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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
光の国へ編
185/200

183 ジャンクゴーレム

ストーンゴーレムの群れに向かって、軽いノリで戦いに挑む。


結果としては、レベル15程度なら普通に倒せた。

ゼンと俺は普通の剣だと歯が欠けそうだったから、闘気を纏わせて切り裂いた。

シロはまさかの爪だ。

すごい切れ味でした。

イチはハンマーで一撃、ドーラとサーシャは魔動銃で穴だらけにしていたが相性が悪いようで倒すのに苦労していた。

ミリアは魔動螺旋槍(ドリルランサー)で砕いていた。


魔動螺旋槍(ドリルランサー)はドーラがオジイと一緒になって作り出した先が高速回転するランスだ。

回転のコードと雷のコードを組み合わせて高速回転と馬力を実現した。

ドリル部分にもルームに残されていたアダマンタイトを使用した最強硬度となっている。

アダマンタイトの加工は普通には出来ず、変形の魔法に多大な魔力をつぎ込むことで何とか成形することが出来た。

そんな魔力など俺以外は持っていないため、ドーラ監修の下で何度も何度も何度も何度もやり直して作った傑作だ。


品質がなんと高品質だ!


すごいだろう!


普通を超えた瞬間だった。


あの感動は忘れない。




ドーラの鬼ー!悪魔ー!







話が大分逸れてしまった。


ゴーレムの話だが、体内に魔石を持っていてそれを引っこ抜くか砕くと身体を維持できなくなるようだ。

砕いても倒せるのだが、ゴーレムの魔石は中々品質がいいので、可能な限り確保する方向で身体部分をバラした。

通常の魔動銃だと狙いにくいようなので、収束を甘くした魔法銃に切り替えることにしよう。


遺跡の中は入り口近くは石造りだったのだが、すぐに金属製の壁に変わっていた。

文明レベルが跳ね上がっている。

この壁が元々なのか、迷宮化したからなのかは分からないが、出てくる魔物がストーンからアイアンに変わって厄介になった。

闘気の纏いが甘いと金属が擦れる嫌な音が木霊すのだ。

あまり聞きたい音ではないよな。



アイアンゴーレムをザクザクとバラしながら魔石を取り出しては、丸ごとストレージリングに収納する作業をしながら、遺跡の奥に進んだ。

町のおじいさんに聞いた話では遺跡の中はそんなに広くないという話だったのだが、かれこれ2時間は進んでいる。

おじいさんの「そんなに」と俺の「そんなに」に認識違いはあるだろうが、2時間も歩いて奥に付かないのはおかしい。

おかしいよな?



「広いですね。」

「だよね!」


「どうしたん?そんな元気に。」

「いや、ちょうど俺も広いと思っていたところだったからな。」

「え、ソーマ様と一緒・・・!」


イチが感極まっているようだが、それはスルーしておく。


「やはり迷宮化しているのですわね。」

「だな。魔物も多いし、下手したらスタンピードもあったかもしれないな。」

「・・・!スタンピード・・・。」

「スタンピードってやばいやん。そんなヤバイ状態なん?ここ?」

「どうだろ?スタンピードが起きると魔物で埋め尽くされるって聞くし、まだ大丈夫だったんじゃないかな。」

「そう、信じたいですわね。」

「そうだね。まあ出来るだけ間引きしておこう。」

「はい!」



「にゃー?」


「ん?どうしたんだ?」

「にゃー。」

「どうしたのですか?」

「んー。これまでは違う気配がするって。」


俺はそう言いながら検索をかける。

この先に魔物の反応がある。

その魔物の詳細を更に検索する。


「ジャンクゴーレム・・・?」

「それが新しい魔物ですか?」

「そうみたいだね。」

「ジャンクってなんやろ?」

「ガラクタを寄せ集めて作られたゴーレムだね。」

「ガラクタ・・・。チルダちゃんの家みたいな?」

「まあ、そうだね。」

「つまり宝の山ってことやね!腕がなるぜー!」

「ドーラちゃんったらもう・・・。」



新たな種類の魔物に注意しながら、更に奥に進むとジャンクゴーレムが出現した。


「おおおおおお!!!なんやアレー!すげーーーー!どうなっとるんやー!?えええええ!」


ドーラのテンションが狂った。


まあ仕方がない部分はある。

この世界では魔法が人々の生活に取り込まれている為、大体のことを魔法で解決してしまうことが多い。

その為、物理的なメカちっくなもの自体が非常に稀だ。

井戸の滑車とか荷車の車軸とかそのくらいで、複雑な"機械"は見たことが無い。

その"機械"らしきもののジャンクで出来たゴーレムが目の前にいる。

何だあれは。


バネ、シリンダー、モニター、大きなギア、ゴムっぽいタイヤ、煙突?パラボラアンテナ?

正にジャンク品だが、どうしてこの遺跡迷宮にこんなものがあるのか。

この元になった遺跡に何か関係があるのだろうか?



「にゃ!」


ガコンッ!!


「え!?何です!?」


シロの警告声とほぼ同時に大きな音と共に後ろの通路に壁が下りた。

前方にはジャンクゴーレムとその先のこれまた同じく壁が下りた通路だったもの。

広めの部屋に閉じ込められてしまった。

ジャンクゴーレムの罠か・・・?



「わー!すごいなー!どうなっとるんやろー?あの丸いのは何やー?」


ひとり、罠に目もくれずにジャンクゴーレムを観察し続けているおバカがいる。


「おいっ!ドーラ、目を覚ませ!あれはバラシて後で調べるからしっかりしろ!」

「え?ホンマ!?ちゃんとうちにもくれる!?」

「やるやる。」

「うっしゃ!バラバラにしてやるぞー!」

「いやそっちだけじゃなくてだな。」

「行くんやゼン君!バラバラや!でもあんまり壊さんようにな!」

「う、うん。」


「もういいよ。勝手にして。はあ。」

「ゼン兄がすみません。」

「イチは悪くないよ。いいこいいこ。」

「えへへへ。」

「も、もう!ソーマさんまで現実逃避してないで戻って来てくださいませ!」


イチを撫でていたらミリアに怒られた。

ごもっともだ。


「金属製の壁ですわね。(わたくし)のドリルで砕けるでしょうか?」

「たぶん大丈夫だよ。ただの鉄みたいだしね。」

「ではやってみますわね!」


ミリアの魔動螺旋槍(ドリルランサー)の先端は世界最高硬度を誇るアダマンタイト製だ。

ただの鉄如きでは紙切れ同然だろう。

因みに、イチのハンマーも芯にアダマンタイトが使われている。

アダマンタイトの芯の外側を鋼鉄とミスリルで覆って、魔法も組み込んで加工している。

こちらでも鉄の壁を粉砕するには十分な威力を発揮してくれると思うが、穴を開ける必要があるからドリルの方が効果的だろう。

いや、実際のところは剣でやった方が通路にしやすいだろうけど、ミリアがやる気になっていることだし、やってもらおう。

ストレス発散にはいい。



後ろで話している間にジャンクゴーレムが崩れ落ちた。

ゼンとドーラとサーシャで倒せたみたいだ。

ドーラとサーシャが上手くゼンの援護をしていた。

サーシャの火銃弾の爆発に対してドーラが文句を言っていたが、戦闘中なのだから素材のことは一旦忘れてしっかりやって欲しい。

怪我をしたら問題だ。

ポーションと魔法ですぐに治るけど、治らない怪我だってあるんだ。

いのち大事に、だ。

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