第48話 ユグドラシル平原の戦い1
俺達はユグドラシルと魔族との戦いに参戦する事にした
俺達には行き場所がないのだ
作戦立案にあたり俺と西野は大きく貢献した
俺も西野もミリタリーオタクだった事が幸いした
作戦は敵主力と右枝隊に阻止攻撃を行い、進軍を妨げる
連絡手段が未発達なこの世界で左枝隊は状況を把握できず、
戦闘に有利と思っているユグドラシル平原に展開するだろう
そこへ、ユグドラシル十字軍は枝隊に全力攻撃する
魔属軍5千対ユグドラシル十字軍2万、決着はすぐつく
☆☆☆
俺と島村が、大空へ飛び立つ
互いに後方確認する
現代航空戦の基本
空を飛ぶ戦いでは離陸する時と着陸する時の被弾率が最も高い
航空戦は一撃離脱、敵勢力の反撃を受けない事
航空機が無いこの時代の人間にわかる筈が無い戦術
それを俺たちはやろうとしていた
髪が激しくたなびく
風が頬を強く叩く
「島村、後ろは大丈夫だ」
「ああ、高村の方も、大丈夫だ」
俺たちは二手に別れた
俺と島村のチームと南と泉のチーム
南達には百瀬、林と西野が護衛についた
「それにしても本当にたった一撃しか攻撃しないのか?」
島村が問いかける
「航空戦は一撃離脱が基本だよ
対戦者に航空戦力が無い保証は無いし、
対空戦闘が出来無い保証もないよ」
「びっくりする位慎重だな」
「過去の戦訓が言ってる。航空戦はスピードが全てだよ
だから、一撃離脱戦法なんだ」
「そうなのか?」
「そうだよ。」
「それにしても、高野と西野にそんな知識があるのは不思議だ」
「まあ、何の役にもたたない筈のオタクの知識だから」
「でも、役にたってる。助かるよ」
「ありがとう。俺、人からあまり誉められた事無いから、本当に嬉しい」
「いや、こちらこそありがとう」
俺たちは魔王軍の主隊に向けて一路『スカイハイ』のスキルで空を飛び続けた
朝焼けが森に映える。美しい風景は信じられないスピードで流れる
飛び続けて1時間、魔王軍の主隊と思われる隊列が目に入る
「島村、迂回するよ」
「ああ」
俺たちは本隊前線部隊への攻撃では無く、後方の部隊を目指した
後方には、補給部隊がいる
オークやゴブリンも水や食糧無しではいられない
だから、補給部隊を叩く
「上手く行けば、かなり時間稼ぎ出来るよ」
「本当に不思議だ。目の前に主力がいるのに後方の弱い部隊の方が重要なんて」
「でも、ユグドラシルの将軍達も納得してたろ?」
「ああ、だから理解出来無くても高野についてきてる」
「はは、俺信用無いな」
「いや、そうじゃ無くて、俺たちに理解能力がないんだ
それで、戦いのプロが納得する事で俺たちは納得出来たんだ」
「そう言うものなのか?」
「判断する力が無い時はみんなそうだよ」
「そうゆうものなんだ」
「ああ、そうゆうものだ」
「島村、多分、目標だ」
俺は島村との会話を止めて作戦に注力した
馬車がたくさんある。多分そうだ。
「じゃ
後方確認だな」
俺たちは互いに後方や側面に敵がいない事を確認すると速度を上げた
髪がざんばらになり、頬を打つ風は痛い位だ
「島村、やるぞ!」
「おお、護衛は任せてくれ!」
俺は後ろを島村に預け、倉庫からAK74を取り出し、素早く照準を定め
『撃つ』
バーストショットで三発のみ
「島村、離脱だ」
俺たちは起動を変えて反転した
急速離脱
「どう?
効果は?」
「かなりの被害みたいだ」
島村は後ろを確認した
もちろん、前は俺が守る
「それにしても、高野の銃凄いな」
「エクスプロージョン弾、上手くいったみたい」
「ある意味、南の魔法より凄いかもな」
「そんな事無いよ。南の詠唱魔法の威力は知ってるだろ?」
「誰だ?
航空戦はスピードが命だって言ったのは?
俺だってわかるぞ」
「バレたか」
「少なくとも航空戦ではお前の銃の方が一撃離脱には向いている」
「さすがだね。島村、分かっちゃうんだ」
「ああ、どうして南達の方が護衛がたくさん必要か良く分かった」
「ああ、南達は魔法詠唱に時間がかかる」
「だから、それだけリスクが上がると言う事か」
「だから、南の事が心配なんだ」
「百瀬や林がついてる。仲間を信じろ」
「ああ、そうだね」
俺はそう言うと島村に微笑みかけた
島村も笑顔で返す
作成は成功した
ユグドラシル軍は僅か5千の敵と対峙した
もちろん、完勝だった
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