第52話 ユグドラシルの戦略
俺たちは今後の戦いの戦略を考えた
サッキュバスの軍勢を撃破した俺たちは新たな策を練った
未だ時は満ちていなかった
背後に魔王軍をあいたいし、正面にアルナロック正規軍とあいたいする今はユグドラシルに味方するものはいない
魔王軍が本格的な侵攻はしていないのは幸いだった
魔王軍は明らかに斬撃作戦を行っている
この10年間、魔王軍はユグドラシルの軍をすこしづつ削っていた
俺たちはユグドラシルと魔族が激しい戦いを行っていると思っていたが、
実際は魔物とユグドラシル軍が戦っていただけだった
つまり、本当の魔族はユグドラシルを攻めて居らず、一切の損害がない
しかし、ユグドラシル軍への兵の補充は限界に来ていた
ユグドラシル軍へ兵を送っていたのは、王都ベルンでは、ない。王弟を初めとする各諸侯達だった
既に王弟、諸侯はもう、魔族とは戦いたくないのだ
この状態を打破するのは難しい
ユグドラシル軍に味方してもらうには、ユグドラシル軍がもっと強くなる必要があった
正直、魔族か王弟のどちらかが仲間になれば、自動的両者は仲間になるのだ
だが、その為には今ひとつ決定打がないのだ
しかし、この状態を打破する意見が出た
夜叉族の王、夜叉王からだ
「戦力が欲しければ、我ら亜人族、精霊族を仲間に加えてはどうだ?」
「あなたは、夜叉族の夜叉王?」
「ああ、縁に恵まれ、人の勇者と共に戦う名誉を得た」
「我らは勇者に従おう。我ら夜叉族1万はユグドラシルにつく」
「1、1万」
「それだけではない。我らには他に7つの種族がおる
すなわち、阿修羅属、竜族、カルラ族、ケンダッパ族、天族、キンナラ族、マゴラガ族
それぞれ合わせれば、8万の軍勢だ。我らはこの日の為に力を蓄えてきた」
8万の軍勢が味方につけば、王弟軍も魔族の軍も仲間になるかも
「それだけではない。妖精族も仲間になってくれるかもしれんない
魔王軍が、彼らにも悪さをしていると聞いた事がある」
「エルフやドワーフの軍勢ですね」
「おそらく20万程度の兵を出せる」
「それだけ集まれば」
「王弟軍も」
「おそらく魔族も」
「決まりだな。他にあてがない」
「では、先ずは我の故郷夜叉族の住処へ、行こう
そして、各部族を回ろう」
「お願いします」
「だが、我にも頼みがある」
「なんですか?」
俺は聞いた
「勇者島村殿に来てもらいたい
我の部族は我に従うだろう、だが、他の部族は勇者殿が味方だとわかれば味方になるだろう」
「分かりました」
「じゃ、高野、護衛として、一緒に来てもらっていいか?」
「俺だけ?
いや、みんなで行けばいいんじゃないか?」
「ユグドラシル軍を放っておく訳にはいかないだろ?」
「たしかに、南達はユグドラシル軍に必須だ」
「でも、高野君もユグドラシル軍にいた方が安心じゃない?」
南が主張する。そうだ。頑張れ南
俺、南と一緒にいたい
そこに、泉が冷たい声が
「島村君、高野君を狙ってる感丸わかりよ
危険だから、私も行くわ」
「いや、泉も高野君の事狙ってるでしょ?」
南がすごい剣幕で突っ込む
「女の子同士なんだから、間違いのおかしようは無いでしょ」
それはそうだけど、限りなく怪しい
南がかなりプンプンモードだ
西野が
「お前、いいなぁ。羨ましい」
確かに俺は人生最大のモテ期を迎えていた
ただ、
「いや、俺、なんでこんな時に女の子になんかなってんだ」
思わず、心の叫びが漏れた
『ゲジ』
『きゅう』
俺はそんな音を聞いて気絶した
多分、南が俺を殴ったんだと思った。子供の頃、南は怒るとすぐ殴る子だった。消えゆく意識の中で俺は思い出した
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