第426話 「最初の予告状」
地下保管庫。
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黒い金庫。
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その場の空気が、
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張り詰める。
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# ◆アルト
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「世界を終わらせる予告状……?」
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# ◆ノワール
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静かに頷く。
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◆小さく
「これは怪盗の歴史が始まる以前から存在する遺物です。」
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# ◆レイン
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「予告状って、ただの紙じゃないのか?」
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# ◆ノワール
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◆続き
「本来は、そうです。」
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◆一言
「ですが、この一枚だけは違います。」
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# ◆カイザー
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金庫を見つめたまま口を開く。
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◆静かに
「『始原の予告状』。」
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◆続き
「怪盗の世界では、そう呼ばれています。」
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# ◆アルト
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「中には何が書いてある?」
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# ◆カイザー
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首を横に振る。
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◆一言
「誰も知りません。」
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◆続き
「読んで帰ってきた者がいないからです。」
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# ◆静寂
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その言葉に、
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誰も動けなくなる。
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# ◆黒い怪盗
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笑い始める。
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◆嘲笑
「だから価値がある。」
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◆続き
「クラウンブレイクは、この日のために十年動いてきた。」
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# ◆警部
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「十年……!」
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# ◆黒い怪盗
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「この予告状があれば、世界中の怪盗は終わる。」
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# ◆アルト
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男を睨みつける。
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◆低く
「お前の目的は何だ。」
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# ◆黒い怪盗
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両手を広げる。
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◆笑う
「怪盗のいない世界を作る。」
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◆続き
「そのためなら、何万人死のうが構わない。」
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# ◆レイン
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「ふざけるな!」
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飛び出そうとする。
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# ◆アルト
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腕をつかみ、制止する。
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◆静かに
「挑発に乗るな。」
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# ◆その時
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黒い怪盗が、
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金庫へ手を伸ばす。
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# ◆カイザー
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一歩踏み出す。
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◆低く
「触れるな。」
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# ◆黒い怪盗
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「止められるか?」
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金庫の鍵へ、
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指先が触れた。
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# ◆異変
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カチッ。
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鍵が、
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独りでに回る。
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# ◆クロ
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『開く!!』
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# ◆セラ
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『止めて!!』
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# ◆金庫
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ゆっくりと扉が開く。
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中にあったのは、
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一枚の古びた封筒。
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黒く変色した封蝋。
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中央には、
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見たことのない紋章。
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# ◆ノワール
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息をのむ。
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◆小さく
「……まさか。」
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# ◆封筒
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誰も触れていない。
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それなのに、
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封が静かに割れる。
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# ◆声
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『予告を開始します。』
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# ◆全員
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「!!」
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# ◆ラスト
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封筒の中から、
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一枚の黒い紙が浮かび上がる。
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それは、
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誰の手にも触れず、
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ゆっくりと宙へ舞い上がった。
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世界最初の予告状が、
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自ら読み上げられようとしていた。
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――続く。




