↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最底辺の引きこもりが異世界転生したら魔王として君臨している  作者: 明太パスタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/15

魔王としての初決断

ゲーム機事件から数日。

自室のソファで虚無を見つめていたジンに、ついに「魔王」としての正式な判断を求められる瞬間がやってきた。


「ジークフリート様、緊急の御拝謁をいただきたく存じます!」


四天王の老魔導士コルネリウスが、羊皮紙の巻物を何巻も抱えて急ぎ足で入室してきた。

その後ろには、四天王全員が神妙な面持ちで並んでいる。


(ひ、久しぶりに全員集合してる……!? なに!? 打ち首!? それとも「実は人間だとバレたから今から裁く」的なやつ!?)


ジンは心臓をバクバクさせながら、精一杯の「平然とした顔(恐怖で硬直しているだけ)」を作った。


「……何事だ」


「はっ! 実は東方の隣国『ガリア帝国』より、我ら魔王軍へ最後の通牒が届きました。『直ちに降伏し、領域を明け渡せ。さもなくば総兵力10万で魔王城を更地にする』と……」


「10万!?」


ジンの素の声が出かかったが、慌てて口を塞いだ。


(じ、10万って何!? 勇者一人でも死ぬかと思ったのに、10万の軍隊が押し寄せてきたら僕の引きこもり生活どころか命が終わるじゃん!!)


「ジークフリート様、我らにご命令を!」

バアルが怒りに震える拳を握り締める。

「ガリア帝国の愚か者どもを一掃するため、全軍突撃の許可を! 敵の血で我らの剣を洗ってご覧に入れます!」


「お待ちくださいバアル」

ルクレツィアが制する。

「ジークフリート様の真意は別にあるはず。全軍突撃などという単純な策を、このお方が望まれるでしょうか?」


(いや、突撃も嫌だけど、戦争自体が嫌なんだってば!!)


ジンは冷や汗を滝のように流しながら、必死に頭を回転させた。

なんとかして戦いを回避し、自分のお部屋の平和を守る方法はないか。


(そうだ……! ネットの掲示板で荒らしに絡まれた時の鉄則……『無視(スルー)』だ! 相手にしなければ、そのうち飽きて帰っていくはず……!)


ジンはゆっくりと深く溜め息をつき、ボソリと呟いた。


「……放っておけ」


「……え?」

四天王たちが一斉に目を見開いた。


「無視だ。……関わる価値もない」


ただ相手にするのが面倒くさく、部屋に引きこもっていたいジンの本音。


しかし、老魔導士コルネリウスの目が、カッと見開かれた。


「な……なんという……なんという絶対的な自負……!!」


コルネリウスはブルブルと髭を震わせ、その場に伏せた。


「『10万の軍勢など、我が魔王城の前に到達することすら叶わぬ塵芥に過ぎぬ。返答をする価値すら与えん』……そういうことにございますね!?」


「え」


「左様でございますか! 相手の挑発を完璧に無視することで、敵の士気を底から崩壊させ、自滅へと誘導されるおつもりかっ……! これぞ『不戦にして勝つ』覇道の真髄……!」


(ちがう! ただスルーして関わりたくないだけだってば!!)


「ジークフリート様の深いお考え、恐れ入りました!」

「我らも王の余裕を見習い、静観を決め込みましょう!」


四天王たちは感銘を受けた様子で深々と一礼し、嵐のように去っていった。


(待って! 静観するのはいいけど、本当に10万来たらどうするの!? 誰か僕を守ってぇぇぇーーーっ!!)


一人残されたジンは、頭を抱えてベッドへと転がり込むのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。