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第50話 サッキュバスの姫と竜王族

敵将が可愛い

魔王軍はその大半の戦力を僅か20分で奪われた


 すでに勝敗は決した


 ユグドラシル軍の損害は皆無だった


 だが、魔物達が敗走する中、敵将達は動かなかった


「ベルンハルト将軍、敵将動きません


 俺たちで対応していいですか?」


「銃で対処出来ないか?」


ベルンハルト将軍の意見は最もだ


 銃で吹き飛ばせばいいだけだ


 しかし


「すいません、敵将は女性です


 俺には出来ません」


「分かった。こちらも騎士と魔術師の精鋭を送る


 決して、魔物に油断しないでくれ


 分かりました。友軍と合流して対応します」


俺は引き金を引けなかった


 魔王軍の将は女性だった。


 それも、若い、俺と対して歳が変わらない様に見える


 将は魔物、見かけで判断してはならないのかもしれない


 しかし、俺には美しい女性を銃弾でバラバラにする様な事は出来無かった


「敵将は死に場所を探しているのかもしれないな」


島村は言った


「そうかもしれない。敵将の他に何人か残ってる


 みんな人間そっくりだ。人間と同じ様な感情があるなら」


「その時は俺たちの出番だ。高野は銃はやめとけ。嫌なんだろ?」


「うん。流石にあんな子供みたいな女の子に銃は向けられ無いよ」


「高野君」


南が物憂げだ。多分、南も自分の魔法の結果に臆したんだろう


 俺たちはユグドラシル軍の精鋭10名と合流すると敵将サッキュバス達の元へ行った


 サッキュバスは想像以上に若く、美しかった


 いや、子供とも言える愛らしい姿だ


 サッキュバスのほか、人間そっくりの角が生えた魔物達がいた


「なぜ、あの不思議な魔法で私達を殺さないのですか?」


サッキュバスは問うた


「俺にはあなたを残酷に殺す事は出来無いです」


「では、私達を綺麗な姿のまま殺してくれるのですね


 感謝します。人間は優しいのですね」


「待ってください。抵抗しないのですか?」


島村が驚いて聞く


「私達サッキュバスには対して戦う力はありません


 あなた達の軍に淫夢を見せ、その間に勝利する筈でした」


「では、何故逃げ無いのですか?


 勝てないなら、逃げればいいじゃないですか?」


島村は口調が激しくなる


 サッキュバスは淫猥な女の姿をしていると聞いたが、


 目の前のサッキュバスは可憐と言った方がいい容姿だった


「負けたら、魔王に殺されるだけです


 魔王は機嫌が悪いと私達の同胞を殺します


 もう、私達の一族は私達だけです


 父様も母様も魔王の気まぐれで無惨に殺されました


 私達にはもう生きて行く場所が無いのです」


「そ、そんな」


島村はサッキュバスの言う事にショックを受けた様だ


「俺たちは戦って死にたい」


竜人?


 と表現するしか無い人間そっくりの魔物達が4人いた


「我らは竜王族、サッキュバスの姫の護衛だ


 姫達と同様、俺たちも帰れば殺されるだけだ


 だが、俺たちは戦闘種族竜王族、戦って死なせてくれ」


彼らも又、死を覚悟していた


「降伏してください」


俺は思わず大声を出した


「戦いで、負けたからと言って、死んじゃ駄目です


 あなた達は悔しくないのですか?


 死ぬ事より魔王に戦いを挑むべきです」


竜王族が---はっ---とした顔をする


「しかし、我らに魔王を倒す程の力は無い


 見つかったら無惨に殺されるだけだ」


「俺たちの仲間になればいい」


島村が突然いい出した


「勇者殿」


ユグドラシル軍の騎士のひとりが驚く


「俺たちは魔族と手を取り合おうとしている


 ならば、あなた達とも仲間になれる筈だ」


「あの。あなた方は人を襲ったり、傷つけたりするのですか?」


南が聞いた。確かに、重要な事だ


「俺たちは人間に害など与えない」


「私達は人間の精をもらう事はありますが、傷つけたりはしません 」


「じゃ、仲間になれるんじゃないかしら」


彼らは沈黙した


「仲間になるなら、剣を捨ててください


 それを降伏の証とします」


サッキュバスの姫は泣きだした


「に、人間がこんなに慈悲深いなんて知らなかった


 私達信じていいんですか?」


「大丈夫です。私が責任を持ちます」


気がつくと島村はサッキュバスの姫に近づき


その手をとっていた......


俺と南は思わず言ってしまった


「「島村(君)、俺の事(高野君の事)好きだと言ったよね......」


島村ってそういう奴だったのか......


イケメンってずるい......

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