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No.30 誘拐

今回は、七海さんが攫われた、その全容です!

 私が、格納庫に、整備士さん達のお弁当を持って行こうとした時だった。


 ちょうど、其処にはミュエルさんとアニーちゃんがいた。


「あ、ナナミだ」

「ナナミさん、どうされたんですか?」


 二人に、呼び止められて私は、


「格納庫の整備士さん達に料理長に頼まれてお弁当を届けようと」


 そういうと、二人は納得したのか、


「そういえば、もうお昼だしねぇ…」

「私も、格納庫に用があるので、今から行こうとしていたんですよ」

「そうだったんですね…」


 三人で話をしていて、ミュエルさんも私と同じで格納庫に行くみたいだったので、一緒に行く事になった。そして、アニーちゃんも、行きたいと行ったので、私達と一緒に歩いた。


「そういえば、レヴィアタンに船長達が行ってから、大分経つねぇ」

「そうだね…大丈夫かな?」


 レイクスさん達は、確かにレヴィアタンの中に潜入してから随分経っていた。


ー…大丈夫かな、レイクスさん、ヘルドさん、クリスさん…ー


 心配していたのを分かったのか、ミュエルさんが優しく笑った。


「大丈夫ですよ、ナナミさん…多分、思ったより広かったから予想より遅いんでしょうね第一、うちの船長はあれでも私達よりも強いから、簡単に何かあるわけありませんから」


 その言葉に、ミュエルさんの信頼を見た気がして、私は、心が温かくなるようだった。 


ー…本当に、レイクスさんは皆から信頼されてるんだなぁ…ー


 レイクスさんは、私で遊んだりからかったり、ちょっかいを掛けたりするけれど、でも、それもギリギリのラインを保ってくれている。


 それに、何かあれば必ず皆を守ってくれたり、導いたりして…私が泣いていたら、気に掛けてくれる、優しい人。


 強くて優しくて…時々、怖いけれどそれでもとても強くて、素敵な人。


ー…きっと、本来なら私の時代にいたら、手の届かない人なんだろうな…ー


 そう思うと、胸が少し跳ねた。


 そして、その事に首を傾げた。


ー…あれ…なんで、レイクスさんの事を思ったら、胸が少しはねたの?…ー


 この感覚は、分かるけれど…とりあえず、今は見てみぬ降りをした。


「ナナミ?どしたの?お腹空いた?」

「お腹は空いたけど、お弁当を届けたら食堂に行くよ」

「じゃあ、一緒にご飯食べに行こうよ!私もまだなんだ!」


 アニーちゃんが話を降ってくれたおかげで、私は先程のことを保留に出来た。そして、お昼を食べる約束をしたのだった。


 ミュエルさんを見れば、何だか微笑ましく見られているようで、いたたまれない気持ちになった…。


 格納庫の自動ドアに近付くと、ミュエルさんが私の前に来てくれた。


「ミュエルさん?」


 いきなり、どうしたんだろうと思って見れば先程の優しげな顔ではなく、厳しい顔付きになった。まるで、何かの異変を感じ取った、そんな感じだ。


「……ナナミさん、アニー…私の前からは出ないで下さい。良いですね?」


 ミュエルさんの厳しい声に私は疑問に思いながらも、従った。そして、格納庫を開ければ…



 そこには、忙しく働きながら、声を掛け合う整備士さん達が、全員…倒れていた。


 私は、何が起こったのか分からなかった。そして、次に目に入ったのは、


「ぐあっ……!」


 苦しそうな、サンダさんの声が聞こえて、振り返れば


 何処かで見た、スーツ姿の男性がサンダさんを投げ飛ばしてサンダさんはその場で動かなくなった。


「サンダさん!?」


 たまらず、駆け寄ろうとしたけれど、ミュエルさんに腕を捕まれてしまう。


「下がって、ナナミさん!!」


 ミュエルさんが、スーツ姿の男性と私達を守るように、対峙した。……ミュエルさんは、自分の懐からナイフを取り出した。


 アニーちゃんも、私を守るために小さい銃を取り出す。


「ナナミさん、アニー、口を塞いで…これは、ガスですね…」


 そう言って、自分の手を口に当てて、私も同じく口に手を当てた。


「ガス…?もしかして…」 


「ただの催眠ガスだ…無臭に限りなく近いのだが…よく分かったな?」


 男性は、そう言って私達を見た。彼は、ガスマスクを被っている。


「…これでも、鼻は利く方なんですよ…」

「なるほどな…」


 つまり、整備士さん達はガスのせいでただ眠っているだけ…サンダさんもガスを吸ったから、マトモに動けなくなったんだろう…


 命に別状が無いことに、少し安心して、私達は更に彼を警戒する。彼が、事を起こした張本人だ。


「さて、狙いは?悪いですが、人は出払っていますよ…」

「何、直ぐに済ませるさ…狙いは…其処にいるからな」


 そう言って、ミュエルさんの間合いを積めてきた。ミュエルさんは、ナイフで応戦するけれど、口を押さえながらの片手の戦闘は、ミュエルさんの方が不利、そして、私達を庇っての戦闘だから、余計に戦えない。


「ナナミ!ここを離れよう!」


 アニーちゃんの言葉に、頷くことに躊躇いがある。だけど、ミュエルさんの事を考えれば、私達がいない方が、良い。


 私は、迷って眼をキツく閉じて開けて、


「分かった…ミュエルさん、どうか…ご無事で!!」


 私は、そう言ってアニーちゃんの手に引っ張られながらも走り出した。


 ミュエルさんの事は、心配だけど…今は、彼のために出来ることは、私達がそこを離れて逃げることだ!


 そして、アニーちゃんと一緒に私はヴァッカニアの中を走る。


 そして、アニーちゃんの部屋の…その隣の部屋に私達は隠れた。


「此処にいれば、多分大丈夫だと思う…」

「ありがとう、アニーちゃん…」


 アニーちゃんの隣の部屋は、サンダさんの部屋だった。サンダさんの、クローゼットの中に入り、お互いに身を隠した。



 暫くして、息を潜めていた私達は、無言の時間を過ごした。


 どれくらい、経ったのだろう?私が少し身動きをとったとき…


 サンダさんの部屋の扉から、ミュエルさんではなく、あのスーツ姿の男性がいた。


 嘘っ…ミュエルさんは?ミュエルさんは、どうしたの?


 最悪な事態を考え、私は彼の移行を見守った。


「やれやれ…部屋を虱潰しに探すのは、手間が掛かるな…もっとも…」


 そう言って、サンダさんの私物を、クローゼットに向かって投げた。


 余りのことに、驚いているとアニーちゃんが銃を隠すように、出ようとしていた。


「ナナミ、お願いだから此処にいて」

「アニーちゃん!?」

「大丈夫だと思ったら、隙を見て逃げてね…それで、船長達に連絡して…さっき、通信機で連絡しようとしたけど…あの、催眠ガス、一時的な電波妨害も出来るみたい…だから、格納庫に行って、そのままミュエルのもう一つの通信機で連絡してね…もう一つは特別製だから、多分大丈夫だよ」


 そう言って、彼女は男性の前に現れた。私は、クローゼットに隠れたままだった…


 そして、アニーちゃんは対峙した。


「さて、もう一人はどうした?」

「……」

「だんまりか……まぁ、良い…」


 男性は、そう言うとアニーちゃんと戦った。アニーちゃんは、器用に銃を使いながら、攻撃するけれど彼は、それをかわしながら片手のナイフで斬りかかる。


 アニーちゃんの方が、押され気味だった。男性は、多分…それこそ、レイクスさん位に強いのだろうと思う。そして、暫く眺めていたら…


 アニーちゃんの動きが、少しずつ遅くなっているようだった。そして、膝をついだ


「……!?」

「悪いが、予備の催眠ガスも君達の艦内に流した」


 アニーちゃんの動きが、いきなり鈍ったのは、そのせいだった。 


 私は、慌てながら口を押さえたけど……


「うあっ!!」


 アニーちゃんの悲鳴を聞けば、男性に首を高く掲げ、顔は、苦しげに歪められていた。


 私は、その光景が見ていられなくて、飛び出した。


「やめて!アニーちゃんを離して!!」


「ナナミ…!逃げ…て!」


 アニーちゃんで提案には、私は頷けなかった。だってそんな事をすれば、アニーちゃんが……!


「お前が、ナナミだな?俺と共に来い。」

「ナナ…ミ!駄目だよ…言うことをっ…聞かない…で!」

「アニーちゃん!」


 次第に首を絞める力が強くなっているのか、アニーちゃんの顔は、一層苦しげに歪められた…。


 私は、守ってくれた人の事を思えば、このまま逃げることが一番だと頭の中では、思っている。それが、一番良い事だとしても…


 ランシスさん達も、多分催眠ガスで動けないことは分かった。


 誰も、助けが来ない。レイクスさん達も連絡が着かないから、来れないことは分かっている。


 だから、今のうちに連絡をいれるために、動くべきだと思う…だけど、


 目の前では、私がこの時代で初めての同性の女の子で、


 私のことを、ナナミと呼ぶ可愛い声と、明るくて楽しそうな表情…そして、林檎のような赤い髪に可愛い白いリボンを揺らしている、


 妹のような、そして、大切な友達を置いていくことは、私は嫌だった。


 だから、私は守ってくれた二人に心から、謝り、


「分かりました…行きます。でも、その前にアニーちゃんを離して下さい…じゃないと…」


 アニーちゃんが先程の戦闘で落とした銃を自分の頭に当てた。


「ナナミ?!ダメだよ!逃げて!!」


 悲痛な声が胸に響いて、痛みが走る。でも、私も引けないから…


「この場で、私は頭の銃を撃ちます…さぁ、私が狙いなら、その子を離して!!」


 男性に向けて言えば、男性は、アニーちゃんから手を離した。その、掲げた状態で降ろされたアニーちゃんは、立つことも出来ないで、その場で倒れるように崩れた。


「アニーちゃん!」


 慌てて駆け寄れば、息はあるみたいで、気絶しているだけのようだった。その、様子に安心した私は、


「…では、約束通り……」


 彼によって頭に衝撃を受けて、手に持っていた銃を落とした。


「連れて行くぞ…ナナミ…」


 私は、気を失う間際に、



 レイクスさん、皆を、助けて下さい。


 そう思って、意識を手放した……。





というわけで、こう言うことがあったので、七海さんは攫われました。

とりあえず、今回は、レイクスとは別行動だった故に、レイクスは助けに来れず…(´・ω・`)

攫われた、七海さんの行方は?


それでは

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