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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
138/200

136 群れのボス


「済まないニャ。悪いがおヌシの事を試させてもらったニャ。」

「ええーー!?」

「喋った!?」

「「??」」



猫が喋った。

そう、猫が喋ったのだ!



「ニァア。長く生きていると人の言葉も多少は覚えるのニャ。」

「まじかよ。」

「?ソーマ様?猫が喋るとすごいのですか?」

「え?いやだって猫だよ?シロだって喋らないし。」

「でも獣人の猫さんは喋りますよ?」

「いやそうだけど。獣人は猫でも人系の種族だからね?」

「そうなのですか。」



イチだけで無く、ゼンとサーシャもあまり驚いていない。

俺とドーラがおかしいみたいじゃないか。



「なあドーラ。」

「なんやの兄ちゃん。」

「俺たちは普通だよな?」

「当たり前やろ。猫が喋ったら普通は驚くわ。」

「だよな?間違ってないよな?」

「うんうん。うちらは悪くない。」

「そうだ(や)。悪いのはあの喋る猫だ(や)!」



どうやら俺とドーラは普通だったようだ。

よかったよかった。



「もういいかニャ?」

「ああ、待たせてすまない。もういいよ。」

「ニャン。」



そう言ってから、喋る猫は話しだした。



「我々はこの森の一角に住む猫族ニャ。特に力の弱い猫族が集まって集団でこの森で生きているニャ。」

「これだけ集まっていれば、まあ何となくは分かるけど。」

「じゃがこの森の魔物たちは非常に好戦的で凶暴ニャ。非力な我々では出会ってしまえば、簡単に食料にされてしまうのニャ。そこで我々は考えたニャ。強い魔物に守ってもらおうとニャ。」


うーむ。何となく展開が読めて来たぞ。


「しかしニャ、先日その強い魔物が何者かに倒されてしまったニャ。その魔物に守られていた我々猫族は新たな守り猫を探しているニャ!どうか我々を守って欲しいニャ!!」


・・・



多分こいつらが言っている強い魔物はブラッドタイガーの事だろう。

それを倒した俺たちに無関係な話しではない。



「ソーマ様。かわいそうですます。」

「そうだぞ、兄貴!」

「ソーマ様の素晴らしさを教え込ませます!」

「イチ。それはやめて。」

「はい!ソーマ様。」

「いっちゃん。大丈夫?」

「何がですか?」

「いや、もうええよ・・・。」



ミニコントは置いといて。


「守るって具体的には何をしたらいいんだ?」

「まずはテリトリーを作って欲しいニャ!そのテリトリーの中で暮らすニャ!」

「それだけ?」

「それが大事ニャ!」


要はこいつらは強いやつのテリトリーに間借りさせてもらって暮らしていたのか。


「食料とかはどうしてたんだ?」

「食べ残しを貰うニャ!」

「それ以外は?」

「ないニャ!」


・・・こいつらもしかして生活能力ない?

どちらにしても俺たちはここに長居するつもりは無いから、テリトリーは作れない。

作っても居なくなったら崩壊するな。


巣を用意すればいいかな。

あと、自分達で狩りが出来るようにしごかないといけないだろう。

そもそも、猫たちの中にブラッドタイガーのような猛獣系が見当たらないし、北の森で生きて行くにはどう見ても全体的に弱い。

底上げが必要だ。



「どうか我々を守って欲しいニャ!」

「よし分かった!断る!」

「よかったニャ。・・・ニャ?ニャんだとー!?守ってくれないニャ!?」

「そうだ。その代わり、自分達で身を守れるように鍛えてやる!」

「む、むむ無理ニャ!我々魔猫たちはこの辺りでは最弱ニャ!強くなれないニャ!」

「そんな事はない。鍛えれば魔物だって強くなる。俺に任せろ!フフフ。」

「ニャー。怖いけど、我々ではどうしようもないニャ。任せるニャ。」

「おう。」




こうして急遽、魔猫強化計画が始まった。


まずはそれぞれを詳しく鑑定してグループ分けをしていく。

一口に魔猫と言っても個体差があり、嗜好が異なる。

なので、戦闘員と後方支援とに分けるが、元々が逃げ隠れして集まった集団のため、戦闘員が少ない。

総じてレベルが低いので、いつもの様にピコドラ狩りはする予定。

シロ用に作った試作品で装備の準備は出来る。

これで全体の底上げをしておかないといざという時に困るだろう。

細かく視ていくと面白いスキルを持った魔猫も居た。

これは育て甲斐がある。

英雄の試練に挑戦する気だったが、暫くはお預けかな。

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