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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
135/200

133 昆布出汁

山盛り取った昆布は、半分は生昆布としてストックしておき、もう半分は乾燥昆布にしようと思う。

乾燥は今は時間がないので、魔法でちょちょいだ。

生活魔法の乾燥(ドライ)で瞬間乾燥だ。

沢山あるから、出力を上げて乾燥させてみた。

後で天日干しした物と比べてみよう。

岸に上がって昼食作りだ。

乾燥昆布で出汁をとる。

水に30分くらい漬けておき、急に沸騰しない様に弱火でじっくり温める。

沸騰直前で昆布を取り出して完成だ。

なんて簡単なんだ昆布出汁。

適当に野菜と生昆布を入れて和風スープを作る。


「ああ、いい香りだー。」

「何だかいい香りですね。」

「すごい香りがする!」

「そうだろう、そうだろう。」

「あの葉っぱからこんな香りが出るんですね。何で乾燥させてたんですか?」

「受け売り知識だけど、昆布って生のままだと旨味が出ないんだよ。「この旨味は俺のものだー!」っていって旨味を離さないんだ。乾燥させることで昆布を殺して、問答無用で引き離してるみたいなイメージかな。」

「へー。兄貴って鬼畜だな。」

「ゼンは飯抜きかな。」

「兄貴ー!」

「ははは。冗談だよ。」

「ふふ。でもそう聞くとちょっと引け目を感じますね。」

「そうだね。でも素材の味を引き出して味わうのも大事なことだから。だから食べてしまうのでした。はい、どーぞ。」

「ありがとうございます。」

「兄貴サンキュー!」

「ではでは実食!」

「ずずず・・・」

「うまー!」

「うまーい!何これ!肉入ってないのにうまーい!」

「美味しい・・・。」


久しぶりに味わうザ和食の味だ。

宿で味わった和食モドキとは旨味が違う。

やはり出汁は偉大だ。

これに醤油と後は味噌があれば完璧なんだけど。

贅沢を覚えると次々に欲しくなるな。

いかんいかん。

足るを知るだ。

あっという間に一杯目が無くなった。

と思ったら鍋の中身が無くなっていた。

イッツマジック!

ちなみにお腹はチャプチャプです。

夢中になって食べ尽くしてしまったらしい。

俺とゼンが。

イチは俺たちを見てふふふと笑っていた。

恥ずかしい。


「あー!やっぱり何か食べとるー!ずるいでー!」

「にゃー!」

「ブルルルー!」

「ただいまです。」

「サーシャおかえりー。」


湖の反対側を調べていたサーシャ達が戻って来た。


「おかえりちゃうわー!」


ドーラはカンカンである。

でも、飯は無いのである。

哀しいな。


「うちらのはー!?」

「食べちゃった。テヘペロ。」

「テヘペロちゃうわー!!」


ドーラの小さな手で殴られた。

地味に痛い。


「悪かったって。ついつい懐かしい食材を見つけちゃってさ。夢中になって食べちゃった。また作るからさ。」

「懐かしい?うちも食べたい!」

「わ、私も!です!」

「はいはい。」

「あ、わたしも手伝います!」


今度はイチと一緒に昆布野菜スープを作る。

イチのアイデアで少し野菜を変えてみた。


「うまいやーん!!」

「おいしい!」

「うまー!」

「うまーい!」

「やっぱり美味しい。」

「にゃー!」

「ブルルルー!」


さっき俺が作った物よりも確実に旨い。

出汁もさることながら、選んだ他の食材もまたいい味を出している。


「流石は我らの料理長だ。」

「イチはすごいなぁ。俺が作るよりすごく旨くなってるよ。」

「うん!うまーい!」

「流石はいっちゃんやな!」

「すごいです。」

「えへへへ。」


みんなの賛辞に照れるイチは年相応の可愛らしさだ。

どこに出しても文句無いな。


いや、常識を確認してからだな。うん。

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