表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
151/200

149 工房の親子

「ドーラちゃん。本当にここ?」

「そうや。汚いところやけど、ここや。」

「本当に汚いな。というかガラクタばっかりだな。」



ここはトリスタの職人街の一角にあるボロい道具屋職人の工房だ。

なぜこんなところに来ているのかと言うと、話は少し遡る。







「なあ兄ちゃん。ちょっと相談があるんやけど。」

「うん?どうしたんだ?ドーラ。そんなに改まって。お小遣いは増やさないぞ。」

「そんなんちゃうわー!でもお小遣いも上げてほしいー!」

「お小遣いは駄目だー。で、相談って何だ?」

「うんとなー。うちが時たま手伝いに行ってる職人街があってな。」

「ああ。ギルドの依頼で行ってるやつか。」

「うん。そうや。」

「あ、わたしも行ってますです。薬屋さんの工房ですけど。」

「サーシャも頑張ってるんだね。褒めておこう。よしよし。」

「えへへ。」

「さーちゃんがええ子なんはええんやけど、そうやなくてな、うちがお世話になってる工房のな。」

「うん。工房の?」

「隣のボロい工房の親子の話なんやけど。」

「ボロいんだ。」

「うん。ボロいんよ。」

「そうなんだ。」

「そう。ボロボロのボロなんよ。」

「それはひどいね。」

「そう。悲しいほどにな。ってボロなんは置いといて。」

「置いとくんだ。」

「置いといてや!その親子、ドワーフの親子なんやけど、腕は確かで人がいいんよ。」

「そうか。腕はいいのにボロなんだ。」

「それは置いといて!」

「おぅ。すまん。」

「でな、人がいいからお金に困った冒険者たちから超薄利で修理を請け負ったり、というかそればっかりやってて貧乏なんよ。」

「ふむ。で、それがどうしたんだ?お金を貸してくれって?」

「お金はちょっと為にならないかなぁって思うから、力を貸してあげられないかなって思うんよ。」

「力と言ってもなぁ。でもなんでまた力を貸してあげたいんだ?言っちゃあなんだが、ただの隣の人だろ?まさか惚れた?」

「ちゃうわー!・・・いやあながち間違ってもないかもしれんけど・・・。」

「何っ!?ドーラに春が来たのか!?よし見に行こう!」

「待てやコラー!!!最後まで話を聞きいや!!」

「聞いているじゃないか。要するに腕がいい職人だから惜しいってことだろ?」

「・・・はぁ~。分かっとるんならそう言ってやー。」

「ドーラはいじりがいがあるから仕方ない。」

「ぶーぶー。」


「で、どう力を貸せばいいんだ?」

「ちょっと素材を取りに行くのを手伝って貰えればいいんよ。魔の森の入り口辺りで採取が必要らしくて。」

「なんだそんなことか。まあそれくらいの時間はあるし、いいだろう。イチとサーシャは確か予定があったよな?」

「はい・・・。残念ながら・・・。」

「はいです。お手伝いに行ってる薬屋さんのお師匠様が来るとかで、おばちゃんがおいでって言ってたですます。なので行ってきますです。」

「まあ、入り口くらいなら問題ないだろ。日帰り出来るだろうしね。」

「泊りになるなら、夕方にはわたしも向かいます!」

「いや来なくていいよ。イチ。どうやって合流する気なんだ。流石に迷子になるよ。いい子だからお留守番してなさい。」

「あぅ。はい・・・。」






「チルちゃーん!おるー?」

「はいー。奥ですー。少し待ってくださいっす。今行くっすから。」


ドーラが呼びかけると工房の奥から声が聞こえてきた。


「あれ?チルちゃん元気ない?どうしたんだろう。いつもは元気いっぱいなのに。」

「あ・・・。ドーラちゃん・・・。どうしたっすか?」

「ええっ!チルちゃんどうしたのじゃないよ!チルちゃんこそどうしたの!?酷い顔してるよ!!」

「え、そうっすか?ちょっと色々あって。あれ?そちらの人はだれっすか?」

「あ、えっと前に話してたうちのパーティの仲間だよ。」

「ソーマです。」

「ゼンだよ!」

「にゃー。」

「あ、こいつはシロだよ。」

「あ、どうもこんにちはっす。チルダって言います。」

「ねえチルちゃん。どしたん?何があったん?うちら素材取りに行くの手伝おうと思って来たんやけど。そう言えばオジイは?」

「あ、う、う・・・。」

「えっ、えっ、どないしたん!?」

「ドーラちゃーんっ!!」

「わっ!チルちゃん!?」

「わーん。」


おおおお。

わーんって泣く子を見たのは初めての経験だ。

いやアホなこと考えてる場合じゃないな。

それから泣きつくすチルダちゃんを宥めすかして落ち着かせた。


「ごめんなさい。」

「ええんよ、ええんよ。少しは落ち着いた?」

「うん。」

「何があったん?」

「それが・・・、お父さんが毒に侵されて・・・。」

「なんやて!!?」

「今は奥で寝込んでるっす・・・。」

「ええっーー!!大丈夫なん!?解毒はしたん!?」

「お父さんはお酒飲んで消毒すれば大丈夫だって言って、ひと瓶開けた後、倒れるように寝ちゃったっす。」

「それホントに倒れてるよ!どこおるん!?こっち!?兄ちゃん!!」

「お、おう。」


いきなりデッドエンドですか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ