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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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434/439

第293話 「盗み返す者」

炎の中。


---


 歪んだ影が、ゆっくりとこちらを向く。


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◆模倣犯


「遅いよ、“元主役”」


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 その声は、


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 どこか軽く、


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 どこか壊れている。


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# ◆セラ


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「……あなた……誰……」


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# ◆模倣犯


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 肩をすくめる。


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「名乗るほどじゃない」


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◆笑う

「どうせ、お前には関係ないしな」


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# ◆違和感


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 その一言で、


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 空気が変わる。


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 “関係ない”。


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 さっきまで自分を縛っていた言葉。


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# ◆セラ


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「……違う」


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◆一歩


 前に出る。


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◆否定


「関係ある」


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◆一言


「それ、私の物語だから」


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# ◆反応


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 模倣犯の目が、


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 わずかに細くなる。


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◆興味

「……へえ」


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# ◆核心


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「でも今は、違うだろ?」


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◆指差す

「その“主役”」


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◆一言

「もう俺のだ」


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# ◆証明


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 その瞬間。


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◆現象


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 炎が、


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 模倣犯に集まる。


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 熱も、


 光も、


 視線も。


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◆集中


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 すべてが、


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 “彼中心”に回る。


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# ◆理解


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 これが、


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 奪われた主役。


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# ◆セラ


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「……返して」


---


---


# ◆模倣犯


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「無理」


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◆即答

「もう馴染んでる」


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◆続き

「主役ってのはな、奪った方が勝ちなんだよ」


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# ◆戦闘開始


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 次の瞬間。


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◆消失


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 模倣犯が消える。


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# ◆衝撃


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 背後。


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◆セラ


「っ!!」


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 咄嗟に振り向く。


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 だが遅い。


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◆一撃


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 衝撃が走る。


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 吹き飛ばされる。


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# ◆床


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 瓦礫に叩きつけられる。


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◆セラ

「……っ……!」


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# ◆圧倒


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 速い。


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 重い。


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 そして何より――


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◆絶望


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 “当たり前のように当たる”。


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# ◆模倣犯


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「そりゃそうだろ」


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◆冷たく

「主役なんだから」


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# ◆セラ


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 立ち上がる。


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 足が震える。


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 でも――


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◆思い出す


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 さっきの一歩。


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 踏み出した瞬間。


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 世界が、自分を見た。


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# ◆理解


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 主役は、


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 奪われるだけじゃない。


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◆結論


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「取り返せる」


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# ◆模倣犯


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「……は?」


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# ◆覚醒の兆し


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 セラの周囲に、


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 わずかな揺らぎ。


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◆視線


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 ほんの少しだけ、


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 戻ってくる。


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# ◆能力


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 セラが手を伸ばす。


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 模倣犯へ。


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◆宣言


「それ……」


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◆一言

「返してもらう」


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# ◆発動


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 見えない何かを、


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 掴む。


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◆引き寄せる


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 炎の一部が、


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 セラ側へ流れる。


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# ◆模倣犯


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「……っ!?」


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◆驚愕

「なにそれ……」


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# ◆新能力


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 “盗まれたものを盗み返す”。


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# ◆セラ


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「……これが……」


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◆理解

「私の……力……?」


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# ◆少年(外)


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 炎の外で、


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 静かに見ている。


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◆少年

「……やっぱりな」


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◆確信

「“返却者”か」


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# ◆戦況変化


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 炎が揺れる。


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 中心が、


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 二つに分かれる。


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# ◆模倣犯


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「……面白いじゃん」


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◆笑う

「じゃあ奪い合いだ」


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# ◆激突


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 再び、


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 ぶつかる。


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 奪う力と、


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 奪い返す力。


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---


# ◆ラスト


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 物語の中心が、


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 揺れ始める。


---


---


◆最後の一文


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 主役は、


---


 “取り戻すために戦うもの”へ変わった。


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---


――続く。


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