第431話 「守るべきもの」
夜。
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街中に降り積もる、
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無数の予告状。
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人々は戸惑いながら、
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同じ文章を見つめていた。
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> **あなたにとって、**
>
> **最も大切なものをいただく。**
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# ◆クロ
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◆叫ぶ
『全部回収したけど、差出人は不明!』
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『紙質も印刷方法も全部同じ!』
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# ◆セラ
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『指紋も何も残ってないよ……。』
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# ◆警部
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「悪質な脅迫事件だ。」
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「警戒を強化しろ!」
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# ◆アルト
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予告状を見つめる。
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◆小さく
「違う。」
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# ◆レイン
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「何がです?」
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# ◆アルト
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◆静かに
「これは盗みの予告じゃない。」
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◆続き
「問い掛けだ。」
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# ◆ノワール
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頷く。
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◆小さく
「第二の試練。」
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◆続き
「『怪盗は、何を守る者か』。」
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# ◆カイザー
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予告状を裏返す。
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そこには、
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小さな数字が刻まれていた。
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**『24:00:00』**
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# ◆レイン
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「時間……?」
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# ◆クロ
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『カウントダウンだ!』
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『あと二十四時間でゼロになる!』
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# ◆その時
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一人の少女が泣きながら駆けてくる。
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# ◆少女
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「お願い!」
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「助けてください!」
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# ◆警部
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「どうした?」
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# ◆少女
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震える手で、
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一枚の写真を差し出す。
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写真には、
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入院中と思われる女性。
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# ◆少女
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◆涙声
「お母さんが……」
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「病院からいなくなったの……。」
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# ◆全員
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「!?」
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# ◆少女
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「部屋には……」
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「これだけが置いてあった。」
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差し出されたのは、
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一枚の予告状。
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> **あなたの大切なものを、**
>
> **いただきました。**
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# ◆静寂
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# ◆レイン
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「もう盗まれてる……。」
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# ◆警部
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「すぐ病院へ向かう!」
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# ◆アルト
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予告状を見つめたまま、
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表情を変えない。
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# ◆カイザー
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「何か気付きましたか?」
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# ◆アルト
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◆低く
「違和感がある。」
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◆続き
「この予告状……。」
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◆一言
「怪盗が書いたものじゃない。」
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# ◆ノワール
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「どういうことですか?」
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# ◆アルト
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静かに答える。
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◆続き
「怪盗は盗む前に予告する。」
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◆一言
「盗んだ後に予告は出さない。」
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# ◆静寂
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全員が、
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予告状を見つめる。
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# ◆ラスト
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これは、
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怪盗の犯行ではない。
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誰かが、
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怪盗の流儀そのものを利用している。
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第二の試練は、
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事件ではなく、
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"怪盗の存在意義"を揺るがす戦いだった。
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――続く。




