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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
光の国へ編
193/200

191 次はサルウェル

テッサとボルグのトレジャーハンターコンビと別れ、宿場町ロンロを早々に出発した俺たちの旅路は順調に進んだ。

ロンロからの旅路は大きな街道を突き進んだおかげで行き交う人も多く、爆走馬車アークを見てびっくり仰天する人々も比例するように増えた。

クロが引いているため、噂が広がるよりも速く移動してしまえることに気付いてからはもう気にしないことにした。

例え攻撃を加えられたとしても爆速馬車アークの速度に当てられるものはおらず、当たったとしてもシールドの魔法も展開できるためにちょっとやそっとの攻撃にはびくともしない。

そのため、一切合切を無視することにした。

馬車の中にいればいつの間にか移動が完了しているのだ。

画期的だ。

フハハハハ。




今はセラに馬車の操作方法を覚えてもらって御者をやって貰っている。

アンドロイドだけあって物覚えがよく、基本的な操作はすぐに覚えたが応用力は無く、道が塞がっていたり、他の旅人から声をかけられたりしても無視して突き進んでいた。

なまじ突き進めるだけの力が変形馬車アークと牽引するクロにあったがためにいくらかのイベントをすっ飛ばすことになったが、きっと大したことではないだろう。


通常であればひと月以上かかる工程を半分の時間で爆走したクロのスタミナは驚愕に値する。

俺は半分は居なかったのだが。

俺は移動の最中はセラを連れて猫村とサクセスルーム<壱>に行っていた。

馬車にはミリアとゼンとサーシャに残って貰った。

そのため、戻ったらミリアに埋め合わせを期待されてしまった。

ゼンとサーシャは特に気にしていないみたいだ。

仲がいいことで。


猫村でセラ用の装備を作ってもらうように頼み、その他に店の状況を聞いたり、みんなの悩みを聞いたりした後、サクセスルーム<壱>から地竜の深谷でのパワーレベリングを行なった。

色々と詰め込んだ結果、セラ自身のことを調べる時間があまりとれなかった。

取れないなりに分かったことはある。


まずはセラの機能だ。

セラには主要機能として『ライブラリ』『高感度高速カメラ』『エーテル操作』『繁殖機能』が備わっているのだが、この中で『高感度高速カメラ』と『エーテル操作』について少しわかった。

『高感度高速カメラ』は写真が撮れるわけではなく、セラの目が高性能だということらしい。

人の目視できる光の波長より広い範囲の波長を見ることができ、高い動体視力を有しているということのようだ。

そして、『エーテル操作』はその名前の通りエーテルを操作する機能だ。

エーテルとはセラの体内に蓄積されるエネルギーのことを指していて、このエーテルを様々なエネルギーに変換できる。

様々なエネルギーには魔力や闘気も含まれ、この機能によってセラは魔法を使ったり、闘気での強化を行うことが可能になった。

既に一線級の戦力になり得る存在だった。


セラはスペック的にはオールラウンダーだが、指示待ち傾向が強い。

ある程度の自律行動は行うのだが、指示の変更が必要な時に瞬時に変えられない欠点があった。

自己学習機能は高いため、数をこなせば改善されるとは思うが、行動がパターン化され易いのは仕方がないだろう。

そのため、後衛の守りとして中衛に配置することにした。

守りに関しては【盾術】スキルを持っているミリアがメインにはなるのだが、魔動螺旋槍(ドリルランサー)が気に入ったらしく最前衛になっている。

魔法も使えるセラが中衛につくのはパーティのバランス的にもいい選択だろう。








長い旅路の末、とうとう俺たちは地方都市サルウェルに辿り着いた。


地方都市サルウェルは、フラムウェル王国の西に位置する魔の森に隣接する大都市だ。

魔の森に隣接した都市の中でも最も大きな都市であり、フラムウェル王国西部地域最大の都市でもある。

魔の森に近いこともあり、魔の森産の素材やその素材を使用した多様な道具の生産が盛んだ。

また魔の森から素材を採取する冒険者ギルドだけでなく、商会が独自に冒険者を雇って組織された採取会社も多数存在し、商業的にも重要な位置にある都市だ。

都市の周辺にまで魔物がやって来食ことは稀だが数ヶ月に一度程度の頻度では迷い込んでくることもある為、都市の周りは頑丈な外壁で囲まれており、出入口も限られていた。

出入りする人々は非常に多く、周りに合わせてゆっくり進んでいるクロの前後にも多くの旅人や農民などが進んでいた。

しかし、外壁に設けられた門には門番はいるものの都市に出入りする人間一人ひとりを細かくチェックしている訳でもないため、人の流れが止まることはなく、スムーズに入ることができた。





「申し訳ありません!少々お待ち頂けませんか!」



できなかった。


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