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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
136/200

134 走って潜る

タイトルそのまんま過ぎたかな・・・。

「石碑があった?」

「うん。そうや。こっち側にあったやつよりも大きいやつがあったで。一応写してきたよ。」

「おお!さすが!どれどれ。」


ドーラが対岸で見つけた石碑の写しを取ってきてくれた。

そこにはこう書かれていた。


『こっちなわけ無いだろ。素直に潜れ。』


イラッとする。

みんなに伝えた。


「なんかイラッとしますね。」

「そうやな。破り捨てたくなるな。」

「とにかく、やっぱり潜るしか無さそうだな。」

「兄ちゃんの検索でなんとかならんの?」

「それなんどけどな、まだレベルが低いから範囲が狭いんだよ。水の中だと方向感覚も狂うしさ。」

「水面走れば?」

「んなアホな。」

「ゼン。それだ!走ろう。」

「兄ちゃん!?」

「ソーマ様?」

「いやさぁ、泳ぐのめんどいなと思ってたんだよ。ここって水深はそんなに深くないから、水面からでも確かに検索できるしさ。」

「だからって走るってなんやねん!」

「沈む前に駆け抜けるんだろ?」

「ゼン君は黙っとき!」


怒られてションボリしたゼンをサーシャが慰める。

ゼンの耳と尻尾が元気を取り戻した。

早業だね。


「ゼンの言うこともできなくは無いだろうけど。」

「できるん!?」

「うん。やってみた事はあるよ。常に動いて無いといけないからしんどいけど。」

「さすがソーマ様です!」

「アホちゃう?」

「まあ余り意味は無いね。今回はもっと簡単で、足下にシールドを張ります。乗ります。歩きます。以上。」

「あー、そら簡単やな。うちでも出来るわ。」


と言うことで早速、湖の上を真っ直ぐ走る。

途中の昆布畑を通り過ぎ、水深が若干深くなってきた。

と思ったらいきなり深くなった。

青い湖から突然黒い湖に変わったかのように色が変わっている。

原理を知らなければ何が起こったのか分からないだろう。

すると【検索】スキルに反応が出た。

検索の範囲は三次元なのに表示は二次元のため、レーダーマップの上に唐突に現れたように見える。

文句を言っても仕方が無いが。

レーダーマップを見ながら真上に進む。

この真下か。よし。


シールドを蹴って飛び込み、潜る。

予め用意しておいた魔法で水流を操作して一気に湖底まで行けば、底には小さな洞窟があった。

洞窟を少し進むと湖底なのに空気があった。

一見するとただの洞窟で何も無い空間が広がっているだけだが、壁に小さなレリーフがある。

ホントに小さくて岩肌もゴツゴツしていて、知らなきゃ見つけられないほどだ。

【検索】で位置が分かる俺だから見つけられたようなものだ。

英雄って意地が悪いのか?

まあ人を食ったような言葉を残しているくらいだから、ひねくれてはいるのだろうけど。



レリーフに近づくと胸が青く光った。

いや胸元に入れていた神青球スフィアが光っていた。

次に腕のストレージリングが赤く光り出した。

腰に付けていた旅人の道標が黄色く光り出した。

3つのアイテムから伸びた光が壁のレリーフに当たる。

レリーフは白い光を放ち目の前の空間に紋章が浮かび上がった。


これは。

紋章は町の屋敷にあったものと同じだった。

アイテムが反応し、英雄の紋章が浮かび上がったここは、まず間違いなくサクセスルームへの入り口だろう。

俺が考えている間にレリーフのあった壁が浮かび上がった紋章と共に消えた。

道が出来たな。というか無駄にこり過ぎじゃないか?まあ、いいけど。

道は奥へと続いていた。

何だ気配を感じるような。

感じないような。

気のせいだな。よし、帰ろ。

俺は洞窟の端の方に旅人の道標(トラベラーズマーカー)用のマーカーを設置して、再び水の中に戻って行ったのだった。





来ないのかよ!



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