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No.28 スマートフォン

今回は、タイトル通りです

 私達は、レヴィアタンの内部に入った。


 レヴィアタンは、なんと私達ヴァッカニアの戦艦も入れるぐらいの大きさだった。それでも、まだ後もう一つくらいの戦艦が入れそうなくらい、それくらい大きな戦艦だった。


 もう、此処まで大きいのなら…戦艦じゃなくて一つの大きな…例えるなら、街ぐらいの大きさじゃないかなと思った。


 レヴィアタンの中を調べるのは、レイクスさん、ヘルドさん、そして…クリスさんだった。


 後は他の人もそれぞれ何人かが調べるために中に入って行く事が決まった。



 私やアニーちゃん、ミュエルさんと万が一の事を考えてサンダさんと他数名はヴァッカニアに残ることになった。


 ミュエルさんは副官だからでアニーちゃんは連絡係として、他の方とサンダさんは敵が来たときのための防衛とヴァッカニアを守るために。私は、今回は何があるのか分からないのでお留守番をする事に。



ー…分かっていたけれど、私って本当に何にも役に立たないなぁ…ー



 自分の非力さに、再確認して少し、落ち込んだ。



「それじゃあ、俺達は内部に行ってくるから、ミュエル、留守を頼んだ」

「えぇ、何か良いものがあったら必ず知らせて下さい」

「取りあえず、何事もないと良いな。」

「変なこと言わないで下さい。本当になりますよ」



 レイクスさん達はそんなやりとりをした後、私を見て



「ナナミ、行ってくる…ちゃんと戻ってくるから安心して待ってろよ」



 そう言って、皆さんは、内部の更に奥の方へ入って行った。


「…さて、では私達は船長達の帰りを待つとしましょうか」

「ナナミ、そろそろ行こうか!」


 ミュエルさんとアニーちゃんに言われて私は、ヴァッカニアの中でいつも通り変わらずに仕事を始めた。



 そして、一通り終わり、いつも通りに少しだけ、休んだ。


 何となく、取り出したのは彼から貰った、リングと……スマートフォンだった。



 この二つは、いつも私は持ち歩いてしまう。特にスマートフォンに関しては使えないことは分かっているのについついポケットの中に入れてしまう。


ー…まぁ、仕方ないよね…私達時代の、習慣のようなものだし…ー


 苦笑しながら、スマートフォンのボタンを押して画面を見る。



 相変わらず圏外を示す小さな表示に、美月ちゃんとお揃いの待ち受け画面。


 緑色のLINEのアプリを起動して、一番最後の既読メッセージを見た。


ー…七海、今度、話を聞くからその時にまた、空いてたら連絡ちょうだい…ー


 私は、そのメッセージにありがとうと送った後に…此処に…この時代に、来たんだよね。



 私は、暫く美月ちゃんからのメッセージを遡って読んだ。


 中には、いつも通りに仕事に行きたくないとか、いつ遊べるのかとか……後は、湊君の事や美月ちゃんの恋人の光太さんの事の話を読んだ。


ー…そろそろ、仕事しないと…ー


 休憩は充分に済んだので、腰を上げて仕事を再開しようとしたら……



 スマートフォンから、軽快な音楽が流れた……


 私は、仕舞うために持っていたスマートフォンを見ると、電話が鳴っていた。



ー…圏外だから、繋がらない筈なのに…どうして…ー



 電話は、私が取り出すまで鳴り響いた。意を決して、画面を見ると……そこに、出ていた名前は、



ー…美月ちゃ…ん?…ー




 美月ちゃんからの、電話だった。


 私は、理解が追いつかず、だけど何とか着信のボタンを押した。すると、


『…七海?え……嘘っ!?繋がった?!』


 久し振りの、美月ちゃんの声に私は、やっとの思いで出せた声で言った……


「……美月ちゃん?」


 私の、親友で、誰よりもあの時代で会いたい大切な人の声が電話越しで聞こえた。


『七海!!あんた、今どこにいるの?!早まった事してないわよね!?』


 怒ったような、だけど…その中に心配を含んだ声に、私は涙を流した。


「……美……月ちゃ……ん」


 久し振りに聞いた、美月ちゃんの声に、私は涙が止まらなかった。


『…取りあえず、早まった事はしてないのよね……それなら、良いけれど…』


「美月ちゃん、早まった事って?」


『…あんたが、失恋のショックで行方を眩ませたから、万が一の事があると思ったのよ…でも、安心したわ…その様子じゃ、考えもしなかったみたいね……本当に、良かった…』


 美月ちゃんは、相当心配をしてくれたようで、少しだけ、泣きそうな声で言った。


『ねぇ、七海…あんた、今どこにいるの?』 


 その問いに、私は答えられなくて考えた。


「えっと……」


『まさか、誘拐されたの?』


「ちっ違うよ!?そんな事ないよ…ただ、知らない場所に気が付いたらいて、助けてくれた人がいたの…その人が行くところがないなら此処にいれば良いって言ってくれて、だから、大丈夫」


 なんとか、伝えたい事を伝えたけれど……


『いろいろツッコミたいけれど、何もないなら…良かった…』


 美月ちゃんの呆れたこの声に、懐かしさを覚えて笑った。


 私が、何かやらかしたら美月ちゃんは、呆れながらも助けでくれた…。しょうがないなって…


 美月ちゃんは、美人で面倒見が良くて…だけどとても優しい、大切な親友。


 私は、そんな彼女が大好きだ。


「あのね、美月ちゃん…私、大丈夫だから…だから、ありがとう」


『七海、あんた、本当に今どこに………』


 美月ちゃんとの会話は、途中で途切れてしまった。私は、もう一度掛け直してみたけれど、繋がらない…そして、スマートフォンを見ると、圏外のままになった……



 何故、あの時、美月ちゃんに…今いる時代から離れた時代に電話が掛かってきたのか、謎が深まるばかりだけど、私は、美月ちゃんと話せたことが何よりも、安心していた。



 もう、 電話が掛からなくなったスマートフォンをポケットに入れて、私はその場から動いたのだった……。




    

七海と美月の、不思議な奇跡的な電話の話。

書きたくて仕方なかったシーンだったので、掛けて良かったです!

七海と美月は、お互いが友情的な意味で大切なんです。しかし、何故繋がったのかは謎のまま。

それでは!

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