」


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「燃やしもしない。」


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◆一言


「返すだけだ。」


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# ◆オーサー


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「返す……?」


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# ◆アルト


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 白い本へ手を伸ばす。


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◆静かに


「お前は。」


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「世界を自分一人で抱え込みすぎた。」


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◆続き


「だから誰にも渡せなくなった。」


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# ◆オーサー


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 表情が揺らぐ。


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# ◆アルト


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◆一言


「世界は。」


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◆続き


「一人の持ち物じゃない。」


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# ◆接触


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 アルトの指先が、


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 白い本に触れる。


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# ◆異変


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 本が光を放つ。


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 ページが勝手に開き、


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 文字が空へ舞い上がる。


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# ◆世界


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 空に浮かぶ文字。


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 人々の笑顔。


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 涙。


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 別れ。


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 再会。


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 無数の物語が流れていく。


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# ◆オーサー


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 その光景を見つめる。


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◆小さく


「これは……。」


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# ◆アルト


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◆静かに


「お前が書いた物語じゃない。」


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◆続き


「世界中の誰かが生きた証だ。」


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# ◆白い本


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 ゆっくりと閉じる。


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 そして、


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 アルトの手を離れ、


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 空高く浮かび上がる。


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# ◆クロ(通信)


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『アルト!』


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『本が世界中へ反応を飛ばしてる!』


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# ◆アーカイブ(通信)


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「まさか……。」


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◆小さく


「本来の持ち主を探している。」


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# ◆オーサー


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 呆然と空を見上げる。


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◆一言


「私は……。」


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◆続き


「間違っていたのでしょうか。」


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# ◆アルト


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 首を横に振る。


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◆静かに


「間違いじゃない。」


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◆続き


「ただ。」


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◆笑う


「全部一人で背負おうとしただけだ。」


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# ◆ラスト


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 白い本は、


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 眩い光となって空へ消える。


---


 その瞬間、


---


 世界各地で眠っていた六つの《影の遺産》が、


---


 一斉に目覚めた。


---


 オーサーが止めようとした運命は、


---


 今、


---


 新たな形で動き始める。


---


――続く。


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