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赤い閃光

そんなわけで何故か俺達はリーブス王の使者としてセントラル南部へと向かい、通称『南部族』と呼ばれるギャクギュー率いる赤ヤオ族の説得、もしくは鎮圧を仰せつかってしまったのだ…


そもそも俺は関係ないよね?スミスに頼んでいた武器や防具をとりに行くの遅くなるなあ、とか色々と思う所はあるのだが…


「ケンシンさん宜しくお願いします!頼りにしています」とメグリ王子に笑顔で言われると断りきれないのであった。


そもそもメグリ王子を助ける様に言ってきたのは女神だ、何かしら意味があるのだろう…確かに助けて早々、災厄王であるファラオと戦う事になり、女神像の解放に成功しているしな。


俺達は東部鉄道に乗り南部まで行った。


鉄道の乗り心地は馬車に比べると格段に良かったが、現代の日本で電車に乗っている俺からすると…いや、電車よりは乗り心地良いかもな?満員じゃないし。ガタンゴトンガタンゴトンポッポーと言う音も心地よく、都内の電車と違ってトイレや食堂、寝台もあり、とても快適な旅だった。


会見が終わった後、準備を済ませ夕方には出発したので翌日の昼頃に着いた。


俺達は南部に通じる手前の駅で降りて旅人を装って関所を越え、南部へと入った。多少チェックは厳しかったが普通に入れたし、物々しさもなかった…反乱を起こしている土地とは思えないな。


「ここが南部ですか?」


季節は秋だと言うのに、まるで夏の様な暑さだ



「はい、セントラルの中でも南部やトーチは気候が温暖な事でも知られています」


メグリ王子はそう言って一区切りつけると


「だからオレンジの栽培に向いているのです、他にも南部牛の飼育や海産物等もとれるのでセントラルの食の要とも言えます」


と説明してくれた。


「なるほど…と言うことは美味しいものが沢山と言うわけですね?」


「はい、もちろんです!」


俺達は、市内を周り屋台で何か焼いているのを発見する。


見てみると七輪の上に四角い箱の様な食べ物を乗せて焼いていた。


「メグリさん、これは何ですか?」


今は俺とメグリ王子だけで市内の様子を探ると言う名目で二人だけなので旅人を装っているので王子とは呼ばない。


「ああ、これは箱天と言って南部名産の魚を練り合わせて揚げた天ぷらです、それを焼いて食べるのですが美味しいですよ!」


それでは早速と1つ買って頂く事にした。


箸で掴んで箱天を見ると、四角い面の部分全てに七輪で焼いた焼き目がついている。


時間をかけてひっくり返しながら焼いたと言うことかな。


「あつっ!」


「ハハハ、ケンシンさん焼きたてですから気をつけて下さい」


「でも、美味しい!」


そう、味は蒲鉾に地階だろうか?食感はしゃきしゃきとしている、ゴボウ天に近い。油で揚げているとは言え、その後で焼いているので油もある程度落ちており、脂っこさやしつこさと言うものは無い。


その油と旨味が焼くことにより溶け出して、口の中が美味しさのウォータースライダーやあ!


これなら、何枚でもいける、酒のつまみには合いそうだ。


「それにしても反乱を起こした土地の割には平和だし平常だねえ、親ッさん」


俺は情報収集がてら屋台の親父に話しかけてみた。


「そらそうよ!元々、前の領主のギューオン様は善政を敷いてたしな、息子のギューオン2世様も強く美しく優しいお方だからな!一時期、中央から来てたバカ貴族や役人なんぞ、追い返して皆スッキリしてんだぜ」


反乱と言っても、中央から来た連中は人数も少なく嫌われていたらしい。


ギャクギューは僅かな手勢を率いワージマ城に乗り込むとあっという間に制圧して貴族や役人どもを捕らえて中央に送り返した、その見事な手際から赤い閃光と呼ばれているらしい…


俺達は、その後も二人で市内を観光、いや調査して回った。


非公式に面会を打診していたのだが、赤い閃光ことギャクギューから会うと言う返事が帰ってきたのは俺達が調査を終え宿屋についてから、すぐだった。

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