ギャクギューの乱
セントラルと言う国は北部、中部、南部の3つの地域に分けて呼ばれる。
北側の三角に突き出た半島が北部と呼ばれる地域、島が多く海賊達がいるのも北部だ。造船業が盛んな事でも知られる。
続いて、今俺達が滞在している中部はハイマツと面していて、首都セントラルとゴールド温泉がある文字通り中心部と言って良い。
そしてフロンティア中央山脈とトーチ帝国の国境に面している南部、ここはセントラルの名産で有るオレンジが最も収穫されている。
その南部地方には好戦的な森の民である赤ヤオ族が住んでいた…前王のグリコの時代に赤ヤオ族と和解して、赤ヤオ族の王であるギューオンを知事として任命していた。
しかし、グリコ王が怠惰の影響でおかしくなってしまってから関係が悪化…最終的にはギューオンが暗殺され赤ヤオ族は中部から派遣された兵士により、セントラル中央山脈側に追いやられてしまった。
ギューオンの息子のギャクギューはセントラルの貴族学校に通っていて、次代を担う人材として期待されていた人物でリーブス王達とも親友だったらしい…が、父親の死や赤ヤオ族達の扱いに憤り、南部に戻り赤ヤオ族や地元のギューオン派の人間を率いて反乱を起こした。
と言う事らしい。
「でも、リーブス王とギャクギューは親友なんですよね?それならば、リーブス王が即位した事を知ればギャクギューは大人しく従うんじゃないですか?」
と俺は疑問に思った事を言ってみた。
ふう、とため息をつくリーブス。
「確かに私とギャクギューは同じ森の民とセントラル人とのハーフと言う事もあり親友だった…しかし赤ヤオ族のセントラルに対する不平不満と言うのは、相当な物でね。ギャクギュー本人が良くても、赤ヤオ族全体が、はい、そうですかと素直に言うことを聞いてはくれないのだよ」
「でも、それならリーブス王が直接行けば良いんじゃないですか?」
と思ったので言ってみた。
「私は仮にも王だからね、今この場を離れる訳には行かない…それにギャクギューはメグリとも仲が良かった」
とリーブス王。
「そうなんですか?メグリ王子」
「はい、ギャクギュー殿は親切な方でよく私の面倒を見てくださいました」
何故か顔を少し赤くして下を向くメグリ王子
「と言うか好きだったんだよ…メグリも満更でもなかったのではないかな?」
「なっ、何を言うのですか兄上!ケンシンさんの前で!」
顔を真っ赤にしてプンプンするメグリ王子、ハハハと楽しそうに笑うリーブス王。
ファグリは…うん、ムスッとしてるね、極度のブラコンみたいだから、そりゃそうかもね?弟と仲良くしてる男に嫉妬していたのだろう。
「本当にギャクギューさんとは何も無かったですから」
と俺に向けて釈明するメグリ王子。
「まあ、大丈夫ですよ、全然気にしてませんから」
と返事をしておいた。その後何故か、しばらくの間メグリ王子は機嫌が悪かった…




