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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
光の国へ編
186/200

184 協力者

ガンッ!ゴッゴッゴゴゴゴゴゴゴ、ッゴゴゴゴ・・・・



ジャンクゴーレムの撃沈を確認していたらまたも部屋中に響く音が鳴りだした。


「な、なんですの!?」

「お、おぅ。」


驚いたミリアが腕に抱きついてきた。

何でこんなに柔らかいんだ。

鎧はどうした!

ありがとうございます!



邪まな思考に邪魔されながらも高速思考スキルのおかげで一瞬で切り抜け、周囲の警戒をする。


「あ!壁が!」


イチの声につられて見てみると両サイドの壁が徐々に迫ってくるように動いている。

うわー!

テンプレ的な迫りくる壁だー!


「ソーマさん?楽しんでいませんか?」


俺が密かにテンションを上げていることがミリアにバレた。


「そ、そんなことは無いよ?」


疑問形になってしまって、否定できていない。

俺ってもっと上手に嘘をつけたはずなのにどういうことだ。

ハッ!これも迷宮の罠か!?


「ソーマ様!しっかりして下さい!それとミリアさんは離れて下さい!」

「あら。これは失礼しましたわ。」

「おぅ。」


ミリアが可愛く舌を出して謝罪する。

いたずらが見つかった幼子のようで、あざといが可愛い。

可愛いは正義である。


「ソーマ様!」

「はい!がんばります!」


いつまでも余計なことを考えていたら、かなり壁が迫って来ていた。


「よーし。じゃあお遊びはここまでにして、やりますか。」

「遊んでいたのはソーマ様とミリアさんだけです。」


ミリアが加わってから、イチの当たりが少しきつくなってきた気がする。

普段はいつも通り礼儀正しくて可愛いイチなのだが、時たま怒られるのだ。

大抵は俺がふざけているからなのだが・・・。


俺がふざけているからか!




これからは、ちゃんとしよう。きっとな!




「ミリア、予定通り前の壁にドリルで穴開けてみてくれ。」

「はい。わかりましたわ。」


俺が焦らず、ふざけていられたのは今の状況が大した脅威では無かったからだ。

前と後ろの壁にも、両サイドから迫る壁にも魔力が通っている様子は無く、鑑定してみても材質は鉄だった。

しかも不純物が多いため、たいした強度もない。

だからミリアの一撃で簡単に粉砕できる。



ガコンッ!ズズズズズ・・・



と考えていたら、迫りくる壁が止まり、巻き戻るように引いていく。

前後を塞いでいた壁もズズズと上に戻っていく。

なんで?








前後の通路を塞がれ、迫りくる壁の罠にはまった俺たちだったが、罠を食い破る寸前で罠が勝手に解除された。

進行方向の通路に向かっていたミリアは肩透かしを食らった形で振り上げた魔動螺旋槍(ドリルランサー)がなんとも物悲しい。


そこに後方の通路からニャアニャアと現れる影があった。



「ニシシ。お兄さんたち、危ないところだったのニャね。」

「・・・。」



うん、まあ、予想された通りトレジャーハンターの二人だ。

ニャアニャアだし。

あと、別に危ないところでは無かったが言わぬが花というやつだ。



「別に危なくありませんでしたわ。せっかくの(わたくし)の活躍の場でしたのに。」


戻ってきたミリアがぶーたれる。

ミリアさん、キャラが崩壊してますよー。



「ニャッシッシッシ。それはすまなかったのニャ。」

「・・・。」


悪びれもせずテッサは軽い感じで謝る。


「いえ、(わたくし)も大人げない発言でしたわ。謝罪いたしますわ。」

「ニッシッシ。いいニャ。気にしないニャ。」

「・・・。」


「それでテッサさん達はどうしてここへ?」

「ニシシ。あたしらはトレジャーハンターだニャ。そして遺跡はトレジャーハンターの仕事場ニャ!」


テンション高めで説明してくれたことを要約すると古い遺跡があると聞いてやって来たはいいものの、そこは迷宮化していて魔物がわんさかいて四苦八苦していたところで俺たちが罠に嵌まったところに遭遇した、という事だ。

都合よく俺たちが罠に嵌まったタイミングで遭遇するのかとは思ったが、後をつけられていたような気配はしなかったから本当の話だと思う。

もし、シロやゼンを欺いて後をつけていたのだとしたら大した腕だ。

人は見かけによらないということだろう。

魔物や罠を【検索】するのに気を取られていて調べていなかった俺も悪い。

今度からは人と罠も検索対象に入れよう。

【検索】スキルももっと使いやすくなってくれたらいいのになぁ。



「つまり、道案内するから一緒に行こうよ、ってことか?」

「そういうことニャ!悪い話じゃないでしょ?」

「ソーマ様、どうしますか?」

「うーん。」

「兄ちゃん、どないすんの?あと、このジャンクゴーレムもちゃんと持って行ってな。」

「ああ。」


とは言え、一緒に行くメリットがあるかな?

ストレージリングとかドーラとサーシャの武器とかかなり特殊なものを俺たちは持っているからあまり広めるのはよくない。

特にこんな出先で出会ったよく知らない者に知られるのはデメリットでしかない。

だが、ここのレベル的にこの二人を放置するとやられかねないから放っておくのも気が引けるし。


「お兄さんたち、この迷宮、ちゃんと攻略できてる?入ってからどれくらい経ったかニャ?」

「ん?」

「入ってからですか?2時間くらいでしょうか?」

「やっぱりニャ。」

「ん?何がやっぱりなんだ?」

「あたしらはこの遺跡に入ってから20分くらいしか経ってないニャ。」

「ええ!?どういうこっちゃ!!それ!」


ドーラが悲鳴を上げたが、他のメンツも驚きを隠せない。

俺も驚いたが、おかしいと思い始めていたから、納得した部分もある。

どこかでループしていたのか。


「ニシシ。通路が複雑に入り組んでいるから分かり難いニャ。迷うのも仕方がないニャ。」

「あら。(わたくし)達は迷っていたのですか?」

「そうニャ。」

「そうなのですか。」

「ですますか。」


ミリアとサーシャが相槌を打っているが、本当に分かっているのか不安だ。


「テッサたちなら先への道が分かるってことか?」

「そうニャ!これでもトレジャーハンターの端くれニャ。これくらいの遺跡なんてお手の物ニャ。」

「おお!心強いやん!」

「おおー!」

「おおー、です!」

「じゃあ、頼もうかな。俺たちだけだとまたループさせられそうだし。」

「お!お兄さん、話が分かるニャー!案内は任せるニャ!戦闘は任せたニャ!」

「「おー!」」


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