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No.14 初めての星

今回、火星に降り立ちました。

 そして、私達は火星に着いた。

「……此処が、火星なんだ……」


 街並みは、建物が何年も使われていないものや、未だに使われ続けているものなど様々だった。


 私達が立っている場所は、今から300年前にテラフォーミングされ、火星の中ではあまり目立たない場所だった。昔は、かなり賑わいがあったそうだけれど、例の戦争で廃れてしまい今は人がそんなに多く住んでいない…。


「…此処に来るのも大分久しぶりになるな…さて、まだ始まるまでに時間があるな…各自、自由にしていいぞ。」


 レイクスさんがそういうと、皆散り散りにどこかに出掛けていった…。一応、ヴァッカニアには待機をしている人がいるとのことで、今回はサンダさんとミュエルさんがヴァッカニアに残るとの事だった。そして…私は、


「ナナミ、行くぞ」

「ナナミー!!早く!早くー!!」

「あ、今行きます!」


 レイクスさんとアニーちゃんと一緒に、出掛けることになった。


 そして、今回何故火星に行くのかと言うと少し時間を遡る。それは、食事を終えて食器を洗うのを手伝っているときだった。ちょうど、食堂に飲み物を取りに来たクリスさんが、こう言ったのだ。


「今回、火星に行くのは補給は勿論、それ以上に最大のイベントがあるからなんです!!」


 そういった、クリスさんは目を輝かせて言った。


「最大の…イベント、ですか…?」

「はい!!実は、この時期火星で、オークションがあるからなんです!!」


 …オークションって言うと、一般的には一人の人が、ある品物を出して、それを欲しい人がどれだけの値段で買うのかを競う催し物だったよね?あんまり、詳しくは知らないけれど…


「そして、そのオークションには掘り出し物が偶にあるんですよ!楽しみだなぁ…」

「…クリスさんは欲しい物があるんですか?」

「それは、オークション次第ですかね…ですが、見つかったら嬉しいですね。」


 私が、この一ヶ月ヴァッカニアにいてクリスさんはどうやら機械を弄ったり、手入れをしたりするのが好きらしい。本人がそれを目にすると目をキラキラしているのを何度も格納庫で手伝いに来たときに見たことがある。…リュストゥングに対しても、本当に楽しそうな様子で修理していたのを思い出した。

 

 …だけど、私は少し疑問に思った事があった。


 これは、偏っているかもだけれど私が想像するオークションは絵画や骨董品の壺、後は宝石が散りばめられたネックレスをどうしても想像してしまう。そんな、おおよそクリスさんの好きな物からかけ離れたものが私には想像出来なくて、頭を傾げていると……


「…クリスの言っているオークションは、武器や機械の備品……後は、機体の事だ」


 声のする方に、目を向けると其処にはレイクスさんが端末を持ったまま、私たちの所に来た。そして、


「後、俺らもそのオークションに出品するぞ?」

「…え?」


 レイクスさんの言葉に聞き返すとレイクスさんは、


「ほら、お前と俺達が初めて会ったときのあの施設でヘルドが掻っ払ったリュストゥングがあるだろ?それを売るんだよ」

「……へ?」

「…騎士団が使っている、しかも最新鋭の機体だって言っていたからな…ヘルドが…高く売れるぞ?」


 レイクスさんはにっと笑った。私は、少しずつ思い出してきた…。


「…売っちゃうんですか?」

「…僕としては、名残惜しいですが…まぁ、設計や装甲が何が使っているのか分かりましたからね…また、次の機会にでもと思います…」


 クリスさんが少し悔しそうにそう言ったけれど、私としてはその前に気になった。


ー…いえ、そうじゃなくて…その騎士団のリュストゥングを売るのかを…ー


 クリスさんはそういうともう一度あの騎士団のリュストゥングを再確認してくると言って食堂から出て行ってしまった……。残されたのは、私と食堂の主と……そして、レイクスさんだけだった…。レイクスさんは私を見ると少しため息を付いて…


「…あのな…ナナミ…俺達は海賊だぞ?…盗んだ物を使ったり、売ったりするのは当たり前なんだ…」

「あ…」


 私は、言われて其処まで気付いた。


ー…そうだった…ヴァッカニアは、宇宙海賊だった…ー


 私は、少しうなだれた…。


ー…きっと、まだ私は此処には馴れてない証拠なんだな…ー


 少しだけ、ショックを受けていると、そっと頭を撫でられた…レイクスさんの手だった…。


「…ま、今まで違う世界にいたんだ…暫くすれば馴れるさ…」

「…はい…」

「…焦らなくて良い…無理に馴れようとしなくて良い…ナナミらしく、少しずつ馴れてくれたら俺は少なくとも嬉しい。」

「……ありがとう、ございます…」


 暫く、そうして撫でられていると、


「…そういや、ナナミ…初めて会ったとき、リュストゥングに乗せたよな…一ヶ月前だってのに懐かしいな……」


 その言葉に、私はたちまちあの時の事を思い出して……そして、


ー…私、あの施設で、騎士団の人が来て、レイクスさんと隠れたあの時怖くて必死だったけれど、今考えると…ー


 顔が途端に真っ赤になるのを感じて、思わず…


「~~~~~!!」


 突然、恥ずかしさといたたまれなさに、レイクスさんに再度御礼を言って既に全部終わった、洗い物を置いて逃げるように、食堂から出て行った…。


 そして、何となく、自分の顔を通路にある鏡のように光っている銀色の大きな鉄板で見ると、トマトのように真っ赤になっていた…。その顔にも何故か恥ずかしさが増えてしまい、なんとか収まるのを待った……。


 というわけで、私達はオークションが始まるまでに暫く街を歩くことになった。

 今、私とアニーちゃんは火星で歩きやすいように男装をしている。アニーちゃんは白いリボンをとって少し髪をクシャクシャにして、私は、髪が腰まで長いので、いつも結んでいる髪をお団子にして、帽子の中に入れている。…胸は、少し苦しいけれどサラシで潰している…。


 火星に行く準備を整えて、私は初めての星に足を踏み出した…。

 

ちょっと恋愛要素が終わりあたりに入れてみました。…次回は、ちゃんとナナミさん達が来た火星の事を書けるにようにします…(;´Д`)

それでは

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