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No.20 その後の話

今回、前半がナナミ視点、後半がレイクス視点です。後半、少し甘いです

 そして、ヘルドさん…燈色のリュストゥングは刺したナイフを抜いた後、その目の前にいるリュストゥングを後ろに退けた…。


「…マジかよ…」

「コイツの仲間……?」

「……嘘だろ…」


 彼等は、再び絶望したような声で言った。それにはお頭と呼ばれた人も流石に狼狽えたが、


「ま…まだだ……こっちには、後二体ある…負けるわけねーよ!!」


 その言葉と同時に、残りの二体がヘルドさんの方に向かう…しかし、それは叶わない。


 一機を、ナイフで受け止めて、残りの一機を持っていた銃で、しかも的確に狙ったから…そして、撃たれた一機はそのまま膝から崩れ落ちた。


「…あの、リュストゥングの名前はドラクート…アイツの愛機だ…」


 私の側に、いつの間にかレイクスさんが来ていた。


 そして、残り最後のリュストゥングに、ドラクートがナイフと銃で華麗に捌く…相手も、ナイフで仕留めようとするけれど、それより速く、受け止められた。そして、



…ドラクートが、相手のナイフを同じくナイフで受け止めて、銃がコクピットを貫いた…


「…ま、ヘルドにしてみたら、敵じゃないな…」


 そう言って、倒れたリュストゥングの風圧から、守るようにレイクスさんが私を引き寄せてコートで防いでくれた。


「…ぜ…全滅かよ……」

「ひぃ……」


 彼等は、既に戦う力が無いことを悟っていたけどやっぱり、お頭と言われた彼は、隠し持っていた銃をレイクスさんに向けた……


「…てめぇが、コイツ等の頭だな!?」

「そうだと言ったら?」


 そして、勝ち誇ったように笑い、


「なら、てめぇを撃てば、こっちの勝ちだ!!」


 銃をレイクスさんに向けて撃とうとした。私は、咄嗟に庇おうと動こうとしたけれど、その前に……



 一発の銃声が、鳴り響いた……



「はい、其処までですよ?…うちの、船長に手をだそうだなんて、しかもそれごとき器で勝てるとか……面白すぎて、逆に笑えません…」


 サンダさんとアニーちゃんを呼びに行っていた筈のクリスさんが、銃を構えた彼に向かって私達よりも離れた場所で両手を構えた状態で、相手の頭を撃ち抜いた……相手は、頭から血を流してそのまま、後ろに倒れた……。


「…船長、すみません…遅れました。」

「…二人は?」

「…残りの連中を、サンダがやりました。」

「…ご苦労様。」


 そう言って、レイクスさんを庇うために出てきた私を見て、にっこりと笑うと


「あぁ…ナナミさん、ご無事で何よりです。」

「……あの、ありがとう、ございました……」


 戸惑って、思わずお礼を言うと、クリスさんは私に笑いかけた。そして、


「…さて、頭は死んだ…後は、コイツ等をどうするかだな……」


 レイクスさんはそう言うと、残った人を見た。その視線に、彼等は言葉に出ないのか、腰を抜かしたまま、既に言葉が出せない様子でへたり込んだ……。


 その後、私達は二人に合流すると、アニーちゃんが私を抱き締めた。


「ナナミ!大丈夫だった!?怪我してない?!」

「大丈夫だよ……ありがとう、アニーちゃん…」


 そして、良かったと言って私に再び抱きついた。…サンダさんは、レイクスさんに報告をしていた……。クリスさんが来れたのは、サンダさんから既に連絡を受けて、引き返したからとのことだった。そして、私に気付いたサンダさんが此方に来てくれた。


「ナナミ、船長から聞いたぞ…大丈夫か?」

「はい、ありがとうございます…」 

「そっか、良かった…」


 そして、私の頭を一回撫でると、クリスさんの所に行った…。あの後、会場を襲った彼等はどうなったのか分からない……只、捕まった事だけは知っている。……レイクスさん達からは、やった事がかなり問題になり、中には怪我人も出たらしい。死者は、彼等だけだとの事だった。


 そして、私達は会場の人達からお礼を言われたり、今回の彼等の事について知ったりした。


 彼等は、この、火星でかなりの厄介者で、見境無く襲うとのことで、だけど、流石に傭兵や裏家業の方々が出る今回のオークションを襲うとは思わなかったらしい。


 だけど、それが予想に反して襲った為に完全に油断していたと司会者さんが、悔しそうに言っていた。…元々、此処のオークションは、場所を年々移動するため、情報が不足していたと後悔していた……。


 私達は、ドラクートの手のひらに乗せて貰って、ヴァッカニアに戻っている最中だった。そして、ヴァッカニアにたどり着くと皆安堵の表情をしながら、それぞれ、眠りに着きに自室に戻ろうとしていた。私も、色んな事があって疲れてしまった…。


ー…とにかく、お風呂に入って…それから寝よう……ー


 アニーちゃんと一緒に何とかお風呂に入って、着替えて船長室に着くと、レイクスさんがソファに腰を掛けていた。私は、


「……レイクスさん?」

「…ナナミか……」

「どうしたんですか?」

「…いや、何でもない……只、考え事をしていただけだ……なぁ、ナナミ…」


 レイクスさんは、私に話を掛けた。


「…お前は、今回のことは大丈夫だったのか?」


 その言葉に、私は………


「…正直、今までこんな事は無かったし、怖かったです……ですけど、これから、今回みたいの事が……それよりも、大変なことがあるかもしれないんですよね…」

「そうだな…」

「なら、私は今はまだ馴れないけれど、これから慣れます…」

「………」


 レイクスさんの言葉に、私は返事を返した。


ー…だって、私は此処に来てから既に心に決めていた。…あの時、助けられて、選択をさせて貰って、ヴァッカニアにやっぱりいたいと思った時から……ー


 私は、レイクスさんに向かって、笑いかけて、


「だから、大丈夫です…心配してくれて、ありがとうございます…」



 レイクスさんは、目を見開いて私を見ると、固く目を瞑って、微笑んだ……そして、たった一言だけ、そうか、と言って、


「…お休み、ナナミ……」

「…お休みなさい、レイクスさん……」


 そう言って、私は船長室の寝室にお邪魔して、ぐっすりと眠った………。



………………………………………………………………………………………………


 「参ったな……」


 俺は今ナナミと話をして、ナナミの返事を聞いた。アイツは、俺が思っているより、かなり覚悟をして此処にいることを決めていたようだった……。その事を嬉しいと思う。


「だけど、やっぱり怖かったよな…仕方ないか…初めて、本当の死を見たんだからな…」


 誰だって、目の前で人が殺されれば、恐怖を覚える。俺もそうだった……他の連中もそうだと思う…だけど、それも時が過ぎれば自然と馴れる。俺は、ナナミが、震えて怯えているのをあの時も、今日の時も見てきた…だけど、最終的には、ナナミは、ヴァッカニアにいることに自分の意志で決めた……今までと違う生活であるのは、見ても分かる。だからこそ、アイツは気付いてないかもしれないが……


「……アイツは、自分が本当は強いことをまだ、知らないんだろうな…」


 そう、呟いて扉を開ける……中には、静かに寝息をたてているナナミに近付いて、右手首をそっと手のひらに起こさないように包んで、顔を近付けた。


ー…やっぱり、手首に包帯があるな……ー


 その、手首に巻かれた包帯を見つめた……。


 これは、俺が応戦しているときにナナミが敵に思い切り付けられた跡だ。……ナナミの腕が、赤く腫れるくらい握られた場所をランシスが、治療をした。…只の腫れらしく、二日もすれば治るらしい。


「…………お疲れ様……」



 そうして、俺はナナミの包帯の巻かれた腕にそっと口を付けて、頭を撫でて……そのまま、ナナミの隣で眠りに落ちた………

  

と言うわけで、こんな感じになりました。 

いやー…レイクス視点難しい…キャラが崩れてないと良いんですが……しかし、眠っているところにキス……(だがしかし手首だ)やってみたかったんです……(*・ω・)


それでは

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