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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
133/200

131 魔法講習とスフィア

俺が清掃(クリーニング)の魔法を発動させるとゼンに付いていた泥や土や水がみるみる内に落ちていく。

まるで魔法のようだ。

魔法だった。


汚れは下に落ちるようになっている。

足の裏までは対象外だ。

室内でやると床が汚れる。



「ゼン。どうだ?」

「うん、大丈夫!兄貴サンキュー!」

「おう。」



俺がよく使っているオッケー、サンキュー、イエスノーを他のみんなも覚えてしまった。

別に広めたら駄目なものでもないので、聞かれたら教えている。

次は激おこぷんぷん丸でも教えようか。



「な、何ですか!?その魔法は!!?清掃(クリーニング)??聞いたことないんですけど!!」



俺がアホなことを考えているとカレリーナ様について来ていたメイドさんが思わず声を上げた。

メイドさんはゼンに勢いよく近付いて全身をくまなく観察し始めた。

軽く目が血走っている。

怖い。



「こら、キャロ。ゼン君はお客様ですよ。失礼なことをしないの!」

「ひゃ!あ!も、申し訳ございません!つい驚いてしまって、我を忘れてしまいました。」

「申し訳ありません。普段はこのようなことはないのですが、ソーマ様の魔法に驚いたようで。」

「いや別に気にしてないから大丈夫ですよ。なあ。」

「うん。へーきだよ!」



いつもカレリーナ様の後ろで控えているメイドさんはお淑やかそうな印象だったのだが、聞いたことのない魔法だろうし、驚いたんだろうね。

自作だから、聞いたことが無いのは当たり前なんだけどね。

ていうかまだメイドさんに見られてる。

見られてるというか睨まれてる。

美人メイドさんに睨まれる。ご褒美ですか?

マゾくないので、すごく居た堪れないです。



「い、今の魔法のこと、知りたいですか?」

「はい!!ぜひとも!!」



お、おぅ。

圧がすごい。


「こらキャロ!」

「だってお嬢様!あれだけの汚れがきれいさっぱりあっという間に落ちてしまったのですよ!?メイドとして捨て置けません!!」

「わ、分かったから少し落ち着きなさい。」

「はぁはぁはぁ。」


肩で息をしている。

まるで親の仇を見るかのような目で睨まれる。

怖いよー。


「詮索するような真似をしてしまって、申し訳ありません。今後このようなことが無いようにしっかり躾けますから。」

「いいですよ。」

「・・・え?」

「さっきの魔法について教えてもいいですよ。便利ですし。」

「本当ですか!!?」

「ちょっとキャロ!!」




という訳で魔法の講習会を開くことになった。


とその前に、報酬としてお願いしていたスフィアが用意できたらしいので受け取った。



名前:スフィア

種類:スフィア

等級:伝説級

品質:高

属性:なし

説明:球形のスフィア。

優秀な魔法触媒。




「ブフォッ!」


伝説級(レジェンダリー)!?

しかも色違いを5つもだ。

人数分用意してくれたらしいが、金額にしたら一体いくらになるのか・・・。

しかもスフィアは販売の制限もあるため、お金を積めば買えると言うものでもない。



「カレリーナ様!流石にこれは貰いすぎですよ。」

「・・・(フィ)」

「カレリーナ様?」

「・・・。」


む、無視されている。


「・・・様付け・・・。」


様を付けたのがお気に召さなかったらしい。


「か、カレリーナ。」

「はい!」


おふっ。


ピンチです。

俺の心臓が緊急事態です。

超絶美少女な天使からの若干頬を朱に染めた満点の笑顔。

破壊力が天元突破です。

鼻血出そう。


「か、カレリーナ、流石にこれは貰いすぎだと思うんだけど。」


何とか持ち直して伝えられた。

俺、がんばった。


「そんなことはありません。多くの兵士たちを救い、あの場で様々な物資の提供までして下さったのですから。」

「だけど・・・。」

「それにお父様もこれだけで足りるのかと仰ってまして、これでも抑えた方なのですよ。スフィアならまだ他にありますので、遠慮なく受け取って下さい。」

「うーん。分かりました。では有難く頂きます。」

「はい///」


笑顔で力説されたら従うしかない。

断っても困るだろうし、素直に頂いておこう。



魔法の講習会だが、俺が自作した清掃(クリーニング)の魔法と光魔法ライトボールを教えることにした。

清掃(クリーニング)の魔法と光魔法ライトボールは便利な魔法で攻撃力は無いが下級レベルの魔法だ。

トリスタの町で光の下級魔術書を入手できたが、ファイアボールに類する魔法は載っていなかった。

代わりに攻撃魔法の光線(レイ)が載っていた。

レーザービームだ。

まだ実践では使ったことはないがロマン溢れる魔法だ。さいこーだ。

カレリーナにはライトボールとは別にエアショットの火魔法版フレアショットを教えてあげることにした。

彼女の得意武器は弓だそうで、射撃魔法が合っていると思うので選んだ。

俺とお揃いというのも無くはない。

魔力量の関係で俺ほどに連射はできないだろうが、一撃の攻撃力が高ければ、色々とけん制にもなるだろうし、覚えておいて損はない。


どれも下級魔法なのである程度の魔力がある人でないと使えない。

カレリーナの御付きメイドのキャロさんは下級レベルなら使えそうなので参加。

その他、屋敷のメイドさん数名と兵士たちの中から数名がそれぞれ参加した。

結構な参加者だったが、魔力の流れと動きを感覚で覚えて、詠唱を暗記して正確に唱えればいいので、使うだけならそこまで難易度は高くない。はず。




はず、と思って始まった講習会だが、結果的には問題なく終わった。

清掃(クリーニング)魔法はあまり細かな制御は必要ないので、他の下級魔法が扱えるのであれば習得は難しくなかった。

必要なのは普通品質のスフィアと魔力とやる気だ。

ライトボールは発動させることはみんなすぐにできたが、自在に動かすとなると魔力の制御技術がある程度必要だ。

自分の思った通りに動かすためには練習が必要そうだった。

カレリーナのフレアショットは問題なく習得できた。

試し撃ちした時の驚いた表情に俺は釘付けだった。

驚いた表情も魅力的だった。



魔法の講習会は恙なく終了したが、他の魔法についても講習をしてくれないかと相談された。

今は他にやりたいことが溜まっていて時間が取れないので断ったが、時間が取れた時でいいという事だったので追々だな。

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