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戦のマナー

俺達は今、フロンティア溶岩台地と言う所に来ている。


どんな所かと言うと、普通の台地だ。元々は溶岩が固まって出来たらしいが普通に草花も生えている。高所に出来た、それほど広くない平地と言うか道と言うかがずっと続いている場所だ。


なぜ、そんな所に居るのかと言うと、トーチ帝国の軍勢を迎え討つ為だ。


トーチからセントラルに向かうには陸路なら、この台地を通らねばならない、そして狭く高い場所なら大軍も一気に攻めてくる事は出来ず、相手より兵の数が少ない場合で迎え討つには向いていると言えるだろう。


ただし、一気に攻めてくる訳じゃないと言っても相手の数の方が多いのは変わらないのだが…まあ、火計を使うには良いだろうね。相手は真っ直ぐ並んでくれてるんだから、俺にとっては良い的だ。


しかし、今回はあくまでも共闘関係と言うことだし俺の奥の手を見せる気はない。この戦いが終われば直ぐに敵同士になるのだから。


因みに今俺達は牛に乗っている…正確にはギュバと言う牛と馬を掛け合わせた様な動物だ、はっきり言うとゴツくなった馬に角が付いた様な?本当に牛と馬の間の様な動物だ。その馬上?にて


「本当に手助けは必要ないのですか?」


とメグリ王子


「くどい、これは私達の戦いだ。君達は見届けてくれれば構わない」


とギューオンは答える。


「しかし…」


「まあまあ、王子。ここはお手並み拝見といきましょう」


「ケンシンさん!」


「ハハハ、そういうことだ…」


と言うと、メグリ王子に近づき耳元で囁く


「交渉するにしても戦うにしても相手の力を見極めてからにした方が良いぞ」


そんな事を話していると前方からトーチの大軍が見えてきた。その最前列には昨日見た、オーグルメが御輿の様な物に乗っている。


オーグルメの巨体を支えるのは屈強なオーク達だ、何故か裸で赤いふんどしだ。たぶんオーグルメの趣味だろう。


ルメッルメ~オーグオーグ♪ルメッルメ~オーグオーグ♪


と言う掛け声を発しながら近づいてくる。そして、俺達の前まできた。


こちらからはギューオンが進み出る、ギューオンが乗っているのは赤くて他のギュバより一回り大きなギュバだ、角は金色。


因みに普通のギュバは白か黒で角は全部白っぽい色だ。


「ふう…御輿の上から失礼するわ」


とギューオンに話しかけるオーグルメ


「こちらも馬上だ構わない」


「そう、念のために聞いておくけど本当に構わないのね?」


と言いながら後方のトーチ軍を指差す。


ずらりと並んだ赤い甲冑を着たオークの群れだ何キロ続いてるのだろう?冬コミの開始前の行列を思い出すな…目的は全く違うが熱気は近い物がある。


「もちろんだ、だが随分とお優しいのだな?」


「ふんっ!私はマナーは守るタイプなのよ、それに戦で荒れたら美味しい出店がいなくなっちゃうしね」


うん、俺と同じ事言ってるね。意外と話しが合うかもね。でも昨日食器ごとバリバリ行ってたような…


「フッ…その心配はない。街の人間は避難もしていない、なぜなら、その必要はないからな」


「あら意見が合うわね?その話を聞いて安心したわ

、これで心置きなく戦場を食べ尽くせるわ」


戻るわよ!と言って自軍へと帰っていく御輿の集団、モーゼの割った海の様に軍団が左右に別れて、その間をルメッルメ~オーグオーグ♪ルメッルメ~オーグオーグ♪と言いながら進んでいく。


列の真ん中辺りまで来ると止まり、こちらへと向き直した御輿、それを塞ぐ様に軍勢は隊列を直していく。あーあ、後ろから襲えばよかったのにと思うが、ギューオンはそんな事はしない様だな。


そして向こうからは太鼓が、こちらからは法螺貝の様な物が奏でられる。


いよいよ戦が始まる様だ!


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