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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
139/200

137 魔猫育成計画

「ここで火から離してから丁寧に混ぜます。」

「おおー!上手いで!その調子や!」

「そうですます!そこでこれを混ぜて・・・。」

「そうそう。すりおろした果物を入れて・・・。」

「そこはこっちから・・・。」

「そんな感じですます!」



何をしているかと言うと料理と工作と調合をイチとドーラとサーシャが魔猫達に教えているところだ。

ピコドラ狩りで[竜殺し]と[無敵無双]を取得させて、シールドの魔法で劣等地竜を足止めしてからの飽和攻撃で軽くパワーレベリングをしたことで、魔猫達はレベル平均20まで上昇した。

戦闘猫は25以上に引き上げたことによって固まっていれば北の森でも生きていけるように出来た。



一から住処を用意するのが面倒だったので、避難所だった場所を改造して、猫たちが住みやすいようにした。

それだけだと特別感が無かったので、どうせなら色々と教えてみようと思い、教えてみたら、料理スキルや練成スキルを発現する猫たちがいた。

工猫の誕生だ。

しかもかなり器用で俺より上手く工作しやがる。

肉球の癖に。



戦闘猫はやはり数が少なかった。

魔猫は全部で44匹。

なんだか不吉な数字だが、シロを数に数えたら45匹だ。

まだマシだ。

その内で戦闘猫は13匹だ。

こちらはゴル●13ですね。

なんだかかっこいい。

多そうに見えるが、この内8匹は直接的な戦闘は得意では無い。

実質、ここの守りは7匹に掛かっている。

数は少ないがあるスキルのおかげで、守るだけならなんとかなるだろうと踏んでいる。

そのスキルは【霧隠れ】だ。

忍者っぽいスキルだが、能力は想像通り霧を作って隠れることができるスキルだ。

これがあるだけで戦闘がかなり有利に行える。

因みに持っていたのはシロとキモたんの戦闘を止めた魔猫だ。

名前はキリコ(命名)だ。

メスで、戦闘猫班のリーダーに任命した。

ちなみにキモたんは料理猫班のリーダーだ。

あのナリで器用に料理をしている。

かなり異質だが、作る料理はなかなかである。


戦闘猫班には直接的な戦闘をする戦闘猫とある特殊なスキル持ちを集めた猫たちの班に分かれている。

そのスキルは【影渡り】

影から影に潜って移動できる種族スキルだ。

魔猫の中のごく一部に発現するスキルらしい。

移動できる距離は本人の魔力量によるらしく低レベルでは大したことが出来なかったが、パワーレベリングしたことで開花した。

このスキルを持った猫たちを集めて"忍猫"とした。

ロマンだね。

忍び装束でも作ろうかな。






かれこれ2週間程を費やして魔猫強化計画と避難所の猫楽園化を果たした。

猫たちのレベルアップはもちろん戦い方を教え、忍び方を教え、ポーション作りを教え、道具作りを教え、裁縫を教え、人形作りを教え、料理を教えた。

ドーラはお小遣いを半減させた。


避難所には猫たちが暮らしやすいように屋根を作り、塀で周囲を完全に覆って、一箇所だけに扉をつけた。

猫たちだけで扉の開閉が可能なように絡繰り扉だ。

内側のレバーの向きを変えるだけで扉がゴゴゴゴっと開いたり閉じたりするのだ。

ドーラの力作だ。

これでドーラはお小遣いを1.5倍にした。


そもそもが避難所である為、人が休める場所も作った。

元々あった建物はそのままで空いたスペースで前々から考えていた土魔法ハウスクリエイトを発動、即席家を作った。

中は2DKでドアと窓も錬金してあり、竈と煙突も作った。

土魔法なのでベッドが作れないのが難点だ。

石のベッドなんてどこの墓場だって感じだ。

魔法は上級レベルの魔法になった。

誰が使えるんだこんな魔法。


ん?

石じゃなくて鉄でスプリングベッドみたいに作れば良いのか?

いやそうすると上級でも収まらなくなるなぁ。

唯でさえ詠唱が長いのにまた更に長くなる。

鬼畜仕様の魔法だ。

正直しんどい。



「どうよこの出来!」

「兄貴すげー!!家が出来たー!」

「ソーマ様!流石です!!」

「すごいですます!!」

「兄ちゃん、やりおったなぁ。欲を言えば、もう少しディテールに拘りたいところやけどなぁ。」

「ドーラ、そんな無茶言うなよ。これでも上級魔法レベルの詠唱量と魔力を使うんだぞ。」

「分かっとるって。細かい所はうちが手直しするわ。」

「頼むよ。」

「これ二つ繋げたらもっと広くできるやんな。」

「そんな無茶言うなよ。上級魔法を二つくっつけるなんてどれだけ複雑になるか想像もしたくないよ。」

「兄ちゃん何言うとるん?なんで魔法をくっつけるって話になるん?」

「え?だって・・・。」

「作ったもんを後から繋げたらええやん。」

「え?」

「え?兄ちゃんアホなん?」

「うぐ。」

「そ、ソーマ様はアホじゃないです!ちょっと抜けてるだけです!」

「ぐぉっ。」

「あ、兄貴が死んだ。」

「いっちゃん、それフォローになっとらんよ。」

「え?え?えー?」

「いっちゃんが一番抜けとるよな。」



ドーラのアドバイスにより、無駄な魔法の開発をしなくて良くなった代わりに、俺の精神力(ライフ)がゼロになった。

お小遣いは据え置きだ。


ベッドは今度買おうと思う。

ストレージリングを使えばいいことに気が付いた。

俺はアホじゃない!



「ソーマ様。そういえばここってカレリーナ様達に無断で改築してますけど大丈夫でしょうか?」

「え?」

「兄ちゃん考えてなかったん?」

「・・・そ、そんなこと無いよ。」

「兄ちゃん・・・。」

「ソーマ様・・・。」


イチにまでかわいそうな人を見る目で見られた。

もうヤダー。



はい。

やってしまったものは仕方がない。

俺は"仕方がない"という言葉が好きだ。

人間、逃げ道は必要だと思うんだ。

どうしようもなくなった時に思い浮かべるといい。

それは仕方がないことなのだと。

逃げたっていいじゃない。

人間だもの。




後日、カレリーナには了解を取った。

陣地構築は前回の遠征の被害が大きく当面は保留と言うことで避難所も放棄の予定だということなので、好きにしていいそうだ。

前回の遠征もかなり無理をしての決行だったようで、予算への圧迫が厳しい状況らしい。

そうそう、もちろん魔物の村とは伝えてない。

流石にこわ、混乱を招くからな。

誰か迷い人が来た時には受け入れられる様にはしておこう。

うん。それでいこう。

魔物だらけだけど、かわいい猫だから大丈夫だよね。

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