第433話 「残された時計」
薄暗い部屋。
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少女の母親は、
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ゆっくりと体を起こした。
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# ◆母親
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「……ここは。」
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見覚えのない部屋。
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窓はない。
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鉄製の扉が一つ。
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そして、
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机の上には黒い予告状。
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> **迎えに来られるか。**
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# ◆場面転換
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総合病院。
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アルトたちは、
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病室の調査を続けていた。
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# ◆クロ
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◆叫ぶ
『病院のデータを復元した!』
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◆続き
『患者搬送記録は一件だけ削除されてる!』
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# ◆警部
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「搬送先は?」
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# ◆クロ
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『住所は復元できない……。』
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『でも搬送車両の番号は残ってる!』
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# ◆レイン
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「追跡できる!」
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# ◆アルト
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首を横に振る。
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◆一言
「無駄だ。」
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# ◆レイン
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「どうして?」
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# ◆アルト
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◆静かに
「犯人なら。」
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◆続き
「そんな証拠は残さない。」
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◆一言
「残したなら、見つけてほしいってことだ。」
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# ◆ノワール
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腕を組む。
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◆小さく
「誘導……。」
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# ◆アルト
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「そうだ。」
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◆続き
「これは手掛かりじゃない。」
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◆一言
「誘いだ。」
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# ◆その時
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少女が、
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病室の引き出しを開ける。
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# ◆少女
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「これ……。」
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中には、
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一つの腕時計。
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# ◆警部
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「患者の私物か?」
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# ◆少女
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首を横に振る。
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◆小さく
「お母さんのじゃない。」
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# ◆アルト
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時計を手に取る。
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裏蓋には、
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小さな刻印。
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**『R-17』**
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# ◆クロ
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『データベース検索!』
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『一致あり!』
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# ◆セラ
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『廃工場跡地で使われていた備品番号!』
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# ◆レイン
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「廃工場?」
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# ◆警部
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「十年前に閉鎖された金属加工工場だ。」
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# ◆アルト
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時計を静かにポケットへしまう。
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◆笑う
「ようやく。」
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◆一言
「本当の手掛かりが出た。」
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# ◆ノワール
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「誘導ではないと?」
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# ◆アルト
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◆続き
「違う。」
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◆静かに
「これは犯人が落とした物じゃない。」
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◆一言
「捕まった人が残した物だ。」
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# ◆少女
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「お母さんが……?」
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# ◆アルト
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優しく頷く。
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◆続き
「助けを呼ぶためにな。」
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# ◆ラスト
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廃工場。
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そこに待つのは、
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少女の母親か。
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それとも、
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第二の試練を仕掛けた黒幕か。
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アルトたちは夜の街を駆け出す。
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その先で待ち受ける真実を、
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まだ誰も知らなかった。
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――続く。




