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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
144/200

142 別れに分かれて・・・

分かれ道に阻まれて一時撤退を余儀なくされてから更に数日が経った。


「今度こそですね!」

「ああ。今度こそクリアするぞ。」


そう意気込む俺とイチの周りにはいつものメンバーに加えて猫村の魔猫たちがいる。


前回の挑戦では一本橋の攻略はできたが、分かれ道トラップに嵌まり、進めなくなってしまった。

他の道の先も調べられるだけ調べてから撤退したが、俺が遭遇した小さな横穴の先にスイッチがあったものだけでなく、垂直な崖の上にあったり、スイッチが重かったりという事もあり、得手不得手によっては突破できないトラップも用意されていそうだった。

なので、色々なトラップに対応できるように総出でかかることにした。

数で攻めればきっと何とかなる、と信じたい!


総勢5人と46匹で若干ケモノが強めだ。

猫たちが並んで隣の猫の肩に手を置いている姿はなんとも微笑ましいものがある。

一部、クセの強い姿の猫もいるが、猫は猫だ。



「よーし!行くぞー!」

「おー!」

「「「「ニャーー!」」」」



猫たちを伴って再び英雄の試練に突入だ。

前回試しに旅人の道標(トラベラーズマーカー)のマーカーを数か所に設置しておいたが、埃の積もった部屋以外のマーカーは消え去っていて使用できない状態になっていた。

マーカー設置ができるのはあの部屋だけのようだった。

部屋を出て、通路をぞろぞろと進む。


「大所帯やなー。」

「そうだね。心強いよね!」


「にゃー。」

「離れにゃいようにしっかりボスに付いていくニャ!」

「ニャー!」

「ニャー!」

「ニャー!」


「うまくいくです?」

「兄貴が何とかするさ!」


「にゃー。」

「そこニャ!列を乱すなニャ!」

「ニャー!」

「ニャー!」

「ニャー!」


ニャーニャーうるさいが、しっかりついて来てくれているので何も言えない。

前回なんとか突破した一本橋は、前回同様全方位シールドを展開してダッシュすることで難なく突破出来た。

地面から這い出る縄も高速で駆け抜けていれば無関係だった。


あっという間に分かれ道に到着した。


「よし!みんな班分けは覚えているな!」

「はい!」

「おー!」

「はいです!」

「はーい。」

「「「「ニャー!!」」」」

「じゃあ手筈通りに進めー!」

「おー!」


事前に決めておいた班分けに従い、最初の分かれ道を進む。

少し進むと行き止まりに当たったが、すぐに新たな道がゴゴゴゴと音を立てながら開かれた。


「「ニャー!!」」

「大丈夫だよ。こういう仕掛けだからね。」


初めて見た猫たちが驚いて毛を逆立てるのをイチが落ち着かせる。

猫たちが落ち着いたのを見て、更に奥に進むと今度はこちらにスイッチがある。

ポチっとな。


すると遠くの方でゴゴゴゴと音がした。


「こんな感じでスイッチを押していくんだ。分かったな?」

「「ニャー!!」


猫たちが器用に敬礼をして答える。

一体誰が教えたんだ。

かわいいじゃないか。


いやお前じゃないぞ、キモたん。

お前は何をやってもキモいぞ、キモたん。

だがそれがキモたんだ。

キモたんの作るコンソメスープは絶品だった。

意外な才能である。



そんな感じで次々と分岐を分かれ、初めは51だったフルメンバーも今ではすでに3だ。

3人ではなく、1人と2匹だが。

俺と一緒にいるのは、工作猫のトイとケイだ。

どちらも工作が得意で、トイは魔法板の成形すらやっている。

ケイは【練成】スキルを持っていてトイが板を作り、ケイが液を固定していたりと役割分担をしっかり行っている優秀な猫たちだ。

見た目はまるっきり普通の猫で体長も30㎝程度しかない。

これでホントに魔物かと疑いたくなるが、分類上は魔物だ。

魔猫種だし。


そうこうしているうちにまた分かれ道だ。

これでとうとう一人ぼっちだ。

さ、寂しくなんて無いんだからねっ!



脳内ミニコントはさておき、分かれ道の一方から気配がする。

何かがこちらに息を潜めて近づいてくる。

余り気配を断つのが得意では無いようで丸わかりなのであまり脅威は感じない。

感じ取れる気配は体長2mを超える巨体で熱を感じるほどの筋力を感じる。

やられる前にやるのが鉄則だ。

武器に手をかけて注意しながら、分かれ道に近づく。



「ニャー!」

「おらー!」

「ニ゛ャー!!」


現れたのは筋骨隆々のキモたんだった。

いや分かってたけどね。

分かりやすい気配だし。


キモたんが身振り手振りで抗議してくる。

何となくだが、怖かったとか、分かってただろとか、言っている気がする。

でかいからキモたんが跳ねるたびにドスンドスンと音がする。

これで本人は気が小さいのだから分からないものだ。

と若干の現実逃避を経て、先に歩を進めた。

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