第425話 「地下保管庫」
地下三階。
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重厚な防爆扉が、
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ゆっくりと閉じ始める。
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# ◆クロ
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◆叫ぶ
『あと三十秒で完全閉鎖!』
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# ◆警部
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「急げ!」
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警察と怪盗たちが、
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一直線に地下保管庫へ向かう。
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# ◆地下保管庫
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巨大な鋼鉄製の扉。
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その前には、
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黒いフードの男が立っていた。
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# ◆黒い怪盗
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◆笑う
「遅かったな。」
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男の背後では、
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数人の仲間が大型ケースを運び出している。
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# ◆レイン
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「証拠品だ!」
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# ◆アルト
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足を止めない。
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◆一言
「行かせるな。」
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# ◆クラウンブレイク
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男が指を鳴らす。
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床から無数の金属ワイヤーが飛び出し、
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通路全体を覆う。
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# ◆黄昏
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◆解析
『炭素繊維ワイヤー。』
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◆続き
『触れれば高電圧が流れます。』
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# ◆警察
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「突破できない!」
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# ◆アルト
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ワイヤーを見つめる。
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◆小さく
「なら。」
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腰からカードを一枚取り出す。
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軽く指で弾いた。
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# ◆カード
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カードは回転しながら飛び、
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ワイヤーの固定装置へ命中する。
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火花。
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一本。
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二本。
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三本。
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張り巡らされていたワイヤーが、
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次々と弛んでいく。
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# ◆レイン
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「今だ!」
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一同が一気に駆け抜ける。
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# ◆黒い怪盗
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舌打ちする。
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◆小さく
「ちっ……。」
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# ◆アルト
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男の目前まで迫る。
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◆静かに
「終わりだ。」
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# ◆黒い怪盗
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不敵に笑う。
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◆一言
「そう思うか?」
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# ◆突然
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大型ケースの一つが開く。
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中から現れたのは、
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大量の書類ではなかった。
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# ◆クロ
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『えっ!?』
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# ◆セラ
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『何あれ!?』
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# ◆ケース
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収められていたのは、
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一つの黒い金庫。
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表面には、
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見覚えのある紋章。
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黒い月。
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そして、
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銀色の鍵。
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# ◆ノワール
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表情が凍りつく。
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◆小さく
「……まさか。」
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# ◆アルト
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「知ってるのか?」
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# ◆ノワール
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静かに頷く。
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◆低く
「これは証拠品ではありません。」
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◆続き
「私たちの世界で――」
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◆一言
「決して開けてはならない金庫です。」
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# ◆カイザー
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初めて笑みが消える。
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◆静かに
「やはり、ここにあったか。」
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# ◆アルト
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「中身は?」
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# ◆ノワール
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短く答える。
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◆一言
「予告状です。」
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# ◆全員
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「……予告状?」
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# ◆ノワール
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◆続き
「ただの予告状ではありません。」
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◆小さく
「世界を終わらせるために書かれた、最初の一枚です。」
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# ◆ラスト
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怪盗たちが追っていたのは、
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宝でも、
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証拠でもなかった。
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一枚の予告状。
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その封印が、
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静かに解かれようとしていた。
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――続く。




