表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
147/200

145 餡かけから揚げ

「もー!!なんやのー!?全員で攻撃してもみんな吹っ飛ばされて振り出しやんか!」

「でも、みんな怪我が無くてよかったよね。」

「そらそうやけどさぁ。なんか悔しいやん。」

「そうだね。ちょっと疲れてきたかな。」


うっぷんが溜まったドーラがイチに愚痴っている。

イチは口では疲れてきたと言っているが、それほど疲れは見せない。

それよりも何度も突撃しては吹っ飛ばされているゼンの方が疲労が溜まっていそうだ。


「うーん。兄貴、どうすればいいんだよ?難しいよ。」

「でもさっきのは少し惜しかったです!すごいです!」

「そ、そう?へへへ。」


ゼンはまだまだ大丈夫そうだ。

レベルの低い魔猫たちの中にはへばっている猫もいるが、特に目立った怪我や疲労は見られない。

だが、何度もやり直しをくらっては精神的な疲労は否めない。


「というか俺が疲れた。」

「ソーマ様、休憩にしますか?」

「いっちゃんはやっ!」

「そうだね。作戦会議がてら、一旦引こうか。どうやらあっちはこちらが向かって行かない限りは来ないみたいだし。」


綺麗に隊列を組む白ゴーレムたちは、整列してからは動きを見せない。

これも何度も挑戦して分かったことだ。

白ゴーレムたちは耳も目もどこにあるのか分からないような風貌をしておいて、音に敏感で視界も広い。

フェイントが効いていたし、石が転がる音にも反応していた。

その他には弱い攻撃の場合はその高反発ボディで跳ね返してくるし、他の個体を踏み台にして高反発ボディを生かした高速移動もしてくる。

イチの全力攻撃でも壊れない耐久力を持ち、手が伸びて、手の先に展開した魔法でシールドごとノックバックしてくる。

1回でも当てられたら、一時戦線離脱は回避できない。

あれを打ち消す魔法も考えてはいるが、上手くはいっていない。

後は何ができるか・・・。



「ソーマ様。今日は餡かけから揚げですよー。」

「何!?最高じゃないか!!」

「うまそー!」

「ふふふ。熱々なので気を付けて下さいね。あ、猫さんたちのはちゃんと冷ましてあるよ。」

「ニャフーー!!」

「ニャッハー!!」


みんなテンションダダ上がりだ。


「ふぁふっふぁっふぁっふぁ、あっあつっ、ふぁふふぁふ・・・。うまー!イチ!最高だ!」

「えへへ。ありがとうございます。」

「うまーい!ふぁっふ、あっつっーー!!!ひゃーみ、水ー!」

「ゼンくん水ですー!」

「ゴクッゴクゴクッ!プファ!うまーい!」

「ゼン兄ったら、もうー。」


ゼンが特にテンションが高いが、イチが作ったから揚げは至極の逸品だ。

激うま。

カリッと揚げられた衣をサクッと噛むと中からジューシーな肉汁が溢れ出し、口いっぱいに広がる。

しっかりと下味を付けられた肉のうま味と柔らかさ、絶妙な揚げ加減で作られたから揚げはそれだけで絶品だが、カリッと揚げられたから揚げにかけられた餡かけもまた絶品だ。

細かく刻まれた野菜と香草のさっぱりとした餡が絡まり、から揚げのジューシーさが何倍にも際立っている。

しかもこのうま味はこの前見つけた昆布出汁だ。

以前どころかここに来るまでお目にかかることが出来なかった出汁のうま味が合わさって最高の一品になっている。

米が食いたい。

だが、このコクというか香りは昆布出汁だけでは実現できない懐かしさがある。

米が食いたい。

これは魚醤だ。イチが前から作っていたという魚醤がここでも使われている。

米が食いたい。

おそらく使われた量はほんの少しだが、あるのとないのとでは天と地の差がある。

米が食いたい。

今回はこの魚醤こそ陰の立役者だな。

米が食いたい。

いや作ったのはイチだから陰の立役者はイチか?

米が食いたい。

イチは陰ではなく、主役だな。メインディッシュだ!

なんかこの言い回しはダメなやつだな。やめよう。

米が食いたい。


「兄ちゃん、さっきから米とか陰の立役者とかブツブツ言ってどうしたん?」


しまった。

思考が漏れてしまっていたらしい。


「この餡かけから揚げの陰の立役者はイチだな、って思ってただけだよ。あと、米は食い物だよ。」

「えへへ。」

「そうやねー。これ出汁がきいてていい味出してるよ。」

「それだけじゃなくて魚醤も入ってるぞ!その魚醤を作ったイチは最高だ!って話だ!」

「そ、そうやね。兄ちゃん興奮しすぎやって。」


うむ。

自分でもそう思う。

自重しよう。


「でもいっちゃんは陰ってはないよねー。料理班のリーダーやし。」

「そうだな陰ではないよな。陰では・・・、カゲ、影?影だ!」

「お、おおう。兄ちゃんどうしたん、急に大きな声出して?」

「次の作戦が決まったぞ!」

「え?」

「次こそやってやる!」

「おー!」

「ですです!」

「にゃー!」


「おーい・・・。ダメや。もう話聞いとらんし。」

「ゼン兄とか分かってないだろうなぁ。」

「さーちゃんもや。ゼンくんから変な影響受けてる気がするんやけど大丈夫やろか?」

「まあ元気になってるみたいだからいいの、かな?」


「いくぞー!!」

「「おー!!」」







画して白ゴーレムに再戦だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ