一匹いたら百匹いると思え
「ここだ!」とギューオンが小声で言う。
ピシュンと音がなり弓矢が飛び、ゾンビの頭へと刺さる!
絶命?して動かなくなったゾンビの亡骸?に俺は解体用のナイフを突き立てる、と同時に骨と腐肉が出現する。
俺は腐肉をそのままアイテムボックスへ収納すると骨を手に取り「錬成!」と叫ぶ、すると骨が何本かの矢へと変わる。
その矢をギューオンへと渡した。
「それにしても凄いアーティファクトだな…」
と矢を受け取りながらギューオンが言う。
本当はスキルでも何でもなく仕様なのだが、解体した瞬間にアイテムに変わるのはナイフがアーティファクトだと言う事にしている。
「それは良いんだが、いちいち「ここだ!」とか言う必要あるのか?」
俺は話を逸らす為に疑問に思った事を聞いてみた。
「……何故か、ああ言わないと調子が出ないのだ」
目を逸らしながらボソリと言うギューオン、厨二病的な事だろ?と一瞬思ったが、あえて追及せずに
「そうか…」とだけ言った。
物音を立てるとゾンビが際限なく近寄って来て時間をとられるので、遠くから音の出ない弓矢でヘッドショットして、ゾンビの素材から俺が矢を作り渡してを繰り返している。
そう、俺達は今ダンジョンでゾンビと戦っている。
なぜか?
俺達はメグリ王子を探すために溶岩台地の下の方へと降りて調べていた。
その時に何故か俺とギューオンだけが黒い落とし穴の様な物に引き込まれて地下のダンジョンへと落とされてしまったのだ。
冷静に考えると穴ではなく、不死王のゲートの力だったのだろう。
そしてダンジョンに落とされた俺達は不死王の声を聞いた。
『遊戯を始めようぞ、メグリ王子を助けたくばダンジョンの最下層まで来るが良い、各フロアにはゾンビがいっぱい、罠がいっぱい、宝物もいっぱいだぞ』
と言う訳だ。
「それにしても、そろそろ次の階層への階段があっても良いんじゃないか?」
「うむ、メグリが私を導いてくれている…この辺に間違いない」
ギューオンがひざまずき天を仰ぎながら言う、いちいち芝居がかってるな…やはりスキル名優のせいだろうか?
あとメグリ王子が導いてるんじゃなくて、お前のスキル第六感のせいだろ?と思ったが面倒くさいので
「ああ、そうだな。やはりお前には敵わないよ」
俺は歩きながら適当に返事をする。
「フッそう言う事だ…お前と私との決定的な違いはメグリとの時間なのだ!」
「そうかそうか、それで、あの扉で間違いないのか?」
そう言うと俺はサッと通路の影に隠れる、扉の前で黒鋼で武装した騎士のゾンビが10体ほど警戒して立っているからだ。
「ああ、恐らく扉の中に更に強いゾンビがいるのだろう」
小さな声で囁く様に答えるギューオン。
10体か…まあ、10体位なら俺とギューオンがいれば楽勝なのだが…しかし、最初にダンジョンで出会った1体ゾンビを派手にギューオンがメキドで倒したら100体以上のゾンビが出て来て倒すのに手間取ってしまったと言う事があったのだ。
1体のゾンビで100体出てくるなら、10体のゾンビなら何体出てくるのやら…まあ、そんな単純な計算では無いとしても、時間をとられるのは良くない。
一刻も早くメグリ王子を助けなければ不死王にゾンビにされる恐れもあるのだ。
どうしよ?タイムを使えば10体なら何とか一瞬で倒せるか?
「私に任せろ!第二の矢、祖怒無」
とギューオンが言うと金色の弓矢、三つ首竜を取り出し引き絞った!
すると矢の先に赤いボールがついた3本の矢が出現する。
それを射ち放つと、天井に矢が刺さった…
「おい!任せろとか言って何をやっているんだ?」
「慌てるな射ち損じたのではない、これからだ」
本当か?と思っていると天井に刺さった3つの赤い玉が光る。
「天罰!」
とギューオンが叫ぶと赤い玉が赤い矢へと変質しシャワーの様にゾンビ騎士に降り注ぐ。
ゾンビ騎士は一瞬にして火だるまになると直ぐに息絶えた!




