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No.12 選択

今回、ナナミさんが選択をします

 宇宙海賊、ヴァイキングとの戦闘を終えてレイクスさんを乗せたバルバロスと他のヴァッカニアのリュストゥングが戻って行くのを確認したのか、モニターの画面は短い音をした後、真っ暗になった。 モニターの周りにいた人達は散り散りに自分達の仕事に戻っていった。その姿を真っ暗になった画面は、鏡のようになりその人達の様々な姿を映した。


 首に手を添えて忙しくなると呟いた人、

 リュストゥングの整備に必要な物を引っ張り出して、帰りを待つ人達、さっきまで側にいたクリスさんはその中にパソコンのような端末を持っていた…。


 私は、そんな様子をただぼんやりと見続けていた。


ー…そして、俺が案内する場所に着いた場所で、決めてみろ…ー


 ランシスさんの言葉を思い出した。だけど、連れてこられた先でも私は迷ってままだった。


 ー…やっぱり、私は…ー


「ナナミ、戻ったぞ…ただいま。」


 その声に反応した後、振り返るとレイクスさんがいた。私はいつの間にか其処にいたのか気付かなかったのをなんだか恥ずかしく思って、


 「あ……え……お帰り…なさい……」


 と、笑顔を作りながら返すとレイクスさんは少し固まっていた気がしたけれど、レイクスさんは私に向かって笑って返した。


 その後、他の乗っていた…ヘルドさんと……もう一人、まさかサンダさんもパイロットとは知らず、驚いてしまった。


 首にタオルを掛けながら、私に近付いてきた。…本人によると、かなりの暑がりで汗っかきだといっていた。ヘルドさんは整備士の人達の所に、レイクスさんは報告をしに行った。私は、サンダさんにパイロットだと言うことを知らなかったことを伝えるとサンダさんは伝え忘れていたと今気がついたと豪快に笑っていた。


 私は、サンダさんに聞いてみた。

「あの、サンダさん…サンダさんはいつからヴァッカニアにいたんですか」

 

 サンダさんは少し考えるように言うと

「そうだな……此処に来たのは……確か…三年前かな…船長に拾って貰って、んでそのままパイロットになったな…当時、どうしようもなく途方にくれた俺を、船長がこういったんだ」


ー…お前さえ良ければ俺達の所に来ないか…最も、来るか来ないかはお前が決めればいい…ー


ー…来たとしても、俺は何もできないぞ…ー


ー…そん時はそん時で、自分で何かできるか考えれば良い…ま、誰でもできること、できないことでも、なんだっていい。重要なのは、やると言うことだ…ー


ー…なんか、適当だな……ー


ー…良いんだよ、適当で。どんなにそいつしかできないことでもやらなきゃ意味がない。だけど、誰でもできることでもやってくれれば、それはいろんな助けやいろんな奴が感謝するんだよ…俺もな…ー


ー…分かった、じゃあ一緒に行くよ…何ができるかは分からないけどな……この時点じゃ…ー


ー…決まりだな。よろしく………ー


「んで、今こうして、リュストゥングに乗れることが俺のできることだ…」

「そうだったんですか……」


 私は、少しだけレイクスさんとサンダさんの過去を垣間見た。そして、その中に自分がどうしたいのか見つかった。私は、サンダさんに向かって、お辞儀をして、


「サンダさん、ありがとうございます……」

「……?…おぅ…」


 サンダさんはいまいち分からないような、顔をされていましたが、私は笑顔を作って、そのまま、整備士の人達にも挨拶をして格納庫から出た。


「まぁ、よく分からんがとにかく何かを見つけたみたいだな良かった良かった」


 

 そして、私はレイクスさんを見つけた。彼は、廊下を歩いていた。私は、


「レイクスさん」

「ナナミ?どうしたんだ?」


 振り向いて、私に聞いてきた。私は、レイクスさんに言われた言葉を思い出す。


ー…これからどうするかはお前が決めれば良い…だけど、選択したからには後悔がないようにしろ…ー


 私は、その言葉を頭に入れて、彼に言った。


「……私、戦うことができません……戦うサポートも、できません…きっと役に立たない…」


 此処で区切り、しっかりと前を見る。レイクスさんは何もいわず、目を細めていた……


「だけど、雑用でも、できることがあるから…だから、改めて、ここに……ヴァッカニアにいさせてください」


 言いたいことを伝えた私は、レイクスさんを見る……レイクスさんは、私の言葉に


「勿論だ……改めて、よろしくな……ナナミ」


 その言葉が、何だか嬉しくて、私は


「はい!よろしくお願いします!!」


 笑顔で、答えた。


 散々悩んだけれど、私はこうして本当の意味で、ヴァッカニアの一員になれた気がした……


 レイクスさんは、その様子に優しく……だけど、柔らかく笑うと私から後ろを向いて手を降って廊下を歩き出した…。


 その表情に、私は少し胸が何かに優しく、叩かれるような、感じがした。


 そして、その数日後……


「ナナミさん、服が完成しました。来てみてください……サイズは、大丈夫ですか?」

「ありがとうございます…ピッタリです…」


 ミュエルさんから、作って貰った服は今は仕事用の服を着たところだった。その服は、汚れても大丈夫なような紺色の裾の長い、足の丈は太もも位の長さのワンピースだけど、下に黒いズボンをはくような、服装だった。


「動きやすさを重視してしてみましたから、これで大丈夫だと思います…後は、普段着と……」

「…そんなに、作って貰って…なんだか、申し訳ないです……」

「いえいえ…気にしないでください。私が好きに作ったんですから…」


 そして、貰った服を袋に入れてもらって私は、お礼を言い、船長室に向かった。

レイクスさんは私を見ると、


「…なかなか様になってるじゃないか…」

「…ひぁ?!」


 そう言って、私の腰を触った……私は、


「あ、あのっ……服!服を沢山頂いたので、寝室に置いてきて良いですか?!」


 私は、寝室に向かって逃げるように行った。後ろからは、楽しそうなレイクスさんの笑い声が聞こえた。


「うぅ…完全にからかわれてる……」


 寝室の隅に、大切に服を置いて鏡を覗く……


そこには、変わらずにネックレスに下がった、リングがある……


 あれから、数日…少しずつヴァッカニアになれてきたけれど……


「…あなたに、別れを告げられた時の心は、完全にあの時のままだね……」


 そして、未だに鋭く走る胸の痛みを誤魔化すように、私は寝室から出て行った……



というわけで、これで一区切りです。ナナミさんの気持ち、未だに根強く……とりあえず、悩んで選んでヴァッカニアにいることを決めました。何気に他の人の過去がチラリと見えましたね。

次回はなんとか早めに出来たら良いなと思います。

それでは。

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