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No.25 悲しげな顔

今回は、レイクス視点!そして、前回同様、糖度が高め?

 格納庫で自分のリュストゥングの様子を見た後、廊下を歩いていると、そこには、壁に寄り掛かって眼を閉じていたナナミがいた。


 初めは、具合が悪いのかと思ったがどうやらこの艦内に僅かに響く、ダストの残骸の音に耳を傾けていただけだったようだ。


 俺達からしたら、此処にくることがよくあるため別段珍しい訳ではないが、ナミは初めなのかこの音を気に入っていた。


 その、気に入った理由はどうやらナナミの母親から貰ったオルゴール付きの宝石箱の音が似ていたと嬉しそうに、だけど何処か懐かしそうな顔で俺に話した。


 ナナミは、大人しいが別に人見知りをするような性格じゃないのか、慣れればこうして世間話などしてくれる。


 俺に微笑みながら話すナナミは話し終わると、少しだけ寂しげに微笑んでいた…。


 多分、自分の過去を思い出していたんだろうと暫く…ナナミを見ていると……



…不意に、時々見せるあの…今にも痛みに耐えるような…泣き出しそうな顔をしていた…




 そして、それを隠すためか俯いた…



 初めの頃から、そして火星の時…それ以外にもこうした顔を見たことが何度かあった。


 俺は、何故かナナミの今の姿を見て、胸がざわめいて………彼女を、自分の腕の中に引き寄せた。


 ナナミは、驚いた様子だったが、俺はその前に質問をした。


 その質問に、予想以上に反応を示したが構わずに、また、質問をした。


 ナナミは、ようやく口を開いて答えようとするが……声が、それ以上出て来ないのか…どう答えたら良いのか分からないようだ…。 


 そして、再度出た言葉は……謝罪だった…。


 ナナミは、謝罪の理由を涙を乗せた声でゆっくりと紡ぐ。俺は、少しだけ強めに抱き締めると、ナナミに自分が言いたくなったら言えばいいと言い聞かせると…

 

 俺の服を強く握りしめて、肩を振るわせて泣いていた。泣き顔を見せたくないのか必死に掴む姿を見て安心させるように、ゆっくりと優しく頭を撫でた。


 ナナミは、此処にくる前にきっと何か…それこそ、とても辛いことがあったんだろう。あの、辛そうな顔を隠せないくらい…。


 今の俺にできるのは、こうして抱き締めてやる事だけだ…それが分かると…何故かもどかしく感じた…。


 ナナミと一緒にいるようになってから自然と前よりも楽しく感じるようになった。


 からかって触れば驚いて声を上げる様子が面白いと感じた。


 知らないことを聞いて、教えると本当は好奇心が強いのか無意識に知りたがるのを見て、楽しいと思った。


 仕事をしているときは一生懸命やっている合間に俺や俺の仲間達に挨拶やお礼を言われると少しはにかみながら答える彼女には心から癒された。


 だけど、今日のような表情は……俺は、苦手のようだ。


 そんな、顔をするくらいなら話せばいいとか、思いっきり泣けば良いと思うが、決まって泣くのは無意識に眠った後だった。翌日には何事もなかったかのような顔で笑う。


 多分、俺はナナミにそれ以上踏み込むことは今の段階では無理なのは分かっている。だからこそ、この現状にはどうしようもなく…もどかしさがあるんだと思う。


 だけど、いつかは…ナナミが全てを話してくれる日が来ることを、俺は待つことにした…。



 暫くして、ナナミが泣き止んだのか、顔を上げた。俺も気付いて様子を見ようと離れると…


 涙で、濡れた目と少しすっきりした顔で恥ずかしながら笑う、彼女に指で涙を払って、反射的に片目を閉じた彼女の瞼に……



 そうするのが当然のように、自然と口付けた……。


 

今回は、前回のレイクス視点側を書きました。そして、進展しましたが……うん、ラスト遂にやらかしました。とにかく、少し進ませました。それでは。

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