狂龍人化
「それならば死ねえ!」
それならばの意味はよく分からないが、若さとは何時だってそんなものである。
爪が超龍の身体を切り裂いた…しかし、手応えが全くない!
「残像だ!」後ろから超龍の声が聞こえた
そのまま背後から蹴りを食らい吹き飛ばされるヒュドー
勢い良く吹き飛ばされると、一つ目の王墓を貫通し、次の王墓に体がめり込んだ。
王墓に頭から身体を突っ込み足だけを出しているヒュドー
背中の翼を広げ上空へと羽ばたき、それを見下す格好の超龍
「いい加減、諦めたらどうだ?」と言った
「うおおおおおおぉぉ!」
めり込んだままの体勢からヒュドーが叫び声を上げ強引に立ち上がると王墓が爆散した。
バッと振り返ると目を血走らせ、ギリギリと歯軋りをしながら悔しそうに超龍を見上げるヒュドー
「てめえ…本気じゃ無かったのかよおぉ!?」
空中で静止したまま腕を組み合わせ静かに答える超龍、よく見ると先ほどまで細マッチョだった身体は、細身へと変化していた。
「本気だったとも、変身した龍人の子供と遊ぶ用のな」
それは暗に一人前の大人としてヒュドーの事を認めたとも言える…のだが、ヒュドーはそれには気付かず
「おおおおぉぉ!」と叫びとも唸りとも言えない声を上げて飛び上がり超龍へと爪で切りかかった
ガキッと音がして止められる
「それは…」
「フッ角は無くなったが代わりに俺にはこの剣がある」
そう、金色の二振りの剣!元は超龍の角だった物だ
「それは角、角かああぁっ!お前は俺の両親と片方の角を奪った!角さえ、角さえ有ればあぁ!」
激昂したヒュドーが連続して殴りかかる!
「ウラララララっ!」
殴りかかると言うより強力な龍の爪で切りかかっているのだ!
素手ならば如何に超龍と言えども無事では済まないだろう。
しかし、金色の二振りの剣を自在に操り文字通り軽くいなしている…キンキンカンカンと言う音すら鳴らない、ソフトタッチで衝撃を吸収しながら打ち返すと言う高等テクニックを披露
まるで猫じゃらしで猫と遊ぶようだった。
「なっ!?糞があぁぁあぁ!」
怒りと共にドス黒いオーラがヒュドーを包んで行く。
それは狂龍人化と言われる現象で、この状態になった龍人は強力な力を得る代わりに比例して正気を失い、ただの狂龍人と化してしまい、やがて死に至る。
打ち合いが激しくなり、やがてキン、カンと音を帯始めた二人のビートセッションは加速していくのだった。




