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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
148/200

146 再戦 白ゴーレム軍団

白ゴーレムに再戦だ。


今度の主役はご存知キリコだ!

誰だって?

戦闘猫リーダーのキリコだ。

白くほっそりとしたスマートな魔猫であるキリコは、【霧隠れ】というスキルを持っている。

霧に紛れて攻撃したり、逃げたりする相手の意表を突く優秀なスキルだ。

シロの【陽炎】でも姿を隠して接近することは出来るだろうが、密集した白ゴーレムの中にはシロが紛れ込む隙間があまりなく、途中でばれてしまった。(もう試した)

【陽炎】の場合、姿を隠す効果範囲が狭く、シロが近づく必要がある。

その点、【霧隠れ】は霧を発生させて紛れる為、効果範囲がかなり広く人数制限がない。

キリコが味方と認識しているものには発生した霧が薄く見え、視界を遮るほど濃くはならないチートっぷりだ。


「キリコ!頼むぞ!」

「ニャ!」


少し高い声で答えたキリコがスキルを発動するとキリコを中心として霧がどんどん発生していく。

あっという間に霧が白ゴーレムを包み込み、白ゴーレムたちが狼狽えている(ように見える)。


「よし!全隊!攻撃開始!」

「おー!」「ニャー!」


俺たち本隊が陽動として攻撃を加える。

片や直接接近し、片や遠距離から爆撃して注意を引く。

その隙に霧に隠れた小柄な魔猫たちがボスゴーレムに接近していく。


ボスゴーレムの周囲は霧に包まれ見えないはずだが、微かな音を感じ取り接近に気付かれた。

小柄な魔猫の一匹が飛びかかるが、ボスゴーレムを囲む白ゴーレムに阻まれてしまった。

それにもめげず次々と突撃する魔猫たち。

どちらも小さいからじゃれ合っているように見えて若干微笑ましい。

最後の魔猫が周囲の白ゴーレムを躱してボスゴーレムに飛びかかった。


いった!



ボスゴーレムの頭に取り付いた魔猫が頭のスイッチに手をかけた。


ボスゴーレムが予想外の動きを見せる。


「ニャニャッ!?」


ボスゴーレムがいきなり鯖折りよろしく折れ曲がった。

くの字を通り越して逆Uの字ぐらいに、それはもうすごい勢いで。

急に態勢を変えられたため、取り付いていた魔猫は掴まっておれず放されてしまった。


そして、スイッチをぽちっとな。



勝ったぜ!








闘技場の壁際からキラキラとした光が射出され、俺たちに降り注ぐと同時にどことなく聞き覚えのあるようなファンファーレが鳴り響いた。

白ゴーレムたちが入ってきた出入口の上には、電光掲示板のように大きく『ミッションコンプリート!』と表示されていた。

あれはどういう仕組みなのだろう。


「わー!キレイですー!」

「やったー!」

「「「ニャー!!」」」



そこかしこから歓声が上がり、みんなして喜ぶ。

今日のMVPは魔猫たちだな。



「最後はダメかと思ったわー。」

「そうだね!最後の猫ちゃんが躱されてびっくりしたよ。」

「なー。やっぱり打てる手は全部打っとくもんやねー。」

「ねー。」



活躍した魔猫たちの中でもスイッチを押した魔猫が戻ってきた。


「ニャ!」


シュルンッと帰ってきた魔猫がこの作戦の最終兵器だった。

その名も"忍猫"だ。


種は簡単。

最後に取り付いた魔猫もおとりだったのだ。

地上を霧に紛れて駆け寄る魔猫たちをおとりにして、その影の中を【影渡り】で移動して接近し、都合よく折れ曲がったボスゴーレムの頭のスイッチをポチっと押したのだ。

【影渡り】は影の中を気付かれること無く高速で移動できるスキルだ。

瞬間移動とは違うが、障害物のない影の中を移動できるメリットは大きい。

単純に【影渡り】だけで接近しても地上に飛び出してボスゴーレムの頭を狙うのは困難だった。

そのため、霧で隠れ、陽動攻撃をし、地上部隊と影部隊とに分かれてトライしたのだ。

ボスゴーレムの最後の動きは予想外だったが、ラッキーだった。

魔猫たちがいなかったら、俺が魔法の物量で押すしかなかっただろう。

魔猫たちとの連携の訓練にもなったし、自信にもつながっただろうし、得るものの多かった試練だった。

訓練として、またやってみてもいいかもしれないな。





白ゴーレムたちは試練をクリアしたら闘技場の壁際に綺麗に整列して、待機の姿勢を取っていた。

これずっとここにいるのだろうか?

激しく攻撃を加えたのだが、真っ白な高反発ボディには傷どころか汚れも見当たらない。

砂埃すら簡単に落ちてしまうボディのようだ。

一体どんな素材で作られているのだろうか?

疑問の絶えない存在だ。

鑑定しても名前も『不明』で分からない。

調べたいが調べようがないというのが歯がゆい限りだ。


「プニプニしてて気持ちいい!」

「すごいですます!」

「おおー!ほんまやー!これなんなんやろ?」

「もちもち。」


気付くとみんなが白ゴーレムに近づいてプニプニしていた。

何それずるい、俺もやる。


「おおぉぉ。すごいもちもちだ。」


触り心地は高反発のウレタンのような感じだが、キメが非常に細かくて全く見えない。

手に吸い付くようで、手を離すとすぐに元通りになる形状記憶。

持ち上げても特に反発することなく、大人しくしている白ゴーレムを触りまくる俺たち。

気持ちよくてシロに止められるまで、長いこと触ってしまった。

結局、触り心地が神という事しか分からず、素材も仕組みも何も分からなかったが、癒し効果は抜群だった。

持って帰ったらダメだろうか?

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