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ギルモの決断

「あらん?どうしたのかしらん?」


女装?した格好で出てくるスミス…


「実は…」と言った瞬間にスミスの表情が変わる


「ギルモちゃん、後ろにいる御兄さん達と何か食べてきて」


も言ってスミスはギルモに、お小遣いを渡していた。


「え、ええ、わかりました」代表してメグリ王子が答えて部屋を出ようとする。


「ちょっと待ってくれ!」


俺はメグリ王子を呼び止める。


「何ですか?」


「例の話はまだしないでくれるかな…今からスミスに話す事だけで、いっぱいいっぱいになると思うから…」


そう、ギルモもカインやアベルとは他人では無い…その二人が亡くなった事を聞かされた後に親の敵の話をされるとショックが大きくなるかも知れない。


メグリ王子は少し迷っていたが黙って頷いた。


罪悪感が有るから早めに謝りたかったのかも知れないな。


「わかりました、メグリ行きましょう」


と言ってリーブスがメグリ王子の腰に手を回し連れ出す。因みにメグリ王子達は町の中では冒険者を装っているため全員がタメ口で話している。


スミスは、メグリ王子達が扉を開けて外に出たのを確認すると、店の扉にcloseの札を張り鍵をしめた。


「カインとアベルに何か有ったの?」


俺はスミスに全てを話した…


スミスも最初は、冗談だろ?嘘だ信じないぞと言って取り合わなかったが、俺がアイテムボックスから遺体を取り出して布を敷き床に寝かせると、男言葉に戻り号泣して二人の遺体を抱き締めた…


俺は、掛ける言葉が見つからずに、ただ黙って見ているしかなかった…どれくらい、そうしていただろう?30分、1時間、もっとかも知れない。


家族だけにした方が良いと考えた俺は扉を開けて出ていく、そして去り際に


「必ず敵は討つ」とだけ告げた…出ていく時に後ろから大男のスミスからとは思えない小さな声で「ありがとよ」と聞こえた気がした。


鍛治屋を出ると外にはギルモ達が立っていた、喫茶店か何処かで話をしていたが、ギルモがスミスを心配して戻って来たらしい。


しかし、部屋でスミスが号泣しているのが聞こえて入るに入れず扉の前で待っていたらしい。


「ギルモ、カインとアベルの事は聞いたのか?」


「うん…」


力なく頷くギルモ、頬には涙の跡が見える。


「こんな時に何だが、これからどうする?俺達はセントラルに行くんだが、お前もついてくるか?」


そう、ギルモには女神様との約束で俺と一緒に旅をする事になっている。


「僕は…僕はここに残るよ」


と笑顔で答えるギルモ。


「でも、それじゃ、お前のお母さんは…」


そう、ギルモの母親を生き返らせる為にはギルモを旅に同行させる事が条件になっていた。


「分かってるよ…でも、スミスさんを1人には出来ない、短い間だったけどスミスさんは僕を本当の子供の様に接してくれたんだ!」


と言った後に俺の目を見て


「僕もお母さんが死んだとき1人だったらと思うと、どうなってたか分からないもん!ケンシンが傍にいてくれたから生きて行こうって思えたんだ!」


「ギルモ…」


「だから、今度は僕の番だよ!僕がスミスさんの傍にいてあげなくちゃ!」


と言って鍛治屋の扉を開けてギルモが入っていった。

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