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影の盗賊(シャドウ・シーフ)  作者: A-LIGHT(I lie)


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第276話「創造の層」


 空の裂け目。


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 その奥にあるのは、


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 “深さ”ではない。


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 “階層”。


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◆理解


 世界は一つではない。


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 物語も、一つではない。


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 いくつもの層が重なり、


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 その上に、


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 さらに上位の構造が存在する。


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◆ファントム


「……見られてる」


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◆アルト


「観測者とは違うな」


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◆無終


「……もっと上だ」


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# ◆変化


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 裂け目が、


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 ゆっくりと開く。


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◆出現


 そこから、


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 一つの“影”が降りてくる。


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 形は、人に似ている。


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 だが、


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 明確な輪郭がない。


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◆異質


 存在しているのに、


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 “存在として認識できない”。


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◆アルト


「……なんだ、あれ」


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# ◆創造側


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 その存在が、


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 静かに口を開く。


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『……修正完了』


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 声は、


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 直接頭に響く。


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◆言葉


『この層の異常は確認済み』


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◆続き


『原因も特定済み』


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◆視線


 三人へ向く。


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◆断定


『お前たちだ』


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# ◆名称


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◆ファントム


 小さく呟く。


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「……“創造主側”」


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# ◆思想


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◆創造存在


『物語は、設計されるべきだ』


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『流れは制御されるべきだ』


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◆否定


『逸脱は不要』


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# ◆アルト


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「またそれかよ」


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◆笑う


「縛るの好きだな、お前ら」


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# ◆創造存在


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『違う』


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◆否定


『これは“最適化”だ』


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# ◆核心


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『無駄な分岐』


『無意味な感情』


『不要な結末』


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◆断言


『すべて削除する』


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# ◆危機


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◆ファントム


「……来る!」


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# ◆発動


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 その瞬間、


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 世界の一部が消える。


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◆現象


 建物が、


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 人が、


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 空間が、


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 “存在ごと消去される”。


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◆アルト


「……は?」


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◆理解


「終わりじゃねえ……」


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◆ファントム


「違う……」


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◆核心


「“書かれてないことにされてる”」


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# ◆無終


---


「……存在否定か」


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# ◆能力


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◆創造存在


『不要な要素は、最初から無かったことにする』


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◆絶対性


 終わりですらない。


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 “存在しなかった”扱い。


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# ◆絶望


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◆アルト


「それ、どうすんだよ……」


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◆ファントム


「記録も意味がない……」


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◆無終


「拒否もできない……」


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# ◆沈黙


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 今までの戦いとは、


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 次元が違う。


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# ◆だが


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◆アルト


 ゆっくりと笑う。


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「……面白い」


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◆ファントム


「は?」


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◆アルト


「“書いてないなら”」


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◆核心


「書けばいいだろ」


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# ◆ファントム


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 一瞬、


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 思考が止まる。


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◆そして


 気づく。


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「……それ……」


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◆無終


「……可能か?」


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# ◆新発想


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◆アルト


「俺たちは今まで」


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◆整理


「終わりに関わってた」


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◆続き


「でもよ――」


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◆核心


「“始まり”には触れてねえ」


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 終わりを盗み、


 記録し、


 拒んできた三人。


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 次に踏み込むのは――


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 “始まり”。


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◆ラスト


 創造存在が、


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 静かに言う。


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---


『無意味だ』


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◆断言


『お前たちは“書き手ではない”』


---


---


 だが――


---


 アルトは笑う。


---


---


「なら、なってやるよ」


---


---


 物語は、


---


 ついに“創造”へ踏み込む。


---


---


――続く。


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