第421話 「二枚の予告状」
市立美術館。
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黄金の王冠を挟み、
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二人の怪盗が向かい合う。
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# ◆警部
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「二人まとめて確保しろ!」
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警察部隊が一斉に動く。
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# ◆アルト
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苦笑する。
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◆小さく
「相変わらず人気者だな」
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# ◆カイザー
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◆笑う
「怪盗の宿命ですよ」
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# ◆警察
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盾を構え、
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二人を包囲する。
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◆警部
「もう逃げ場はない!」
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# ◆アルト
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王冠へ目を向ける。
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◆一言
「なあ」
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◆続き
「お前、本当に王冠を盗みに来たのか?」
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# ◆カイザー
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静かに首を横へ振る。
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◆小さく
「いいえ」
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◆続き
「確かめに来ました」
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# ◆アルト
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「何を?」
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# ◆カイザー
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アルトを真っ直ぐ見つめる。
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◆一言
「あなたを」
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# ◆静寂
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館内が静まり返る。
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# ◆カイザー
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◆続き
「あなたは宝を盗む。」
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◆続き
「人を救う。」
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◆続き
「世界中があなたを伝説と呼ぶ。」
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◆一言
「では──」
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◆続き
「怪盗としての腕前はどうでしょう。」
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# ◆アルト
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少しだけ笑う。
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◆小さく
「試験か」
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# ◆カイザー
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◆頷く
「ええ」
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◆続き
「勝負をしましょう。」
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# ◆クロ
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『勝負!?』
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# ◆セラ
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『ここで!?』
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# ◆カイザー
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懐から一枚の黒いカードを取り出す。
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そして、
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王冠の前へ静かに置いた。
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## ◆予告状
> **予告**
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> 黄金の王冠を、
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> 今宵、いただきます。
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> ――怪盗王 カイザー
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# ◆アルト
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口元を緩める。
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◆笑う
「なるほど」
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懐からカードを取り出す。
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その隣へ置く。
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## ◆予告状
> **予告**
>
> 怪盗王より先に、
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> 黄金の王冠をいただく。
>
> ――怪盗アルト
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# ◆警部
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「な……!」
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「予告状が二枚だと!?」
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# ◆カイザー
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帽子を軽く持ち上げる。
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◆笑顔
「条件は簡単です。」
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◆続き
「警察も、警備装置も利用して構いません。」
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◆一言
「先に王冠へ触れた方の勝ち。」
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# ◆アルト
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黒いマントを翻す。
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◆不敵に笑う
「後悔するなよ。」
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# ◆カイザー
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◆笑う
「その言葉、そのまま返します。」
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# ◆警部
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「始まるぞ!」
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「全員、目を離すな!」
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# ◆ラスト
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二枚の予告状。
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二人の怪盗。
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同じ獲物。
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同じ夜。
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伝説と怪盗王。
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どちらが先に、
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王冠を手にするのか。
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――続く。




