勘違い
「ふぅ、どう言い訳しようか」
僕はあの後悪魔を食したことについてどう言い訳するかを考えながら歩いていた。
よく考えると普通に悪魔を喰らうのはダメだろ。
あーくそ、考えなしに食べてしまった。
正直に伝えてもいいのだが、もし悪魔を食すのが神々にとってタブーならばその場合僕は良くて天界追放、悪ければ死だろう。
僕は最強を目指しているのだからこんなところで死んだりしている場合ではないのだ。
ちなみに僕が頭をフル回転して考えた言い訳は今のところ4つある。
プラン1 事実を少し改ざんして伝える
プラン2 悪魔が死んだ時に自爆したと伝える
プラン3 そもそも悪魔と対峙した事自体伝えない
プラン4 悪魔同士で仲間割れした殺し合いを始めた。 そして負けた方を片方が食っているところを不意打ちした
………今僕には分かったことがある。
それは僕は言い訳が途轍もないほどに下手だということだ。
頼むぜ僕の弱弱ブレイン。もっとまともな言い訳を絞り出してくれ…
くそ!赤ちゃんが考えたような言い訳しか出てこない。
こうなったらもうプラン3でいくしかない。
悪魔が神殿内に侵入した事を伝えなければ何らかの罰則を受けるかもしれない。しかしもう既に僕は悪魔を喰らっているのでバレたら罰則を受けるのは確定している関係ない。
「よし!これで行こう」
僕は逃げたのではない。決して責任から逃げたわけではない。
僕は自分に自己暗示をかけながら山道を下る。
お、そろそろだな
僕がそう思うと同時に肩を掴まれた。
「え?」
後ろを振り向くとそこには赤いバンダナを身に着けている男神と青いローブを羽織っている女神がいた。
この二柱は何故か僕の事を警戒しているのか既に戦闘態勢に入っている。
それに肩を掴まれるまで気配をまったく感じなかった。
恐らくこの二柱は青神ぐらいの力を持つ神だろう。
「えと…何か御用ですか?」
僕は肩をいきなり掴まれた意味が分からないので刺激しないように下手に出る。
僕の質問には赤いバンダナの男神が答える。
「お前…なにもんだ?悪魔か?それとも神か?」
「いや、普通に神ですけど……」
「そうか」
赤バンダナはそう言い青ローブの方をチラっと確認する。
すると青ローブは首を横に振り口を開け話し出す。
「アンタは神なんかじゃない、だってアンタの体から悪魔の匂いがプンプンしてくる。普通神からそんな匂いはしない」
「だとさ、なんか言い訳あるか?」
赤バンダナは青ローブの話を聞き僕に問いかけてくる。
うーんなんて言おうか、プラン3を言ったとしてもコイツラには多分信じてもらえない。
こうなったら普通に嘘を言おう。プランにすら入っていないただの嘘を…
「実はですねぇ。先ほど悪魔2匹が神殿内に現れまして、僕は偶然そこに鉢合わせてしまいましてそいつらと殺し合うことになったんですよ。それで僕はなんとかそいつらを殺せて慌てて報告に行こうとしている最中なんですよ」
おーう、口が回る回る。
今僕にはわかったことがある。
それは、僕は嘘を吐く時とんでもないくらい饒舌になるということだ。
僕が新たな気づきを得ていると青ローブが話し出す。
「なるほどね。確かに言っていることは分からなくもない、でもアンタ嘘ついてるでしょ?
普通悪魔を殺したからといってそこまで濃密な悪魔の匂いは体に染み付かない。悪魔に取り憑かれるか、悪魔を食べない限りはね」
「うっ」
はっ思わず図星を突かれ声が出てしまった。
青ローブはというと確信したような顔で僕を見ている。
「アンタ………悪魔を食べたわね?」
「おいおい、悪魔を食うってのは神々の中で禁止されている行為の一つだぞ!?」
「その証拠は何処にあるんですか?」
やばい!焦りのあまり言うと余計怪しくなるランキング第3位(個人的な順位)を言ってしまっかった!
「証拠ならそこにあるじゃない」
青ローブはそう言い僕の腹を見る。こいつもしかして………
「貴方の体を切り開いて確認すればいいだけだわ」
「ああ、そうだな。ちょっと気は引けるけど」
赤バンダナと青ローブはそう言い僕に殺意を向けてくる。
「まって下さい!もし僕が悪魔を食べていない場合貴方がたはどうするつもりなんですか!?」
「そうだなぁ、もし違えばお前の言う事を聞いてやるよ!」
「そうね、まぁアンタが生きていればの話だけど!」
そう言い赤バンダナが一気に距離を縮めてくる。
この戦いの勝敗は後に天界へと大きな影響を与えることになったという
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