ディーンの正体
紫色の光が稲妻が海賊兵士達に向けて放たれる。
その光が周囲を飲み込んだけど後に残ったのは動けなくなった海賊兵士達であった。
ラプツェルはチンと金色の太刀を黒い鞘に納めると
「ちっ、仕留め切れていないか、広範囲に雷を分散させたせいで威力が弱まった…」と言った。
それと、あいつの判断で海賊どもが少し下がった状態だったのもある。等と考えたが
「まあいい、これで海賊どもはしばらくは動けまい」
と1人納得する。マーリーも後ろでうなずいた。
「やってくれますね人間風情が!」
と倒れている海賊達の後ろから青い貴族服をきた美しい男が進み出てくる。
「ふんっ!貴様が親玉という訳か」
ラプツェルが太刀に手をかけて構えたまま誰何する
「ふっふ、正確には違いますが…まあ今この場では最高責任者であることは間違いありません」
「では問おう!一体何のつもりだ?」
と言われて、その男は
「何のつもり?私はともかくとして、この者達とあの船を見れば分かるでしょう?海賊ですよ、そして海賊がやることは?」
「略奪か?」
「惜しい、今回は違います!この国を頂きに参りました」
「何だと?」
「言葉の通り、国盗りですよ」
「海賊に国など必要ないだろう!」
「ええ、ただの海賊にはね。私達は海賊を越えた海賊になる。海賊王国を樹立するのです!海賊王は伊達じゃない!」
「笑止!それは最早海賊ではないではないか」
「ええ、だから言ったでしょ?海賊を越えた海賊になると」
「ならば問答無用」
「ええ、こちらも準備は終わりましたからね…もう、お喋りは結構です」
晴天だった空が急に曇りだし、ザアーっと雨が振りだす。
「馬鹿な!?さっきまで雨雲などなかったはず?」
そうラプツェルの髪の毛は敏感なセンサー代わりにもなる、髪の毛のアメダスレーダーには雨雲は引っ掛かっていなかった。
「ふっふ貴方は雷を作り出せるんです、私が雨を作っても不思議ではないでしょ?」
ラプツェルは正確には雷ではなく静電気を利用して電気を作り出しているだけなのだが、この雨は本物の雨だった、映画やテレビのロケの様に水を上から降らせているだけではない。
ラプツェルはマーリーを見る、聖霊術に関してはマーリーの方が使えるし詳しいからだ。
「雨を降らせるだって?そんな聖霊術見たことも聞いたこともないよ!」
そのラプツェルの目線だけで聞きたい事を理解したマーリーは答えた。
「それは、そうでしょ。あなた方が聖霊術等と呼んでいる下等な魔法とは次元が違うのですから」
ふふん、と言った感じでマーリーを見下す青い貴族服の男
「魔法だと?貴様は、まさか!?」
ラプツェルの顔色が変わる。
「そのまさかです。私は人間ではありません、水の聖霊ウンディーネ、今は愛人より賜った名がありますからディーンと申します」
「聖霊そのものだと?」
「そう、貴方達、人間とは格が違うのです…そして、これで厄介な雷の攻撃も出来ないでしょう?」
確かに、この雨の中で濡れている状態で天技・髪鳴神を使えば、使った瞬間に自分達まで感電してしまう。
得意技を一つ潰された状態でラプツェルが不利になったのは間違いなさそうだった。




