ニューハマー港
その後、船ではモンスターにも海賊にも襲われる事なく順調に航海は進んでいった。
沿岸部で火石と呼ばれる火属性の鉱石が取れる事から火石灘と呼ばれる、この海域は穏やかで海が荒れることは少ない。
また国境付近の為に警備も厳しく海賊もほとんど出ないらしい。
前の世界では海賊は居なかったが(現代の日本には)ゲームの世界では、どうだったかな?
依頼用紙にフレーバーテキストで出てきたかな?
ヨウソーロー俺は海賊だ、最近海に巨大な青龍が出て来て困ってるんだ…おちおち略奪も出来ねえ…みたいな?
そもそも海のステージがないゲームだったからな、陸から青龍に弓や銃を打ち込んでたら、何故かたまに陸に上がってきて戦ってくれるみたいな感じだった。
「海賊はいるんですか?」
と俺はメグリ王子に訪ねる。
「ええ、ヴィレッジ水軍と名乗る集団です」
「なるほど…でも軍隊は討伐しないんですか?」
「それが…」
何か言いづらそうだな…と思っていると代わりにリーブスが答えてくれた。
「ハハハ、僕から説明するよ」
「ここだけの話だが政府と繋がっているのさ、フロンティア大陸に大きな戦争は無いが、国同士の小競り合いや領主の反乱みたいな事はある…その時に色々と国に協力(利用)するから、多少は目こぼししているんだ」
なるほど、必要悪って訳か
「リーブス!」
とメグリ王子が何言ってくれてんのと注意する。
「ハハハ、良いじゃないかメグリ、僕たちは今は冒険者なんだからさ!海で働く人間なら誰でも知ってる話さ」
そうは言ってもとメグリ王子は怒っていたが、リーブスが、まあまあと宥めて落ち着いた。
そんな話をしたり、魔力のトレーニングをしたりして2日間の船旅はあっという間に終わった。
俺達はセントラルの首都があるというニューハマーと言う都市の港についた。港は活気づいているが、いくつか工場の様な建物があり、煙突を通して煙が出ていた。
「あれは何ですか?」
「ああ、あれは製錬所ですよ」
「製錬所?」
鉱石を製錬して不純物を取り除いてちゃんとした素材に変えるところだったか?
「ええ、この町の山間部には鉱山がありまして、海の近くに運ばれてから製錬され、そのまま船で輸出するんです」
なるほど…確かにハイマツが中世の街並なら、ここは近代、日本で言うと明治時代ぐらいの感じだろうか?
現代の日本と比べると全然だが、技術的に進んでいる気がする。まあ、最も明治時代を知らないけどな、教科書や歴史物のテレビで見た感じだ。
「それでは、汽車に乗りましょう!」
「汽車?そんな物まであるんですか?」
確か蒸気機関車の事だったよな?この世界でも同じか分からんけど、ゲームにも出てきたな…ただしゲームではポッポッーて音が鳴って画面が切り替わるだけだったけど…
「ええ、鉱石を運ぶために使っていますが、城の近くまで通っています」
とドヤ顔で言うメグリ王子、城は少し離れた所に小高い山の上に立っていた視力の高い現在の体なら目視出来る…10キロ離れてないんじゃないだろうか?
「メグリ、ケンシンさんに自慢したいのは分かるが汽車だと目立つ、役所によってから馬車を用意させます」
とリーブスが言うとメグリ王子は落ち込んでいた。
まあ、自慢したくなる気持ちは分かるけどね…現代の日本から来たので技術的には全く驚かないが、電車しか乗った事のない俺からすると、ノスタルジックで逆に興味を引かれる。
では、と言ってリーブスとファグリ王子は港にある三階建ての立派な建物へと向かう、税関とかそういう所かな?
船を降りて、そのまま町に入れる訳ではなく役人がいるゲートがあり、そこでチェックを受けてから町に入れるみたいだな、ゲートの横にある建物だから恐らくはそうなんだろう。
しばらくすると、偉い人が出て来て色々と挨拶をされ事務所に通されて、菓子やら茶が出て来た。
菓子はタルトと言う菓子だったか?俺の知ってるタルトとは違ってロールケーキみたいな見た目だったが…味もロールケーキだった、中にオレンジソースが入っていて甘酸っぱくて美味しかった。
その後、馬車を用意された俺達は、そのまま城へと向かう事になった。




