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開戦

フォオー!と言いながら走って近づいてくるオークの軍団、しかしギューオン率いる騎馬、いやギュバ軍団はピクリとも動かない。


普通は騎兵と言えば、勢いよく走っていき、その勢いを利用して相手を蹴散らす物だったはずだ…これでは騎兵の意味が無いのではないか?


しかし、その答えは直ぐに分かる事になった。


聖霊具 三つ首竜アジタハーカ


ギューオンが天空に向かって手をのばすと金色の弓が姿を表した、それを手にとり弓を構えるギューオン。目を閉じて集中している。


何やってるんだ?弓矢もないのに、と不審に思った俺だが、よく見ると、キリキリと言う音と共に少しすると炎の矢が見える様になった…余程固いのか中々弦を引くことが出来ない、しかし弦が後ろに下がるごとに、炎の矢がドンドンと太くなり終いには丸太の様な大きさになった!


そして


「三つ首竜アジタハーカ 第一の矢、滅技怒メギド


ズドンと言う音と共に丸太の様な矢が発射されるとそれは巨大な竜と言うより蛇の様な形になり、オーグを飲み込む様に突っ込んでいく、チュドーンと言う音が鳴り響き爆発する!爆風が収まると、そこには100メートルほど向こうまでバラバラになったオークだった物が転がっていた。


「突撃ぃ!」


ギューオンは叫ぶと同時に赤いギュバの腹に蹴りを入れ走りだす。


突出した状態のギューオンを追うように白い民族衣装を身にまとったギュバ隊が一斉に赤いトーチ帝国の軍勢に突っ込んで行った!


先ほどの矢で怯んだトーチ軍は何が起こったのか分からずオロオロとしていた、その状態でバッファローの様に巨大なギュバの軍勢の突撃を受けてなすすべもなくやられて行く。


赤く縦に並んだトーチ軍の真ん中に白い線が入りオーストリアの国旗の様になっている。


そして、そのまま突き進むとオーグルメの御輿の前までギューオンがたどり着いた。


オーグルメ覚悟!と言って、赤いギュバの鞍の上で立ち上がり高く飛び上がり弓を構えるギューオン


「食らえ滅技怒メギド」と言って空中から、いきなり必殺の矢を放つ!


先ほどより溜めが少ないせいか大きさは普通の矢とさほど変わらない、しかし10メートルも離れていない距離で一体が相手なら充分な威力だろう、まず間違いなく倒したなと思った。


しかし、その矢はオーグルメのカエルの様に大きく開かれた口に吸い込まれた。ゲプっと言う音をさせて余裕のオーグルメ。


「なっ!?」


クールなギューオンもビックリである。


しかし、驚くのはそこからだった。オーグルメは自分の腹に肘を当てて押すと口から火を吹き出した!

恐らくはさっきの炎の矢のエネルギーを使ったのだろう。


その炎を空中で身をよじりながら必死でかわすギューオン、何とか避けきるが、そこに


「フォーク!」どこから取り出したのか三ツ又の槍の様なデカイフォークを投擲するオーグルメ。


それがギューオンの赤いバンダナに当たる、やられた?


スタッと着地するギューオン、どうやら無事…いや頭を怪我している様だ。


ツウッと額から血が垂れる、と同時に赤いバンダナがハラリとほどけるとファサっと金色の髪が姿を表した。白い民族衣装に金色の髪…昔見たアラビアを舞台にした名作映画を思い出す。


ギューオンは額から流れる血を手で拭うと、それをヘアワックス代わりにして、金色の髪へと撫で付けるとオールバックにした。さっきまではサラサラの王子様風の髪型が金色に赤のメッシュが入ったワイルド風の髪型へと変わった。


「フフン!そのままの方が可愛くて良かったのにね」


とオーグルメが挑発する様に言う、既に御輿から降りてフォークの様な三ツ又の槍を構えながら。


「フッ…礼を言っておいた方が良いのかな?」


ニヤリと笑いながら返事をするギューオン


「ふんっ!そんなに金色の髪が嫌なのかしら?」


とオーグルメが言うとギューオンは顔色を変えて


黙れと言いながら、赤と金の二振りの曲刀で斬りかかる!


オーグルメが横にした巨大なフォークでガキンと受け止める。

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