110-合言葉
ライミが座り込んだまま目を閉じて15分ほど経った。
「大丈夫でしょうか⁈」
そう言いながら心配そうにライミを見つめ、彼女に近づく虫を追い払うリコ。
その時、
「あーしなら大丈夫ですよ~」
リコに返事をしながら目を開けるライミ。
イチがすぐに声をかける。
「ライミ、どうだった⁈」
「ふっふっふ~♪」
ライミは不敵に笑うと右手の親指と中指を上げて『ぱちん』と指を鳴らした。
すると、
ずずずずずずずずずず
地面から工場の扉みたいな大きなシャッターがせり上がってきた!
思わず声が出るイチ。
「扉が出た!って事は合言葉、わかったの⁈何だったの⁈」
「その前に……イチさん、『大貨物船』の船長室入ったんですよね⁈中、ちゃんと調べましたか~⁈」
探し物する時はちゃんと隅々まで見なきゃだめですよ⁈と言わんばかりのライミのドヤ顔。ちょっとイラっとしながらもどこか懐かしさを感じて苦笑いするイチ。
「(なんかこのドヤ顔、姉ちゃんを思い出すな……年下なのに)」
そう思いながらも思わず声が出る。
「船長室⁈」
船長室って『大貨物船』の入り口から入って廊下を進んだ先の所だよな⁈指摘されて思い返す。
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船長室の扉を開けて入ると、見た事もない世界の地図が壁に貼ってあり、本棚と大きな机があった。そして机の上には色のついた箱が七つ置いてあった。
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「うん、調べた気がする。机の引き出しとか。あの中に合言葉のメモでもあったの⁈」
「メモじゃなくて本です。あーし、最初は、あの部屋にあった地図とか本棚とか調べていたんですけどね、よく見たら本棚の本の一冊は辞書だったんです」
「え⁈そうだったの⁈」
あの中の本はパラパラと見たかもしれない。でも文字ばっかりの本を見て『こんなの一々調べてられないよ!』とスルーしたような気がする。ってちょっと待って⁈
思わずライミに聞き返してしまう。
「まさか、あの辞書の中の文字、一つ一つ入力したの⁈」
「そんな効率の悪い事するわけないじゃないですか~♪」
またドヤ顔するライミ。うわー!本当に姉ちゃんに似てる!このクソガキャ~!
イチの反応を見て嬉しそうな顔をしながら解説するライミ。
「その辞書、ジルコンさんの世界の言葉の辞書だったんですよ。そこで『マムリ愛してる』をジルコンさんの世界の言葉に直したらビンゴでした!」
「え?そうだったの⁈」
「あーしたち、この世界に来てから言葉が皆通じるから忘れがちだったんですけどね。藍色の箱は元の世界の言葉や発音じゃないとダメだったみたいです」
「そういう事か!じゃあ!」
「はい!じゃあ開けますね!」
そう言うとライミさんは正しい合言葉を唱えた。
「ラー・レールーラ・マムリ!」
ガガガガガガガガガガガガ
電動シャッターのような音を立てて扉が開いた!シャッターが開きかけてる時に脚の様な物が見えてテンションが上がる!開いた後に大喜びで覗き込むと、大量の土人形が見えた!
またもドヤ顔のライミ。
「戦士タイプ土人形、ざっと2000体はあるみたいです!あーし、偉い!」
うおおおおおおお!
思わず歓声が上がった!




