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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
光の国へ編
187/200

185 夢のロマン武器

テッサとボルグのトレジャーハンターコンビと協力して、迷宮攻略をすることになった。



「あ、でも取り分はどうする?」

「ニャニャ!」



普通のことを聞いたはずなのだが、ビクッと驚いた。

これが演技だったら大したものだが、素だったら心配になるような素直さだ。


「ニャんだって?鳥?洞窟に鳥はいないニャよ?」


いや、へたくそか。


「いや、後から見つけた宝物やらアイテムやらの分配率を決めるのは揉める元だから、先に決めておくのがセオリーだろう。」

「そらそうやね。後から全部うちらのものや!なんてことを言いだしたら、揉めるから当たり前やね。」

「その通りですわね。財務管理は大事ですわ。特にお金が絡むと誰しもが我を通してしまうこともありますし。昨日の友が今日は敵になることだってよくある話ですわ。」


ドーラとミリアの援護射撃が飛ぶ。

特にミリアの話は実際にあった話みたいに話しているから怖い。

俺も気を付けよう。

公明正大が大事だ。


「ニャ、そうニャよね!あたしもそう思ってたニャ!ニャハハハ!」


うん。

テッサは嘘がつけないいい子だという事が分かった。

ついてもすぐに分かる。

分かりやす過ぎる。

ゼンとサーシャも後ろでコソコソと「分かりやすっ!」と言い合っている。

二人に言われるだなんて・・・。

最後までは言うまい。



「で、兄ちゃん。分配はどうするん?他のパーティと共同して攻略するのって何気に初めてちゃう?」

「そういえばそうだな。どうしよっか?」

「考えてなかったんかい!」ビシッ

「そんなソーマ様もステキです!」

「イチはいつも平常運転やなっ!」ビシッ

「それはさておき分配だけど。」

「いきなり話変えおった!」

「ドーラ、ちょっとやかましいぞ。」

「ドーラちゃん、ちょっと。」

「ええ!?怒られるのうちなん!?そんな殺生なー!」


イチに連行されるドーラを見送る。

南無ー。


「ニシシ!お兄さんたちおもしろいねー!」

「そりゃあ、ありがとう。」

「どういたしまして。ニシシ。」




「こっちからの提案は、戦闘全部がこっちなら73、そっちも参加するなら等分でどうかな?」

「戦闘はあたしらも入るニャ。けど、等分っていうのは人数で等分ってことニャ?」

「いや。2パーティで半々だよ。」

「あたしらの方が人数少ないけどいいニャ?」

「いいよ。この依頼もどっちかというと息抜きメインだったし。」

「ニャニャッ!?遺跡探索が息抜きニャ!?魔物めっちゃいるニャよ!?」

「いつもと違うことするのは息抜きになるだろ?」

「お兄さんたち面白い人たちだニャー。」




なんかちょっとバカにされてる気もしなくもないが、話が纏まったから良しとしよう。

こういう時の分配ってどうするのが正解なんだろうな?

よく分からなかったから、とりあえず折半を提案しただけだったんだがあってたのか?

たぶんかなりこっちに不利な条件だったんじゃないかと思う。

力がある方が多く取ったりするだろうし、テッサがかなり驚いているような感じだったしな。

まあテッサが納得してそうだし、あちらに歩の悪い契約では無かったのは確かだろうな。










テッサたちの誘導に従って通路を進む。

途中、何もない壁をテッサが探り出して、何か操作をしたら、隠し通路が出てきた。

【鑑定眼】で確認したら、スイッチが隠されていたことが分かった。

最近は【鑑定眼】のスキルレベルがMaxになったから、【検索】スキルばかり使っていたのが裏目に出た形だ。

【検索】は罠の確認ばかりだったから単純な隠しスイッチは漏れていたみたいだ。

なんて凡ミスだ。

気を付けよう。



その後もいくつかの隠し通路を開けて進み、道すがら出現するジャンクゴーレムとアイアンゴーレムをスクラップにしながら順調に進んだ。

テッサたちはトレジャーハンターとしては優秀なようで罠を瞬時に見破り、殆ど時間をかけずに罠を解除していた。

時には遠くから、操作したり、工具を使って何かしていたり(何をしていたのかは企業秘密だそうだ。)とスムーズに進んでいった。

テッサもボルグも戦闘能力も十分あり、小型のジャンクゴーレムがわらわらと現れても臆することなく切り刻んでいた。

テッサは何と鋼糸使いだった。

ジャンクゴーレムとは相性が悪そうだったが、鋼糸で絡めとって動きを止め、戦闘職としても十分な力が垣間見れた。

ボルグは背負っていた大剣で叩き切り、その太刀筋も鋭く、次々とゴーレムたちをスクラップにしていた。

二人に対抗するようにゼンとイチもジャンクゴーレムをガンガンスクラップにしていき、順調に迷宮の攻略は進んでいった。

それからしばらく進むと体育館くらいの広さの部屋に辿り着いた。



「おおおおおおおお!!!!」

「カッチョイイ!!!」

「シューシュー言ってるですます!!」

「大きい・・・。」

「堅そうですわね。」

「何アレ!!?あんなの聞いたこと無いニャ!」

「・・・!」

「にゃー。」


みんながそれぞれ感想を述べている。

俺は驚いた言葉もなくなってしまった。


そこには高さ10mはあろうかという巨大なジャンクゴーレムが鎮座していたのだった。


道中に接敵したジャンクゴーレム同様に身体のパーツは様々な"機械"で構成されていた。

肩には重機の運転席のようなものが乗っていた(中はからだったが。)

右手には巨大なシャベル、左手は・・・!!!



「パッ、パッ、パッ!!!」

「パ?どうしたのですか?ソーマ様?」

「パッ、パイルバンカーだーーーーーー!!!!!!」



ロマン武器パイルバンカー!

金属製の杭を火薬などで高速で打ち出して、装甲を打ち抜く武器だ。

いやゴーレムが装備しているのは実際には掘削機なのだろうけど、手に装備して杭打ち出すのならそれはもうパイルバンカーに違いない!

そうだ。

あれはパイルバンカーなのだ。

異世界でこんなロマン武器を拝めるとは恐れ入った!



「よし、持って帰ろう!」

「おー!全部やーー!」



俺とドーラは会話することも目を合わせることもなく、通じ合った。

あれは持って帰る!



「お兄さんたち楽しそうだニャ。」

「なんかすみません。」

「気にしないニャ。アレを何とか出来るなら何でもいいニャ。」

「はい。がんばります。」



イチとテッサが何か言っているが気にならない。

どうやってできるだけ壊さずにあれを持って帰れるか。

勿体ないけどコアだけをぶち抜くか。

いやでもゴーレムの中心部分にもモニターとか色々と面白そうなものもあるし少しずつばらしていくしか・・・。

俺とドーラはどうやって壊さずに倒すかを検討していた。



「行きますわ!」


唐突にそんな声が聞こえた。


キュイーーーーーーーーーン


高音の駆動音を上げながら風を起こすのは魔動螺旋槍(ドリルランサー)


それをふりかぶり構えを取るミリア。


ミリアのドレスアーマーの背中部分が開き、スラスターが飛び出し、圧縮された空気が一気に後ろから噴き出した。


「なっ!?ミ、ミリア!?やめっ・・・!!」


「やあああああーーー!!!必殺!豪速螺旋槍(ドリルストライク)----!!!!」


ミリアの姿が一気に加速する。


その姿はさながら巨大な槍。


一瞬にしてゴーレムにまで到達し、通過する。


後に残ったのは上半身の中心を大きく抉られたジャンクゴーレムのボス、だったものだった。


ガシャンッ!ガラガラ・・・


「ああああああああ・・・・!」

「いやああああああ・・・・!」


そして俺とドーラも崩れ落ちた。





名前:ジャンクパワーゴーレム

レベル:40

種族:ゴーレム、ジャンク

属性:土

スキル:剛撃(パワーチャージ)

説明:ジャンクゴーレムの上位種。

異世界科学の廃棄物から作られており、取り込まれる廃棄物によって強度が変化する。

ガソリン臭いことが多い。

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