第440話 「オーサー計画」
夜明け前。
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街は静けさを取り戻していた。
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クラウンブレイク事件から、一週間。
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美術館は通常営業を再開し、
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新聞には「伝説の怪盗と謎の白い怪盗」の記事が連日掲載されている。
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# ◆アジト
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アルトはソファへ寝転び、
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新聞を顔に乗せた。
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# ◆クロ
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『また一面だよ。』
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『"黒と白の怪盗、爆破事件を阻止"だって。』
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# ◆アルト
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苦笑する。
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◆一言
「名前くらい伏せてくれ。」
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# ◆レイン
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「でも市民の反応は悪くない。」
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スマートフォンを差し出す。
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『怪盗が人を助けた』
『警察と協力したって本当?』
『映画みたいだった』
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# ◆アルト
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◆小さく
「期待されると動きにくいな。」
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# ◆ノワール
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窓の外を見つめる。
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◆静かに
「ですが。」
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◆続き
「平穏は長く続かないでしょう。」
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# ◆通信
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ピコン。
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クロの端末が鳴る。
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# ◆クロ
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『未登録の通信!』
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『送り主は……アーカイブ!』
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# ◆映像
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ホログラムが浮かび上がる。
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映るのはアーカイブ。
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その表情は険しい。
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# ◆アーカイブ
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「時間がありません。」
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「キーパーが襲撃されました。」
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# ◆全員
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「!!」
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# ◆レイン
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「誰に!?」
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# ◆アーカイブ
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「分かりません。」
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「始原の予告状も奪われました。」
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# ◆アルト
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立ち上がる。
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◆低く
「犯人は。」
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# ◆アーカイブ
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首を横に振る。
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◆一言
「残されたのは、一枚のカードだけです。」
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# ◆映像
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画面に映る黒いカード。
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そこには、銀色の文字。
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> **予告**
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> 世界中に散らばる七つの《影の遺産》を、
>
> すべていただく。
>
> ――オーサー
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# ◆静寂
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# ◆クロ
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『オーサー……?』
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# ◆セラ
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『アルトじゃないよね!?』
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# ◆アルト
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ゆっくりと首を横に振る。
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◆低く
「違う。」
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◆続き
「俺はこんな予告状を書かない。」
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# ◆ノワール
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カードを見つめる。
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◆小さく
「"オーサー計画"……。」
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◆続き
「計画ではなく、人の名だったのですね。」
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# ◆アーカイブ
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「彼は怪盗ではありません。」
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◆続き
「怪盗という概念そのものを盗もうとしている存在です。」
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# ◆アルト
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カードを握り締める。
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◆静かに
「面白い。」
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◆一言
「なら、盗まれる前に盗り返す。」
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# ◆ラスト
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《影の遺産》とは何か。
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オーサーとは誰なのか。
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そして始原の予告状は、なぜ奪われたのか。
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新たな敵は、
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アルトと同じ"怪盗"ではない。
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怪盗という存在そのものを覆そうとする、
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史上最大の盗人だった。
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