第436話 「キーパー」
地下室。
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老人――キーパーは、
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静かにアルトたちを見渡した。
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# ◆キーパー
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「まずは礼を。」
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「彼女を救ってくれて、ありがとうございます。」
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# ◆少女
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「お母さん!」
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少女は母親へ駆け寄る。
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母親も涙を浮かべながら、
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娘を強く抱きしめた。
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# ◆警部
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その光景を確認すると、
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ゆっくりとキーパーへ向き直る。
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◆低く
「誘拐、監禁、爆破事件。」
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◆続き
「説明してもらおう。」
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# ◆キーパー
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静かに頷く。
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◆一言
「当然です。」
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# ◆クロ
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『全部あなたが仕組んだの?』
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# ◆キーパー
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「違います。」
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◆続き
「私が計画したのは"試練"だけです。」
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◆一言
「クラウンブレイクの介入は想定外でした。」
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# ◆カイザー
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目を細める。
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◆静かに
「だから私たちを呼んだ。」
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# ◆キーパー
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「ええ。」
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「彼らは始原の予告状を悪用しようとしていました。」
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# ◆ノワール
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「しかし、なぜアルトを?」
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# ◆キーパー
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アルトを見る。
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◆穏やかに
「理由は単純です。」
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◆続き
「今の時代で最も多くの人を救ってきた怪盗だからです。」
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# ◆アルト
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肩をすくめる。
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◆小さく
「買いかぶりだ。」
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# ◆キーパー
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首を横へ振る。
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◆続き
「いいえ。」
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◆一言
「あなたは宝だけを見ていない。」
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# ◆静寂
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# ◆キーパー
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「第一の試練では、予告状を守った。」
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「第二の試練では、人を守った。」
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「どちらも正解です。」
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# ◆レイン
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「じゃあ、試練は終わったんだな?」
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# ◆キーパー
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少しだけ表情を曇らせる。
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◆静かに
「……終わっていません。」
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# ◆全員
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「!」
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# ◆キーパー
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「本来、試練は三つあります。」
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◆続き
「しかし。」
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◆一言
「第三の試練は、私には実施できない。」
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# ◆アルト
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「どういうことだ?」
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# ◆キーパー
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始原の予告状を見つめる。
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◆静かに
「第三の試練を開く資格を持つ者は。」
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◆続き
「私ではありません。」
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# ◆始原の予告状
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突然、
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静かに震え始める。
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# ◆クロ
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『また反応!』
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# ◆セラ
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『文字が出る!』
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# ◆予告状
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黒い紙に、
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新たな文字が浮かぶ。
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> **継承者を確認。**
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> **最終試練を開始します。**
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# ◆レイン
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「継承者……?」
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# ◆キーパー
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驚いた表情を浮かべる。
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◆小さく
「まさか……。」
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# ◆予告状
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最後の一文が現れる。
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> **怪盗アルト。**
>
> **あなたが、試練の管理者となる資格を有します。**
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# ◆静寂
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地下室から、
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音が消えた。
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# ◆ラスト
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試される側だったアルトが、
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今度は試す側へ。
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最終試練は、
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誰かを倒す戦いではない。
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"怪盗とは何か"を未来へ託す戦いが、
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静かに幕を開けようとしていた。
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――続く。




