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最強の軍師?

「まずいな…」


俺は少し焦っていた。


「どうしてですかケンシンさん?ここまで圧倒的に優勢に戦を進めているじゃないですか?今は拮抗しているけど、どちらかと言えばギューオン殿がオーグルメを押していると思いますが?」


とメグリ王子が不思議そうな顔で聞いてくる。


そう、こうして話している間にも二人は戦いを繰り広げていて、事実ギューオンが押している。


このまま二人が戦えば恐らくギューオンが勝つだろう…しかし


「いえ、このままではギューオンは負けます」


「え?!そんな…」


「正確にはギューオン王国側が負けると言うことです」


「どういう事ですか?」


「良いですか王子、ギューオン側が有利に戦を進めている様に見えます、いえ実際にそうですね。敵の10分の1程度しかいない少数のギュバ隊で、大軍の中心部まで切り込み敵の大将を討ち取らんとする勢いです、このまま直ぐにオーグルメを打ち取れば勝てると思います」


「では、どうして?」


「言ったでしょう直ぐに討ち取れれば…とね」


「え?」


「最初の聖霊具での一撃とギュバ隊の突撃の衝撃で混乱していたトーチ軍が落ち着きを取り戻し始めています、中心部まで切り込んだと言いましたが逆に言うと大軍に周りを囲まれた状態とも言えます」


「あ!」


「直ぐにオーグルメを打ち取れれば敵は更に混乱を極め大将を失ったトーチ軍は敗走したかも知れませんが…このままでは、ギューオンは兎も角、他の兵士達は落ち着きを取り戻したトーチの大軍に囲まれてなぶり殺されますね」


それが分かっているのだろう、オーグルメはほとんど攻撃せずに守りを固めている。表情はいたって冷静だ。


逆に攻めて優勢に立っているはずのギューオンの顔には、いつものクールで余裕の表情が消えている。


「では、どうすれば?」


「フッ…こうします!」


と言うと俺は双剣を取り出し、戦っているギューオン達に向けて


「私はハイマツ王国の軍師ケンシン、故あってギューオン王国に助太刀致す」


俺はギュバ隊のいるギューオン王国側ではなく、トーチ側に向けて


「我が力を見よ!」と言って双剣を振り下ろすと


ドオンッと言う音と共に赤いエネルギー波が1キロ先まで届いた。


ちょうどトーチ軍の隊列の真ん中だけが何も無かった誰も居なかった様に見える。


その後には削りとられ綺麗に整地され草一本生えない台地だけがあった。


それを見て恐慌状態に陥るトーチ帝国軍。


「くそ!撤退、撤退するわよ!」


と大声で叫びながら、素早く後方へと飛び去るオーグルメ!


待て!と言いながらギューオンが追いかけようとするが、御輿を担いでいた赤ふんの筋肉ムキムキのオーク達に阻まれる。


変な格好をしていたが精鋭部隊だったのだろう、ギューオンが手こずっている間にオーグルメと一緒に何人かは撤退した。


その後は崩れて撤退するトーチ帝国をギューオン軍は程々に追撃し少なくないダメージを与えて追い払った。


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